Tokaido™
ドイツゲーム ボードゲーム
Antoine Bauza / FUNFORGE(フランス)
価格 840 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/3/25
旅をいかに楽しむかを競う和風ボードゲーム
サムライ、フジヤマ、スシ、ゲイシャ。
美しいニッポンのトーカイドーを、いかに楽しみながら旅するかを競うビジュアルに優れたドイツゲーム(ボードゲーム)が登場しています。
「Tokaido」(東海道)です。
純和風のテーマながら、おフランスのオシャレなデザインセンスが映える作品。
オリジナルの頃から独特な和洋折衷デザインで評判でしたが、その美しさはスマホ / タブレット版でさらに磨きがかかりました。
価格は 840 円。 買い切りゲームなので課金・広告・スタミナ等はありません。
原作者の Antoine Bauza(アントワーヌ・ボウザ)氏は、他にも 7Wonders(世界の七不思議)や HANABI など、高く評価されている作品を次々と公開しているドイツゲームデザイナーです。
旅が好きで、その楽しさをゲームで表現したかった模様。
なお、念のため言っておきますが、ドイツゲームとは近年作られたボードゲームの呼び名のひとつで、ドイツで作られたゲームとは限りません。
プレイ人数は(このアプリでは)3~5人。
スタートすると、まず2人のキャラクターが提示されます。
ローニン、ゲイシャ、ヒキャクなど、計10人のキャラがいるのですが、選べるのは2人のうちの一方のみ。
それぞれに特徴がありますが、詳細は最後に掲載します。
キャラを選択するとゲームスタート。
スゴロクのようなゲームですが、サイコロは使いません。
自分の番になったプレイヤーは、好きなマスまで進むことが出来ます。
やろうと思えば一気にゴールする事も出来ますが… このゲームは「いかに旅を楽しむか」がテーマ。
そのためゆっくり進む方が有利になります。
マスには棚田・山・海岸の景観ポイント、温泉、お店、農村、神社、花見会場があります。
景観ポイントではトーカイドーらしいフジヤーマな景色を眺められ、景観カードを1枚貰えます。
これは集めるほど「勝利点」が高くなります。
温泉もその場で勝利点を得られるもの。
お店ではお土産(Souvenir)を購入でき、これも勝利点になりますが、もちろんお金が必要。
お金は農村に立ち寄ることで補充できます。
他に、お金を寄進することで勝利点を得られる神社、ランダムで何かが起こる花見会場があり、これらに出来るだけ立ち寄って点を稼ぐのが目的となります。
プレイヤーの順番は、一番後ろにいる人に回ってきます。
つまり早く先に進んでしまうと、他の人がみんな追い越していくまで、自分の順番が回ってきません。
よって尚更ゆっくり進んだ方が良いことになります。
ただし、それぞれのマスには1人か2人しか止まれません。
定員オーバーのマスは素通りするしかないので、どうしても止まりたいマスは少し早く進んでも確保する必要があります。
※登場キャラクターの皆さん。 和風で古風なキャラを洋風で今風に描いています。
ボード版の頃からセンスの良かったイラストが、スマホ版では 3D で動きます。
※道の脇にある半円形のスペースが止まれる場所。
これが2つあれば2人止まれますが、1つなら1人しか止まれません。
また、参加者が3人の場合は全てのマスに1人しか止まれません。
2人入れるマスは、後から来た人が先に動くことになります。これは地味に重要。
トーカイドーには3つの宿場町があり、ここには必ず止まる必要があります。
この宿場によって4つのエリアに分けられていて、全員が宿場に到着してから次のエリアに進みます。
宿場では食べ物を1つ買うことができ、これも勝利点になります。
美味しい料理も旅の大きな楽しみですね。
ただし食べ物は早い者勝ちで、到着が遅れると高い料理しか残っておらず、買えなくなる可能性もあります。
最後の宿に到着すればゴール。 全員が到着したらゲーム終了。
勝利点が一番高い人が勝利ですが、景観カードをすべてそろえた人や、温泉に一番入った人、お土産をたくさん買った人、花見でたくさんの出会いをした人、料理に一番金を使った人にはボーナスが与えられます。
さらに神社への寄進額ランキングでも点数が加算されます。
よって特定のボーナスを狙って移動したり、金を使ったりするのが勝敗のポイントになりますね。
ただドイツゲームとしては、戦略性は高くありません。
ゲームの基本は「とにかくゆっくり進むこと」なので、あれこれ戦法を考えたり、駆け引きしたりという要素は乏しいです。
あえてシンプルに、誰でも楽しめる「ファミリーゲーム」として作っている印象です。
しかしこのゲームの最大の魅力はルール云々ではなく、冒頭でも述べたようにそのビジュアルでしょう。
外国人から見たニッポンの感がありながら、ヘン過ぎず、美しく、ハイセンスなデザインは、それだけで一見の価値があります。
歩いた後に草が生え、止まると桜が散り、白い建物が色付いていく、色彩に優れた演出も非常に良いです。
本来のドイツゲームはコンポーネント(ボードやコマ)も魅力の1つですが、これはコンピューターボードゲームのコンポーネントに当たる部分で No.1 と言っても良いでしょう。
※宿場ではお食事を購入。 今回はこの YAKITORI を買いマス。
どれを選んでも +6 点ですが、一番贅沢した人には後でボーナスが。
※旅と言えば景勝巡り。 サクラとフジヤマのパノラマデス。
景観ポイントでカードを集めると、こんな風に景色のイラストが現れます。
※勝利点の状況はいつでも確認できます。
また右上の★ボタンを押すと、他のキャラの達成状況や順位を確認できます。
戦略性は少なめと言っても、5人プレイでテキトーにやってたのでは勝てないので、何を狙うか明確化しましょう。
ヘビー級のドイツゲームをプレイしているユーザーにとっては、ちょっと物足りないかな、といった感じもありますが、それでもハイクオリティなビジュアルのおかげで何度もやりたくなる作品です。
対戦は1つの本体を交互に使うものと、オンライン対戦に対応。
ただ、交互に使う対戦は3人以上必要で、複数の人間+コンピューターという組合わせのプレイはできません。
オンライン対戦をするにはアカウントの登録が必要です。
やりながら思わず「オォー! フジヤマデース! ゼッケイデース!」みたいなエセ日本語を心の中でつぶやいてしまう作品。
旅行好きの作者の思いも伝わってくる、ボードゲームファンなら押さえておきたいアプリです。
・Tokaido™(Android 版、Google Play へ移動)
【 ちょこっと攻略 】
=各マスの詳細=
- Farm:農村
銭を3枚もらえる。 - Shop:土産物屋
お土産を買える。お土産は1つ1点だが、4種類に分けられており、新しい種類のお土産を買うと2種類めは3点、3種類めは5点、4種類めは7点。
ゲーム終了時、もっとも多くのお土産を持つ人は3点。 - Rice Paddy:棚田
田園の景観を1枚得る。1枚目は1点、2枚目は2点、3枚目は3点。
最初に3枚そろえた人はゲーム終了時に3点。 - Mountain:山
山の景観を1枚得る。1枚目は1点、2枚目は2点、3枚目は3点、4枚目は4点。
最初に4枚そろえた人はゲーム終了時に3点。 - Sea:海岸
海の景観を1枚得る。1枚目は1点、2枚目は2点、3枚目は3点、4枚目は4点、5枚目は5点。
最初に5枚そろえた人はゲーム終了時に3点。 - Temple:神社
銭を1~3枚、寄進できる。1枚につき1点。
ゲーム終了時、もっとも寄進している人は10点、2番目は7点、3番目は4点、4番目は2点を獲得する。寄進していない人は0。 - Encounter:花見会場
誰かに出会う。侍なら勝利点3、公家なら銭3、巫女なら神社に寄進1、案内人ならどこかの景観1枚、職人ならお土産1つを得られる。
もっとも多くの人に出会っていたらゲーム終了時に3点。 - Hot Spring:温泉
ランダムで2点か3点獲得。
もっとも多く温泉に訪れた人はゲーム終了時に3点。 - Inn:宿場
各エリアの終着点。食べ物を1つ買える。種類を問わず1つ6点。ただし同じ食べ物は2度食べられない。
食べ物は1~3銭で早い者勝ち。次のエリアは最後に到着した人からスタート。
食べ物に使った銭が一番多かった人はゲーム終了時に3点。
=各キャラクターの詳細=
- ZenEmon:商人:店で最初に買うお土産の値段が1銭になる。
- Sasayakko:芸者:店で2つ以上のお土産を買うと安い方がタダになる。
- Chuubei:飛脚:宿場で誰かに出会う。(花見の効果)
- Kinko:浪人:宿場の食べ物が1銭安い。
- Hirotada:老神主:神社で無料の寄進1を得る。
- Hiroshige:絵師:宿場で景観カードを1枚得る。
- Mitsukuni:ご隠居:温泉で追加の1点。達成ボーナス(景観をそろえるなど)も+1点。
- Umegae:旅芸人:花見の場で1点と銭1を得る。
- Yoshiyasu:お役人:花見の場で2人出てきて、どちらと出会うか選べる。
- Satsuki:孤児:宿場で食べ物をランダムに1つ貰える。
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