Card Thief
ボードゲーム カードゲーム ステルスゲーム
Arnold Rauers / TiNYTOUCHTALES(ドイツ)
240 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/3/24
潜入ゲームをハイセンスなカードゲームで表現
富豪の屋敷に忍び込み、衛兵の目をかい潜りながら、お宝を盗んで脱出する・・・
そんなステルスゲームを思考性の高いカードゲームに落とし込んだアプリが登場しています。
「Card Thief」です。
場に並べた9枚のカードで「潜入・窃盗・戦闘・逃走」を表現したシステムはなかなか見事。
相手の目を盗んで背後に回り、お宝をゲットするといった、それらしいアクションを行うことができます。
演出にも怪盗らしいセンスの良さがありますね。
ただ、パッと見ではルールが解り辛いのが難点です。
価格は 240 円。 買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。
開発したのはドイツの個人制作者の方のようです。
縦3枚、横3枚、合計9枚のカードが並べられます。
このうち1つは主人公のカード。
他は主に「松明・衛兵・足音(忍び足)・金貨袋・扉」のカードです。
ナナメを含む、主人公の隣のカードをタップすると、そこにラインが引かれます。
これは主人公の移動ルートを表わしており、そのまま2枚目、3枚目と移動するカードを指定できます。
何枚でも移動できますが、必ず2枚以上移動しないとターンを終えることができません。
ルート指定後、主人公カードを長押しすると実際に移動を開始。
ルート上のカードは場から取り除かれていきます。
そして主人公には「ステルスポイント」(潜伏度)という数値があります。
他のカードには「警戒度」の数値があり、警戒度の分だけステルスポイントが減っていきます。
例えば、ステルスポイントが 10 の時に警戒度2のカードに移動すると、ステルスポイントは8になります。
ステルスポイントがある限り、主人公が捕まることはありません。
しかしステルスポイントが尽きると潜入がバレている事になり、衛兵に捕まる危険があります。
警戒度は大半のカードに付いていますが、松明のカードを取ると、その上下左右のカードが「暗く」なります。
暗くなったカードは警戒度が半減するため、移動しやすくなります。
衛兵のカードがあってもステルスポイントが十分にあるなら、移動して倒す(撤去する)ことができます。
しかもその場所が暗ければ、戦利品としてコインも得られます。
しかしステルスポイントがマイナスの場合、衛兵に突っ込んだらアウト。
突っ込んでいなくても、衛兵には向きがあり、ターン開始時に衛兵が見ている先にいてそこが明るく、ステルスポイントもない時は捕まってしまいます。
衛兵が見ている明るい場所は警戒度が1上昇。
そしてそこに踏み込むと、発見されて全衛兵の警戒度が上がり、次のターンにそこに移動してきます。
また、衛兵の横で松明を消して暗くすると、驚いた衛兵は松明の方を向きます。
ただ、衛兵は背後は見えていません。
背後なら松明を消しても向きは変わりません。
さらに暗い場所にいる衛兵に背後から近付くとバックスタブ(奇襲)になり、ノーダメージで倒せるうえに、コインもゲットできます。
衛兵から得られるコインは警戒度に比例しているため、警戒しまくっている衛兵を背後から襲うのはハイスコアを狙うための重要なテクニックとなります。
※2ヶ所でバックスタブを発生させているシーン。
バックスタブの時は警戒度の表示が黄色になり、その分だけコインが増えます。
ステルスポイントがマイナスでも、バックスタブなら衛兵を倒せます。
金貨袋のカードは取るとコインが増えます。
コインはスコアとなります。
足音のカードは、暗くなっていると忍び足のカードに変わります。
忍び足カードは取るとステルスポイント回復。
そして重要なのは、カードに付いている矢印マーク。
これがあるカードを消すと、衛兵と松明の警戒度、忍び足の回復量、金貨袋のコインの量が、すべてアップします。
※金貨袋のコイン入手量は暗いと半分になります。
金貨袋のカードに警戒度はないため、衛兵視界内でもステルスポイントは減りません。
足音カード(明るい時の忍び足カード)は、近くにいる衛兵がそちらを向きます。
矢印マークで警戒度が増えるのはもちろん危険。
しかし忍び足や金貨袋の効果もアップするので、これらは出来るだけ矢印を通ってから回収したいところ。
矢印マークの効果はそのターンのみで、位置も毎ターン変わります。
ターン開始時にはカードの種類だけでなく、矢印マークの位置も確認してからどう動くか考えなければなりません。
移動を終えると空いたスペースにカードが補充され、次のターンに。
そしてしばらく探索していると、宝箱のカードが出て来ます。
これが目的の「おたから」。 回収して脱出すれば良いのですが・・・
宝箱の警戒度は最初は1で、毎ターン上昇していきます。
そして、この警戒度が宝箱の「価値」にもなっています。
価値の低い宝箱にはガラクタしか入ってなかったりするので、出来るだけ粘ってから取りたいところ。
しかしステルスポイントが低い場合はそうも言ってられません。
宝箱を取得するには価値以上のステルスポイントが必要で、さらに警戒度でもあるため、取得時にはその分だけステルスポイントが減ってしまいます。
宝箱が出た後、しばらくターンを進めると、今度は出口のカードが出て来ます。
ここに暗くして入れば脱出成功。 明るいと入れないので注意。
ちなみに扉のカードも暗くしないと通過できない障害物です。
※宝箱を取らずに脱出することも可能。
意味ありませんが、たまに粘り過ぎて宝箱を取れなくなり、泣く泣く出ることも・・・
他に特殊なカードとして、老人カードとタルのカードがあります。
老人カードはステルスポイントを回復できますが、その分のコインを取られます。
タルのカードはそこでターンを終えると、中に隠れてステルスポイントが 10 まで回復。
また、場に出ているカードを全て消去した場合もステルスポイントは 10 に戻ります。
※うまくすべてのカードを通過できた例。
ステルスポイントが0になってますが、この直後に 10 に戻ります。
全通過狙いは攻略の重要なポイント。
ゲームの基本は以上です。
3x3 のカードでステルスアクションを再現、しかも手軽にテンポ良くプレイすることができます。
ハイスコアを目指そうとすると、なかなか頭も使いますね。
持ち帰った宝箱は、ギルドマスターに開けて貰います。
中には陶器、短剣、壷などが入っていますが、これらはすべてガラクタ。
最初の目的のブツは銀のメダルです。
出てくるお宝は3つ。 宝箱の価値が高いほどメダルが出る確率が上がります。
メダルが増えれば「アイテムカード」をアンロックでき、出発時に3つまで装備することができます。
また、メダルが貯まれば上位のステージに進むことも出来るでしょう。
ただ難点は、この上位ステージをアンロックするために必要なメダルが多すぎること。
15 枚必要ですが、クリアしても運が悪いとメダルが出て来ず、もちろん失敗してしまうこともあります。
それらを踏まえて 15 枚貯めるというのは結構大変で、同じステージを何度も繰り返しクリアしなければなりません。
もうちょっとテンポ良く上位ステージがアンロックされても良いような気がしますね・・・
なお、上位ステージになると、暗闇でもこちらに反応する番犬、松明を持った見回り兵、ステルスポイントが足りないと衛兵の警戒度が上がるトラップなど、厄介なカードが追加されます。
ただこちらも、ステルスポイントを回復するマントや、音を出して敵の向きを変える騒音の矢、敵を弱める毒薬などのアイテムを使えるため、新しい戦法を活用することができます。
※左はお宝の鑑定画面。この Insignia のメダルが目的のもの。他は全部ハズレ。
メダルが貯まればアイテムをアンロックできますが、それでメダルが消費されたりはしないのでご安心を。
右はステージ選択画面。全4ステージで、もちろん後になるほど難しくなります。
ドイツゲーム(ボードゲーム)と、コンピューターゲームと、ローグライクを混ぜたような内容です。
ルールさえ把握できれば、手軽ながらじっくり楽しめる作品。
グラフィックやサウンド、演出なども良く、完成された印象のアプリです。
スマホによくマッチしている、オススメの思考型ゲームですね。
Card Thief(iPhone 版、iTunes 起動)
※Youtube 公式 PV
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