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欧陸戦争6: 1804 レビュー

アプリ名欧陸戦争6: 1804
ターン制 戦略シミュレーションゲーム
Easy Tech(中国)
価格 120 円、課金あり
レビュー公開:2018/5/27
iPhoneAndroid

今度の欧陸戦争は再びナポレオンの時代に

スマホの戦略シミュレーションゲームの大定番「欧陸戦争」シリーズ。
もう戦術級 SLG(大戦略 / ファミコンウォーズ型)の代表格の1つと言って良いのではないでしょうか。
その欧陸戦争に最新作が登場しています。
欧陸戦争6: 1804」です。

欧陸戦争6: 1804

同系と言える「世界の覇者」と「将軍の栄光」のシリーズも含めると、今作で実に 13 作目。(三国合戦も含めると 14 作目)
いやはや、長編のシリーズになりましたね。

作品によって舞台が第一次世界大戦だったり第二次世界大戦だったり、はたまた近代戦だったりしますが、今作は 1800 年前後の欧米が舞台。
アメリカ独立戦争やナポレオン戦争、植民地戦争などがテーマになっています。

欧陸戦争4 もナポレオン戦争が舞台で、欧陸戦争5 は世界史がテーマだったので、近代戦は世界の覇者や将軍の栄光に任せ、欧陸戦争はこの辺りを扱う方針のようですね。
正直、日本人には馴染みが薄い舞台ですが… これまでと同様の戦術ゲームを楽しめます。

一方、デザインは 欧陸戦争5 や、1つ前の作品である 世界の覇者4 とはだいぶ違っていて、ヨーロピアーンなオシャレ感のあるものになっています。
また、戦闘シーン以外のシステムが簡易化されており、広げすぎた風呂敷を畳んだ印象があります。

アプリ本体は 120 円。買い切りゲームなのでスタミナや広告はありません。
将軍や課金通貨を買う課金がありますが、無課金でも進める印象です。
有力な将軍を得るのはやはり課金しないと辛いですが。

欧陸戦争6: 1804
欧陸戦争6: 1804

ゲームモードは「戦役」「征服」「挑戦」の3つ。
さらに Bluetooth や Wi-Fi 接続でローカル対戦を楽しめる「マルチプレイ」が用意されています。

メインモードは「戦役」で、これはいわゆるシナリオモード
最初はアメリカ独立戦争をテーマにした8ステージを戦っていき、その後はカナダ&イギリスとしてアメリカと戦うシナリオ、さらにナポレオンとしてヨーロッパを転戦するシナリオに挑戦できます。
その後も神聖ローマ帝国やロシアのシナリオが登場し、ボリュームはかなりのもの。

1つのステージはそれほど広くなく、プレイヤーが操るユニットも全体の一部です。
敵と味方の双方がいくつかの軍団に分かれていて、その一方面軍を担当する形。
他の部隊は AI が動かします。

ゲームはターン制の戦術シミュレーション。
マップは六角形のマス(ヘックス)で区切られており、ユニット(部隊)を動かして、敵を攻撃、都市を占領、一通りのユニットを動かしたら敵の番になります。

欧陸戦争のルールの特徴は、ユニットが耐久力制であること、移動だけして攻撃は後で出来ること、敵を挟み撃ちにすると相手の士気が下がることですね。
大砲は移動後でも射撃可能です。

前作(世界の覇者4)は都市に耐久力があり、都市にいる敵を攻撃するとダメージが敵と都市に分散され、さらに都市耐久力を 0 にしないと占領できないというルールが付きましたが、それは今作でも同様です。
よって都市を攻め落とし辛く、その攻防がポイントになります。

各ステージは赤く光っている重要拠点を占領するか、重要ターゲットを撃破すると勝利。
ただ制限ターンがあり、早くクリアできれば高評価ですが、ターンオーバーすると敗北になります。

しかし今作は、ターン制限はそこまで厳しくない印象。
前より遊びやすい難易度で、簡単とは言いませんが、少なくとも最初のシナリオは初めての方でも楽しむことができるでしょう。

欧陸戦争6: 1804 アメリカ独立戦争ステージ
※最初のシナリオはアメリカ VS イギリス。
今でこそ同盟関係ですが、当時はバトルした間柄。
都市を攻め落とし辛いのは敵も同じ。こちらの都市で迎撃すると有利に戦えます。

欧陸戦争6: 1804 ステージ選択画面
※ステージ選択画面。いつものように作戦図と解説が表示されます。
クリア評価の★を集めるとトロフィーのボタンからご褒美を貰えるので忘れずに。

そして今作のルール上の変更点ですが、マップ上に生産施設を作れるようになりました。
以前から歩兵が塹壕を作ったり、領土内にトーチカを建造できたりしましたが、生産施設が作れるというのは初めてです。
最前線に大砲工場をドンと置けてしまうので、戦略上すごく重要。

また要塞(今作のトーチカ)は、周囲にいる複数の敵をまとめて攻撃できるようになっています。
こちらも頼りになり、今作は建設がかなり有用です。

ただ、近くにある都市の規模で建設できる数が決められていて、都市が小規模だとどれか1つしか作れません。
すでに施設がある場合は、それを壊さなければなりません。
都市の規模は拡大可能ですが、相応の資金が必要です。

規模の大きい都市は、都市内にある施設も増築可能です。
市場を作って収入を増やしたりできますが、特筆すべきなのは「軍事学院」。
都市に大学があると増えていく知識ポイントを使って、爆破やスパイ、強行軍などの戦術カードを用意できます。

今作は 1800 年が舞台なので、航空機はありません。
よって空爆はないのですが、近くの都市にダメージを与える爆破の戦術は空爆に似ています。
知識は燃料、軍事学院は空港、爆破は爆撃といった感じですね。
移動力を2倍にする強行軍などの戦術もあるので、まんま空軍という訳ではありませんが。

今作のもう1つの要点は「人口」。
人口というか必要補給量で、ユニットを作るとこれが増えていき、最大人口以上になると収入が減っていきます。
大幅にオーバーすると収入はほぼ0になります。

人口は都市を占領したり、都市内に民家を作ることで増加しますが、ユニットを量産しているとすぐにオーバーしてしまうので、数で押し辛くなっています。
大ダメージを受けてヘロヘロの部隊は残していても意味がないので、特攻させて処分するか解散させ、人口を圧迫しないようにした方が良く、戦い方にも影響しています。

欧陸戦争6: 1804 要塞砲発動
※要塞の多方面爆裂攻撃発動! 今回は建設が超重要。いらない施設は壊して必要なものに建て替えましょう。
今作は奇観(文化遺産)もマップ上に作る施設になっていて、発動すると攻撃力アップなどを得られるのですが、建設費が高いうえに1度使った後のクールダウン時間が長すぎで、自分で作ることはまずないです…

欧陸戦争6: 1804 都市画面
※都市内の増築画面。ステージが始まったら都市の施設を確認し、まだ未建設の必要な建物があるなら建てておきましょう。
スパナマークで国別の技術を開発できますが、これを使うのは征服モードの時。
姫はシナリオを進めれば増えていきます。

最近のこのシリーズには戦略画面があり、将軍を雇用したり、その将軍に仕事をさせて資金を稼いだり、部隊を強化したりする要素が付いていますが、その部分はかなり縮小されました。

戦略画面で長期的に領土を増やしていく要素はなく、ユニットの性能強化はお金を払って実行するシンプルな形に。

この辺りの追加システムは 欧陸戦争5 ですごく拡大され、前作 世界の覇者4 で縮小された感じですが、今回さらにアッサリになりました。
私的には追加要素が多い方が好きだったので、ちょっと残念です…

その分、メインシナリオが長く、外伝シナリオと言える「挑戦」モードも用意されていて、ステージ数は多いんですけどね。

将軍は、最初に持っている勲章(課金通貨)では弱い人を1人雇うのが精一杯。
ただ、今作は最初のシナリオのステージ2で割と強い砲兵将軍が、ステージ5とステージ8で歩兵将軍が手に入るため、無課金でも3人は貰えます。

加えて各ステージで、そのシナリオに沿った将軍が初期配置されています。
例えばナポレオン戦争のシナリオだと、自軍に常にナポレオンの砲兵部隊がいるので、強力な将軍であるナポレオンを使用しながら進められます。
手持ちの将軍はあくまで追加分。

よって無課金で、無理に将軍を買わなくても(少なくとも中盤までは)普通に進められますね。
またステージをクリアしていけば、課金しなくても勲章は少しずつ貯まっていきます。

もう1つのモード「征服」は、おなじみの「全国モード」。
ヨーロッパ全域が広大な1つのマップに収められており、大小様々な国が存在、それらが一斉にバトルを行います。

全体がフランス帝国陣営と対フランス同盟陣営の2つに分かれていて、同陣営なら味方。
天下統一ではなく、敵陣営の打倒で勝利です。
決着まで時間はかかりますが、そのぶんご褒美は多いです。
今回は歴史イベントと、参戦時期が変化する外交交渉が付きました。

戦術面でやや気になったのは、騎兵の存在感が薄いこと…
前述したように都市攻撃が重要で、要塞も強いゲーム。それらに有効なのは大砲。
さらに相手の射程内だと反撃を受けるこのゲームは、接近戦は常に消耗戦ですが、大砲は射程外から撃てるのでダメージを回避できます。
ハッキリ言って大砲ゲー。

歩兵は生産しやすいこと、安くて防衛に向くこと、擲弾兵なら都市や要塞に有効なことから、まだ使い勝手があるのですが、騎兵は…
しかも部隊の強化で歩兵や大砲も相応に移動力がアップするし…
まあ、ナポレオンが主役級のゲームが大砲ゲーなのは史実に沿っている気もしますが。

欧陸戦争6: 1804 戦役のシナリオセレクト
※シナリオ選択画面。見ての通りなんだかオシャレ。
第二次世界大戦的な泥臭さや、いかにもゲームって感じがないです。

欧陸戦争6: 1804 将軍能力画面
※ナポレオンの能力画面。課金武将でもありますが、所有したいなら 1600 円必要…
大砲が主力で、歩兵将軍は2人貰えるので、まずは騎兵将軍か大砲将軍が欲しいところ。
将来的には海軍の将軍も1人必要です。

欧陸戦争6: 1804 征服モード
※征服モードのデカマップ。1つ目のマップは反フランス同盟が有利なので、そちらの陣営に入って粘っておけば、後はロシアとプロイセンが何とかしてくれる… ハズ。

私はアメリカ独立戦争や欧州の戦乱にそれほど興味がなく、知識も乏しいので、ちょっと舞台としては惹かれないのも本音です。
ただ、雰囲気がオシャレになり、洗練された印象がありますね。
将軍には歴史解説が付いていて、歴史を学ぶのにも良いと思います。

ちょっと「遊び」が減ってしまったのが気になりますが、相変わらず高いクオリティの戦略シミュレーションです。
ガチャや VIP 課金、ウンザリする広告ゲーが横行する昨今、将軍購入課金は安くないとは言え(課金専用武将は 1080円~1600円 の3人)、本体 120 円、アイテムは買い切りのスタイルを貫いていることも、このシリーズの賞賛すべき点ではないでしょうか。

今回もシミュレーションゲームファンなら必携でしょう。

欧陸戦争6: 1804欧陸戦争6: 1804(iOS 版、App Store)

欧陸戦争6: 1804(Android 版、Google Play)

※Youtube 公式 PV(英語版)

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