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OVIVO レビュー

OVIVOOVIVO
アクション アート系
IzHard(ロシア)
価格 250 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2018/4/15
iPhoneSteam

サイケデリックアートの世界にようこそ

見る者に狂気と幻想を与える、まるで麻薬による幻覚のような世界の中を進んでいく、非常にインパクトのある芸術的作品が公開されています。
OVIVO」です。

OVIVO

空間と物質を反転させながら進んでいくアクションゲームですが、最大の特徴はそのビジュアル。
奇妙で奇怪、見慣れたデザインとはまるで違うとおぼしきアート。
白黒ながら鮮やかに、しかし心理的な圧力さえ受けるその表現は、プレイヤーを妙に惹き付けます。

他の芸術系アプリよりアクション性が高いのも特徴ですが、それほど難しい訳ではなく、アート系としては適度な難易度です。

価格は 250 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告などはありません。
開発はロシアの小メーカーです。
文字の出ないゲームなので言語の問題はなくオプション画面の文章も日本語化されています。

OVIVO ピラミッドステージ
OVIVO 生体ステージ

ステージクリア制のゲームで、ゴールに向かって進んでいきます。
スティックやボタンで左右に移動し、画面右側をタップすると、空間が反転します。

最初、白い場所は空間、黒い場所は床で、重力は下に向かって働いています。
しかしボタンを押すと、白い場所が床、黒い場所が空間になり、重力は上に向かって働くように切り替わります。
そして主人公は床を挟んで、上下反対の位置に移動します。

OVIVO 反転

ジャンプすることは出来ませんが、目の前に山があっても、反転させれば谷になります。
よってそこを落下して進んでいけます。
その先にまた上り坂があっても、反転すればそれは下り坂になります。

また、落下して着地する際にタイミング良く反転すると、そのまま床を突き抜けて少し飛び上がります。
これを利用すれば跳ねることが可能で、着地のタイミングでの反転を繰り返せば、ポンポンとリズミカルに飛んでいくこともできます。

序盤は起伏のある道を進んでいくだけの簡単なステージが続きますが、そのうち離れた床に飛び移ったり、タイミングを計って移動しなければならない場面も出てきます。
スピード勝負のシーンや、障害物を避けて空中を移動するシーンなど、徐々にアクションゲームらしいステージが増えていきます。

奈落に落下したり、とがっているものに触れるとミスになりますが、すぐ直前から復帰できます。
リトライに制限はなく、大きく戻される場面は少ないので、ストレスなくプレイできますね。

OVIVO 植物ステージ
※揺れる花の上を渡って行くシーン。
反転すると花の中に入り、再度反転すると出て来た時に少し跳び上がるので、それを利用して飛び移れます。

OVIVO 竜に追われるシーン
※奇妙な竜に追われるシーン。
ここは急がないと喰われてしまう、ゲームらしい場面。
地形に合わせた素早い反転がカギ。

冒頭で述べたように、このゲームの最大の見所はそのビジュアル。
各ステージは1つの大きなアートの中を進んでいく形になっていて、1つの章に3つのステージがあり、クリアすれば全景を見ることができます。

そのデザインはもう、形容しがたい世界。
最初のステージは巨大な細胞のように見えますが、樹木や機械のようなシーンもあり、とにかく予想できない風景が描かれています。

その絵には狂気さえ感じますが、恐いとか、気持ち悪いとかではなく、美術として綺麗。
次のステージにはどんなものが描かれているのか?
それを見たいがために進めてしまう魅力があります。

各ステージにはドットとカプセルが配置されていて、これを集めながら進んでいきます。
ただ、ドットはゴールに向かっていれば自然と集まるようになっていて、道案内のような役目を持ちます。

カプセルはちょっと解りにくいところや、回収しづらいところに配置されていて、隠しアイテム… とまでは言えませんが、ボーナスアイテムのような存在です。
各ステージに1つあり、1つの章で全て集めると、ステージセレクト画面にちょっとしたアートが表示されます。

OVIVO 生体ステージ広域
※アートの一部にして、ゲームの舞台。
これがステージマップでもあるというのが、もう独特。

OVIVO ステージセレクト
※おしゃれなステージ選択画面。
左にあるのがカプセル収集によるボーナスアート。
合計 28 ステージで、クリアまで3時間ほど。

OVIVO ロック画面にしてみた
※これは iPad のロック画面にしてみたところ。
クリアした章のアートは自由に、好きなズームで眺められるので、こういう使い方もできます。

iPhone には多くの芸術系アプリがありますが、これほど「アート」を感じるゲームはないでしょう。
内容や雰囲気、物語でそれを表現しているのではなく、直球でアート。
一方で、ちゃんとゲームにもなっています。

私は作った本人しか理解できないような前衛美術や抽象芸術は嫌いなのですが、これは直接的なインパクトがあって、高尚な美術感がない私でも「すごい!」と思うことができます。

ゲームという形を取ったアート作品の1つとしてお勧めです。

OVIVOOVIVO(iPhone 版、App Store)

OVIVO(PC版、Steam へ)

※Youtube 公式 PV

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