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ギャングスター ニューオーリンズ レビュー

ギャングスター ニューオーリンズギャングスター ニューオーリンズ
オープンワールド クライムゲーム
ゲームロフト(フランス)
アプリ無料、課金・ガチャ・スタミナあり
レビュー公開:2017/4/9
iPhoneAndroid

ギャングの抗争を描いた犯罪ゲームが久々に復活

GTA(グランド・セフト・オート)の追従作。
極悪非道なギャングとなり、広大な都市を盗んだ車で走り回りながら、強奪や殺人など悪行だらけのミッションをこなしていく、ゲームロフトのクライム(犯罪)ゲームシリーズ「ギャングスター」
その最新作が公開されています。
ギャングスター ニューオーリンズ」(Gangstar New Orleans)です。

ギャングスターはこれで5作目。 2009 年から始まったスマホの古参シリーズです。
しかし 2013 年に発売された「ギャングスター ベガス」を最後に、新作は途絶えていました。
2014 年にゲームロフトは課金型ゲームに完全移行し、2016 年には投資会社の敵対的買収を受け、このままシリーズは潰えてしまうかと思われたのですが…
ここに来て、約4年ぶりの復活です。

ただ、グラフィックのタッチが変化したというか…
低負荷を重視した、「幅広い機種に対応したグラフィック」になりました。
よって旧機種でも遊べる反面、見た目は前より劣ります。
GTA:SA や前作のベガスを見た後だと微妙なため、その辺が賛否両論になっていますね。

ソーシャルゲームなシステムになったので、アプリ本体は無料ですが、ミッションを受けるのにスタミナを消費します。
装備もガチャで入手で、もちろん課金あり。
この課金型ゲームになった点も、過去作とは違うところです。
※現在はベガスも基本無料になっています。

ギャングスター ニューオーリンズ
ギャングスター ニューオーリンズ 自動車

町を支配していた5人のボスが一斉検挙され、皮肉にもそれが野心に燃えるギャングたちの抗争を招いたというストーリー。
仲間に焚き付けられた主人公は、ボス不在のオーリンズを支配するため行動を開始します。

マップ画面にはサブミッションとメインミッションのアイコンがあり、それを押すと任務開始。
ミッションのある場所に移動する必要はありません。

メインミッションはストーリーが進みますが、サブミッションも達成することで敵対勢力の支配度が低下、ある程度まで下がれば敵のアジトを襲撃し、縄張りを乗っ取ることができます。
よってサブミッションの達成もゲームの進行には必要です。

ミッションはレースや逃走などもありますが、その多くは殺人・強盗・破壊などの犯罪行為ばかり。
アサルトライフルで敵対ギャングをバリバリ撃ちながらターゲットを狙います。

遮蔽物の裏に隠れながら銃撃戦を行える、いわゆる「カバーシューター」ですが、本格 FPS ほど戦闘が作り込まれている訳ではなく、適当に突っ込んでバリバリ撃っていても何とかなります。
ゲームが進むとダメージを抑えないと持たなくなってきますが、課金通貨のダイヤで回復できるし、そこまでシビアな内容ではありません。
まあ、クライムゲームの銃撃戦は他もこんな感じですね。

カーチェイスを行う場面もあり、こちらは「アスファルト」っぽくなっています。
レースゲームのように操作性が良く、車を自在にコントロールできます。
GTA のスリップしまくりな挙動とは異なっていて、派手な事故は起きにくいですが、スピード感のある走りは良いですね。

意外にも近接攻撃はなく、よって格闘武器もありません。
戦闘態勢でない相手に近付くと不意打ちボタンが出て、首締めや関節技を使い1撃で倒せますが、戦闘中の相手を殴ることはできません。

もちろんクライムゲームですから、ミッションを無視して銃を乱射しながら暴れまくっても構いません。
ただ、一般人や警察官を撃ちまくっても「スコア」が上がるだけ。
連続で人を倒しているとスコアがどんどん増えていき、ハイスコアを狙う要素がありますが、何かが得られる訳ではありません。
むしろ SWAT が出てきていずれ捕まり、治療費を取られるだけです。

まあ、そういうのを楽しむゲームでもありますから、暴れたい人は好き放題やって構いませんが。

ギャングスター ニューオーリンズ 銃撃戦
※こんな風に身を隠しながら戦うことができます。 …が、ミッションのクリア評価はタイムで決まるため、あまり悠長にやることは出来ません。
体力があるならダッシュで突っ込むのが高評価のコツ。
なお、段差に飛び乗ったり、上の階によじ登るのも、ダッシュボタンを押しながら登りたい方に移動します。

ギャングスター ニューオーリンズ マップ画面
※マップ画面。 進行上、町中を自力で移動する必要は全くなく、ここでミッションのアイコンをタップすればそこにワープできます。
占領地の店からゴールドを得られる要素がありますが、単に店アイコンをタップするのみ。

ギャングスター ニューオーリンズ 格闘シーン
※いきなり通行人にジャーマンスープレックスをする主人公。
格闘技を使うケースは少ないですが、種類は多く、モーションはリアルです。
他にも車を奪う時に相手の頭をハンドルにガンガンぶつけたり、止まっている車のドアガラスをぶち破って開けるなど、そうしたモーションは細かいです。

巷で賛否あるのはグラフィックですね。
普通にこのアプリだけ見て評価すれば、スマホゲームとしては高クオリティな見た目と言えます。
様々な風景が 3D グラフィックで表現されていて、光の演出も綺麗です。

しかし他のオープンワールドのゲームと比べると、明らかに「低性能向け」に作っているのを感じます。
建物やキャラクターの 3D モデルが簡素で、単なる四角い箱のようなビルも多いです。
凹凸に乏しくカクカクで、テクスチャ(表面の絵)もノッペリ、ガラスなども透明感がありません。
地面も単なる草原のテクスチャが広がっているのみで、今時これではチープに感じるのは否めません。

光や影の処理は最新のものになっていて、それでモデルを簡素化したのをごまかしている感じですが、しかしモデルの劣化っぷりが大きく、十分にごまかせていない印象です。

また巷で賛否あるのは、ゲームロフト特有のグラフィック調整機能の影響もあると思われます。
ゲームロフトの 3D グラフィックは機種の性能に応じて自動で調整され、例えば遠くの建物のテクスチャは粗く表示されるのですが、その粗くなる距離が低性能だと近く、高性能だと遠くなります。

iPad Air でプレイしたところ、割と近くの建物も粗いテクスチャになったので、Android の廉価機種だと「グラフィックひどすぎ!フザンケナ!」と思った人は多いでしょうね。
もちろんその分、多くの機種で快適に動作するため、決して悪い訳ではないのですが。

やっていて思ったのは、昔の 2011 年頃のグラフィックに戻ったなぁということ。
当時は Android の普及が進んでいた一方で、多くの Android 機の性能は iPhone より劣っていました。
そのためゲームロフトは安価な Android 機でも動くようなゲームの作り方をしていたのですが、それは iPhone から見ると足かせに過ぎず、グラフィックの劣化を感じずにはいられませんでした。

そのためゲームロフトはその後、低性能機を基準にするのではなく、最新機種をベースに作り、それを低性能機でも動かせるように調整する方針に変えます。
モダンコンバットの3以降や アスファルト8 なんかはそうですね。

しかしこのゲームは、また低性能機を基準にしている気がする…
マネジメント的には多くの機種で動かせるようにするのは当然ですが、企業買収などもあったし、ギャングスターベガスや後期のモダンコンバットを作っていた人はもういないんじゃないのかな…

もう1つこのゲームで気になるのは、町でやることのなさ。
装備がガチャになっているためかショップなんて皆無で、町の人を攻撃しても前述したようにスコアが出るのみ。
一部の建物は屋上に上がれたりしますが、入れる建物はほとんどなく、要するに町は「地形」でしかありません。
ただのミッションの舞台に過ぎず、「寄り道が楽しくないとオープンワールドの意味がない」と思っている私としては、これは非常に残念ですね…

ギャングスター ニューオーリンズ 画質の一例
※道路を照らしているヘッドライトとテールランプの光は綺麗。影もある。
しかし遠景のビルは簡易テクスチャになっていて、形も単純なものが多い。
間近で見ると壁などがチープで、良い感じの中間距離でないとあまり綺麗に見えない…

ギャングスター ニューオーリンズ 警察官と撃ち合い
※警察と撃ち合っているシーン。 犯罪を犯した分だけスコアがアップ。
ハイスコアを取っても通常は何も貰えませんが。
なお、車のモデルだけは前作のギャングスターベガスより綺麗です。
部位破壊もあり、車体がへこみ、バンパーなどが取れていきます。

ギャングスター ニューオーリンズ プランテーション
※一応、こんな風に綺麗な建物もあります。 これはボス戦の舞台。
上部にチャットが表示されていますが、奇声を連発する荒らしや下品なコメントの巣窟となっています。
まあ、ギャングらしいと言えばそうですが。
右上の矢印ボタンを押せばチャットを非表示にすることが可能。

このゲーム、iTunes のタイトルに「次世代オープンワールドクライムゲーム」と付いていますが、色々な意味でこれが当てはまる内容です。
確かに次世代。 ソシャゲで、スマホの、オープンワールドのクライムゲーム。

あの頃の「スマホで PC のようなクライムゲームを実現しよう」といった理想はどこかへ行って、今のソシャゲとスマホにマッチしたギャングスターが作られた感じです。
まあ、「PC のクライムゲームがやりたいなら Steam で GTA 買えば良いじゃん」というのも確か。

私的には、「子供が楽しんでいるゲーム」という印象もありますね。
ゲーム自体はクライムゲームですから全然子供向けではないのですが、ゲーム中に出てくるチャットで話しているのは明らかに小学生が多いです。
過去作や GTA を知っている人だと劣化感が否めないし、ソシャゲ化しているため買い切りゲーム派の人だと抵抗がある。

しかしクオリティは決して低い訳ではなく、ソシャゲなシステムも「タダで出来て良い」という人もいる。
新しいオープンワールドクライムゲームなのは確かなので、他を知らず、このジャンルが好きでソシャゲ派な人なら、十分楽しめる感じでしょうか。

私は劣化感を強く感じてしまいましたが、GTA とは別物のクライムゲームとして、これも1つの形かなとは思います。

ギャングスター ニューオーリンズギャングスター ニューオーリンズ

ギャングスター ニューオーリンズ(Android 版)

※Youtube 公式 PV

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