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Age of Rivals レビュー

Age of RivalsAge of Rivals
対戦カードゲーム(ドイツゲーム系)
Roboto Games(アメリカ)
450 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/6/26
iPhoneAndroidSteam

王国の繁栄と戦争がテーマの対戦カードゲーム

産業・芸術・宗教・防衛… 王国に必要となるカードを取得しつつ、対戦相手のカードを軍事力で破壊し、相手よりも多くの勝利点を確保する、ドラフト型のカードゲームが公開されています。
Age of Rivals」です。

Age of Rivals

戦略性が高く、奥深いゲーム性を持ち、運も適度に必要な、かなり練り込まれたカードゲーム。
ソロプレイはもちろん快適なオンライン対戦も可能で、カードを集める長期的な収集要素もある、優れたドイツゲーム(ボードゲーム)系アプリです。
オリジナルの作品で、現物のボードゲームを再現したものではありません。

この手のオンライン対戦ゲームは、最近は課金型ゲームばかりになっていますが、買い切りゲームというのもポイント高い点。
カードはプレイによって得られる通貨で獲得していきます。

定価は 450 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告などはありません。
開発はサンフランシスコのメーカーですが、あまりアメリカっぽくないゲームですね。

やや難点なのは、最初にアカウント登録を要求されること。
メールアドレスとユーザーネーム、パスワードの入力が必要で、登録しないとソロプレイもできません。
しかし1度入力すれば、以後は起動してすぐ遊べるようになります。

※アップデートでアカウント登録が必須ではなくなりました。
ただし未登録だとオンライン対戦はできません。

Age of Rivals

難点は英語のゲームなので、ルールやカードの効果が解り辛いこと。
そこで今回はプレイガイド風のレビューで内容をお伝えいたします。
末尾にはカード効果の和訳も掲載しています。


2人で対戦するゲームで、全体が4つの「ラウンド」に分かれています。

最初のラウンドが始まると、互いに4枚のカードが配られます。
プレイヤーはその中の1枚を、コインを支払って購入します。
カードは全て表向きで、相手側のカードも見ることができます。

購入したカードは場に出され、残った3枚のカードは相手に渡されます。
つまり2ターン目に買えるカードは、相手が買わなかったカードということになります。
このような候補の中から欲しいものを選んでいくゲームを、ドイツゲームではドラフト型と言います。

3ターン目は再びカードが4枚ずつ配り直されます。
これを8ターン目まで行います。

Age of Rivals カードの購入
※1ターン目は4枚から、2ターン目は3枚から選択。これが1セット。
オンライン対戦の場合、1ターン 30 秒以内に選択する必要があります。

カードには 兵士・生産・隠密・市民 などのタイプと、耐久・攻撃・文化、さらに特殊効果が書かれています。

とりあえず最初に必要になるのは生産系のカード。
生産カードには収入の増加量と獲得できる資源が書かれていて、全てのカードには購入費と関連資源が存在します。

Age of Rivals カードステータス

例えば、槍兵の Pikemen はお値段コイン4枚で、鉄と木材が関連資源。
もし鉄を生産するカードを保持していれば、値段が下がりコイン3枚になります。
木材もあるならコイン2枚に。

しかし、もし自分が鉄を持ってなくて、相手プレイヤーが鉄を確保している場合…
価格は変わりませんが、購入時に相手が税金(Tax)としてコイン1枚を得ます。
もし自分に鉄と木がなく、相手が両方持っていたら、相手はコイン2枚を獲得。
これでは向こうを助ける結果になってしまいます。

それを防ぎ、さらにこちらが税金を得るために、序盤は資源確保から始める必要がありますね。

Age of Rivals 資源と購入価格

8ターン経過し、双方が8枚のカードを取得すると、Conquest(征服)フェイズになります。

攻撃力のあるカードを保持している場合、他の町を征服したことになって、勝利点がアップします。
ただし相手も攻撃カードを持つ場合、その数と攻撃力で結果が左右されます。

双方の攻撃カードの枚数が同じなら、一番強いカードを比べて、攻撃力の高い方が1つ目の町を征服。
2つ目は1つ目の町を取れなかった方が征服します。
3つ目の町は双方の2番目に強いカードを比べて判定し、同じ場合は双方が獲得。
最初の町ほど勝利点は高くなります。

もし一方の攻撃カードの枚数が多い場合は、多い方がその分だけ町を取っていきます。

Age of Rivals 征服フェイズ
※3つの町の勝利点は上から3・2・1ですが、最終ラウンドは5・3・1になります。
上の画像の場合、1つ目と2つ目は上のプレイヤーが、3つ目は双方が獲得。

次に War(戦争)フェイズに移ります。
ここでは相手の攻撃カードのダメージを、自分のカードに振り分けていきます。

例えば、相手の攻撃カードが3枚で、その攻撃力が 5・3・2 であった場合、耐久力が4のカードは、5のダメージを振り分けると破壊(ノックアウト)されてしまいます。
3のダメージを振り分けた場合は、まだ耐久が1残っているので無事。
しかしさらに2のダメージも振り分けたら破壊されます。

壊されないように振り分けるのが基本ですが、相手の攻撃力が高い時は犠牲にするものを選ばなければなりません。
カードの中には高い耐久力を持つ「砦」もあるので、これを用意しておくのも対抗手段となります。

相手の攻撃力が5でも、耐久1の弱いカードに振り分ければ良い… と思うかもしれませんが、耐久力が相手の攻撃力の半分未満の場合、相手の攻撃力の半分(端数切り捨て)がさらに残ってしまいます。

つまり前述の状況の場合、耐久1のカードが壊された後、さらに2のダメージを振り分けなければなりません。

Age of Rivals 戦争フェイズ
※ダメージ振り分けタイム。残っているのは2・2・1なので、3以上の耐久力のカードに振り分けていけばとりあえず無事。
ノックアウト(破壊)されたカードは暗くなります。

War フェイズが終わったら Score(スコア)フェイズになります。

ここでは残っているカードの「文化」の数値分だけ、勝利点が増加します。
ゲームはこの勝利点が高い方の勝ちとなります。

どんなに生産力を高めても、スーパー軍事力で相手をフルボッコにしても、勝利点を稼いでいなかったら負け。
勝利点は主に芸術(音符)カードや、宗教(目)カードで増やしていきます。
市民(家)カードも補助効果に加え、いくらかの文化を持ちます。

他にも文化を増やすカードは色々あるので、そういったものの活用が必要ですね。

なお、隠密(ドクロ)カードは相手を妨害する効果を持ちますが、文化がマイナスのものが多いです。
この場合、逆にスコアフェイズに勝利点が下がってしまいます。

Age of Rivals スコアフェイズ
※文化(紫のイガイガマーク)のあるカードから、数値分の勝利点が飛んでいきます。
戦うだけ、守るだけではダメ。ちゃんとスコアを稼ぐ方法も獲得しましょう。

最後に、ラウンド終了時の処理が行われます。
破壊されたカードの中の1つが Ruin(廃墟、墓地マーク)に代わって、その効果を失います。

ただし廃墟になるのは1つだけ。
残りは最大耐久力が1つ減った状態で復活します。
よって大量に壊されても、その全てを失う訳ではありません。

ただし、どれが廃墟になるかはランダムです。

Age of Rivals ラウンド終了
※Ruin になるカードは1つだけ。
もし必要なカードが壊された時は、ワザと他のカードも壊してしまえば、必要なものが廃墟化するのを防ぐことができます。運次第ですが。

以上が終わったら、最初のラウンドは終了。
場にあるカードは「全て」回収され、2ラウンド目に入るのですが…

回収されたカードは失われる訳ではありません。
別の場所にストックされ、生産カードによって得られた資源や収入もそのままです。

そしてストックされたカードの中から4枚が選ばれ、場に配置されます。
つまり2ラウンド目に場に出される1~4枚目は、1ラウンド目に得たカードの中からランダムに選ばれた4枚になります。

すでに4枚あるため、2ラウンド目はあと4枚を購入した時点で終了。
4ターンで終わることになります。

そして2ラウンド目の終わりに再び場のカードがストックされ、その中からまた4枚が場に配置されて3ラウンド目が始まります。

Age of Rivals 2ラウンド開始
※1ラウンド目に買ったカードの半分は、2ラウンド目にも配置されます。
そのカードは3ラウンド目では候補から外されます。

ファイナルラウンドである4ラウンド目は、また展開が変わります。

このラウンドで購入できるカードは、1~3ラウンド目に購入したカードになります。
つまり、もう新しいカードは出て来ません。

ここまでのラウンドで強いカードを取っていなかった場合、最終ラウンドでも強いカードを引くことはなく、勝利点で追い上げたくても、文化の高いカードを確保していなかった場合はどうしようもありません。

途中で金欠になった場合、買えないカードを選択してそれを瓦礫(waste)に変え、コイン3枚を調達できるのですが、それをやっていると最終ラウンドでデッキにこの瓦礫が混じることになります。

途中のラウンドで廃墟がたくさん出来てしまった時も、最後に廃墟だらけになってしまいます。

Age of Rivals ファイナルラウンド
※最終ラウンド前、保持されたカードがズラッと並べられます。
1~3ラウンド目で、4ラウンド目のデッキを構築するゲームでもありますね。
最終ラウンドは3枚ずつ候補が提示され、買わなかったカードは後でまた候補に出てくる可能性があります。

最終ラウンドが終わったら、残り資金の半分が勝利点に加算され、最終的に点が多い方の勝利です。

終了後、宝箱がたくさん並んでいる画面が出てきて、その1つを開けることができます。
中にはコインが入っていて、これを使ってカードパックを購入できます。
勝った方がコインは多いですが、負けても得られるので、「勝てないと何もなし」という事はありません。

最初から利用できるカードは全体の3分の1ほど。
キャラクターも最初は2キャラしか使えませんが、カードパックを買うことで徐々にアンロックしていくことができます。

プレイ前にデッキを作るゲームではないので、カードが増えないと勝てないということはありません。
ただ、やはりカードが多い方が、多様な展開になり、採れる戦法も増えますね。

保有キャラクターにはカードを装備させることもできます。
装備しているカードはゲーム中に必ず候補に出てくるようになります。

Age of Rivals コインじゃらじゃら
※チャリーンとコインゲット。負けても貰えるのがありがたい。
コイン 100 枚でカード3枚入りのパックを得られます。
課金でコインやパックを買う要素は(2017/6 時点では)ありません。

Age of Rivals キャラクター画面
※キャラクター画面。キャラごとに装備できるカードの種類が決まっています。
装備スロットは最大3枠で、キャラカードを集めることでアンロックされていきます。

コインは「ミッション」を達成しても得られます。
「ハードのコンピューターに勝つ」「オンライン対戦で2勝する」「木材を確保している状態で勝利する」など、様々な条件のものがあり、達成すればまとまった量を得られます。

ソーシャルゲームのデイリーミッションではないので、「全部達成したら次の日まで提示されない」みたいなことはありません。

オンライン対戦はオートマッチングで、かなり快適にプレイできます。
交互にカードを出すゲームではなく、選んだカードを同時に出す形式なので、待ち時間が短いことも快適さに繋がっていますね。

ゲーム後の報酬もオンライン対戦の方が多め。
パスワードを設定してのフレンド対戦も可能です。

私的には、ここまで総合的に優れていると思ったオンライン対戦対応のドイツゲーム系アプリは、カルカソンヌ以来です。

1回のプレイ時間は 10~15 分ほど。
ちょっと見た目は地味ですが、ゲーム性が高く、ルールもネット対戦にマッチしていて、長期的に楽しめる要素もある。
しかも課金ゲーではなく、おまけに安い…

メッセージが英語で、カードの効果が解りにくいのが難点ですが、カードゲームやドイツゲームが好きな方にはイチ押しできるアプリです。

Age of RivalsAge of Rivals(iPhone 版、App Store へ)

Age of Rivals(Android 版、Google Play へ)
Age of Rivals(PC版、Steam へ)


【 ちょこっと攻略 】

以下では初期カードの効果の和訳を掲載しています。
これらの効果が解れば、他のカードも応用で理解できると思います。
(ユニークな効果のカードも一部含めています)

なお、カードには出現時期に違いがあり、以下のようになっています。

:いつでも出る
:1ラウンド目しか出ない
:1ラウンド目の後半から出る
:3ラウンド目のみ出る

Battering Ram
戦争前に相手の砦を1つ破壊する。
「before war」は戦争開始前。
「Knock out」は破壊の意味。

Shieldwall
全ての味方兵士の耐久を+2。
「Ally」は味方、「All Allied」は全ての味方という意味。

Warrior Poets
戦争後に文化が+2。
「after war」は戦争の後。

Crusaders
相手に宗教カードがあると攻撃+3。
「Has ○ vs △」は相手側に△がある間、○の効果が発揮される。

Berserkers
相手側の攻撃カードの数だけ、自身の攻撃+2。
「each」は枚数分だけ効果を発揮。

Scouts
相手が次のターンに買ったカードの効果を発動させない。
「Block」はカード効果の防止。

Mounted Guard
味方の兵士カード1枚の耐久を+3。
「One」は1枚のみが対象。
対象が複数ある時はランダム。

Skirmisher
相手が最近置いた攻撃カードの攻撃力を半分にする。
lose は失う、half は半分。

The Assacani
味方側に芸術カードがある場合、味方の攻撃カードの耐久+1、攻撃+2。
「With」はそのカードがあれば成立

Scorpions
戦争開始前、相手の芸術か宗教カードの文化を半分にする。
半減系は端数切り捨て。

Archers
戦争前、相手兵士に2ダメージ。
このカードには通常の攻撃力がないので、征服や戦争は参加できない。

Valkyries
相手の1枠目に3ダメージ。
攻撃のタイミングの指定がない場合、砲撃は即時発動。

Onagers
相手の文化が一番高いカードに6のダメージを与えるが、相手に砦カードがある場合は発動しない。

Blind Bolt Throwers
相手側の同じ場所に配置されているカードに3ダメージ。
same は同じ、spot は場所。

Counterfeiter
コピーカード。
相手がこのターンに買ったカードに変化する。

Common Thief
戦争後に相手からコイン3枚奪う。
文化が -1 なので、このカードがあると集計時に勝利点が1下がる。

Poisoner
戦争後に相手のカードを1枚破壊。
こうした対象指定がない効果は、どれが選ばれるかはランダム。

Swift Assassin
隠密系カードを2枚出しているなら、相手の攻撃力が最も高いカードを破壊する。

Zealots
味方の宗教カード1枚の攻撃力を、そのカードの文化分だけ上げる。

Master Thief
隠密カード2枚で、相手のカードとこのカードを交換。再交換はない。
文化 -4 を相手に押し付けられる。

Saboteur
ラウンド終了時、相手の生産カードを1つ廃墟(ruin)にする。
破壊ではなく、廃墟化。

Plaguebearer
敵味方全てのカードに即時2ダメージを与える自爆カード。
使用後は廃墟に変わる。

Deranged Artificer
瓦礫と廃墟を Automata に変える。
Automata は耐久1、攻撃1。
他にも Automata があると攻撃+2。

Grand Causeway
味方の全ての市民カードが文化+2。
芸術カードの「All ○」は、味方側の○の種類の全カードが対象。

Epic of Gil
スコア集計後に自身の文化が+3。
スコア集計後なので、その効果の恩恵があるのは次の集計時。

Pyramid of Ages
市民カードと宗教カードが味方側にあれば、自身の文化+6。
「With ○ and △」は両方が必要。

The Oracle
このターンに双方が買ったカードの文化値を入れ替える。
Swap は入れ替え系。

Temple of Wisdom
味方側に宗教系カードが3枚あれば、自身の文化+3。
3枚は狙わないと集め辛い。

Unholy Practitioner
味方側に隠密カードがあるなら、廃墟のカードを1枚復活させる。

Gambling Hall
このラウンド終了時にコインを2枚か6枚得る。
どちらになるかはランダム。

Apothecary
戦争終了後、味方の兵士と騎士の耐久を最大まで回復する。

Guild of Masons
ラウンド終了時、砦1つの耐久を最大まで回復する。

Moneylender
次のカードの購入がタダになる。
この効果はこのカードを「買った時」のみ有効。

Artful Artificer
コピーカード。
1つ前の味方のカードに変化する。

Naval Blockade
市民系(家)カードが2つあるなら、相手の購入候補のカードをランダムに1つ減らす。

Stronghold
ランダムに選ばれた味方1つが破壊されなくなる。
ラウンド終了まで有効。

Emperor's Wall
味方側にある市民系カードの数だけ、相手の全ての攻撃カードの攻撃力-1。

Fort of Last Resort
相手側の攻撃カードの数だけ、耐久力+1、文化+2。

 

※Youtube 公式 PV

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