アルカノイドvsインベーダー
変則シューティング ブロック崩し
タイトー(日本)
600 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/6/3
インベーダーとブロック崩しが奇跡の融合
シューティングゲームの古典「スペースインベーダー」と、ブロック崩しの人気作「アルカノイド」。
往年の名作であるこの2つがまさかの合体をした、ステージクリア型のユニークなゲームが公開されています。
…と言うか、一度消えたのですが、改めて復活しました。
「アルカノイドvsインベーダー」です。
このゲームは 2016年5月に「LINE ゲーム」の基本無料アプリ(ガチャ+スタミナ制)として公開されたのですが、若者や女性が多い LINE ゲームなのに題材やキャラがおもいっきり昭和、さらに LINE 向けの簡単すぎる難易度でゲームとしての面白味に欠けるなど、内容と LINE がマッチしていませんでした。
結果、2016年の11月に公開終了となっています。
しかし約半年後、それが買い切りゲームに変わって再公開されました。
ガチャやスタミナは廃止され、ゲームバランスも見直されており、難易度の高いハードステージの追加も行われていて、ゲーム自体は同じながら、プレイ感はかなり変化しています。
LINE ゲーム時代に一度レビュー していますが、買い切り版を改めて取り上げておきたいと思います。
画面をスライドし、「バウス」と呼ばれるブロック崩しのバーに相当する自機を移動させ、インベーダーが撃ってくる弾を跳ね返します。
左右だけでなく、ある程度の上下移動も可能です。
跳ね返した弾でインベーダーやブロックを破壊することができ、つまりこのゲームのインベーダーの攻撃は、避けるものではなく「拾って跳ね返すもの」。
通常とは逆の「敵弾に当たりに行くシューティング」ですね。
時間制のゲームで、タイマーが尽きる前にインベーダーを全滅できなければミスになります。
ステージによっては、ブロックを全て破壊したり、特殊なターゲットを狙ったり、ボスを倒すことがクリア条件になっている場合もあります。
敵弾を跳ね返すごとにゲージが貯まっていき、最大になると「アタックモード」になります。
これはアルカノイド(ブロック崩し)のモードで、ボールが現れ、これを打ち返してインベーダーやブロックを壊していきます。
一定時間で終了しますが、この間はタイマーが停止しており、ボールはインベーダーを貫通、ブロックに当たると反射します。
アタックモードで多くのインベーダーを倒し、ブロックのすき間にボールを放り込むことが、中盤以降の攻略のポイントになります。
前述したようにスタミナ制が廃止されたため、ミスってもペナルティなしでリトライ可能。
このゲームは時間制なこともあって「運」に左右されやすいのですが、スタミナがないおかげで待ち時間なしで何度でもやり直せるので、その点のストレスは緩和されました。
※左はアタックモード(ブロック崩しモード)発動シーン。
弓矢でボールを好きな角度で打ち出せます。この時はタイマーが止まっているので、慎重に狙いを付けましょう。
右はボスインベーダー戦。ボスだけ絵が 3D。
ミサイルやらレーザーやらを撃ってきますが、全部打ち返すためのものなので、恐くはありません。 …ノーマルモードなら。
※左はステージマップ。スコアによるクリア評価は廃止されました。
ノーマルクリアで銀、ハードクリアで金の勲章が付くようになっています。
右は開始前のクリア条件表示。ほぼ「インベーダー全滅」が条件ですが、たまーに「全ブロック破壊」が出て来て、それを見落として「あれ?敵を全滅させたのにクリアできない!」となるのでご注意を。
そして LINE 版と買い切り版の違いについてですが…
まず大きいのは、ガチャが廃止されたこと。
様々な補助スキルを持つサポートキャラクターを装備できますが、新しいキャラはゲームの進行によって登場し、それをゲーム中に得られるコインで購入する形になっています。
コインは使い捨てアイテムを買うのにも使用します。
キャラの性能は一新されていて、スコアアップ効果やレベルはなくなり、スキルも新しいゲームバランスに合わせたものに変えられました。
スキルには「バウスが長くなる」「アタックモードのボールが分裂」「弾を乱射する UFO が出現する」などの様々な効果がありますが、ゲーム中に落ちてくるスキルアイテムを取らないと発動しません。
基本的に後から出てくるキャラほど強力な効果を持ちますが、ステージによっては使い分けた方がラクになります。
そしてガチャではないので、様々なキャラを負担なく活用できます。
さらにハードモードの追加。
ボスを倒してエリアクリアすると、そのエリアの「ハード」に挑戦できます。
ハードは敵弾を拾い損ねるとダメージを受け、タイマーが減少します。
つまり敵の攻撃が、本当に敵の攻撃になっています。 バウスで残さず防がないとすぐゲームオーバーに。
加えてマイナスアイテムが落ちてくるようになり、こちらは避けなければなりません。
おかげで難易度は急上昇。
しかし簡単すぎて微妙だった LINE 時代を考えると、むしろこの難しさが楽しいですね。
スタミナがないのですから、多少難しくても良いと思います。
一番大きい点は、全体のバランスが調整されていることでしょう。
ノーマルモードも手軽に進める一方で、以前より歯応えがあり、前のような「アプリのクオリティは高いけど、面白いんだかどうだかやっててよく解らない」みたいな感じではなくなっています。
決してカジュアルな LINE ゲームが悪いと言っている訳ではありません。
ただ、このゲームには合っていなかった。
買い切りになり、ようやく本来想定されていた楽しさのゲームになった印象です。
※左はハードモードで、敵弾を落として3秒ペナルティを連続で食らっているところ。
マイナスアイテムを取ってしまい、バウスも短くなっています。
右はベルトコンベアーのしかけがあるステージ。
ゲームの進行に合わせて様々なギミックが登場し、パズル的な攻略が必要になるステージも出て来ます。
※キャラクターや使い捨てアイテムはコインで購入します。
コインは普通にやってもなかなか貯まらないので、コインアップのスキルを持つキャラを活用しましょう。
とりあえず、設定画面を開いて、そこにいるドットキャラをぷにぷにすると…
ここに来ての復活は予想外でしたが、インベーダーとアルカノイドという二枚看板を冠したゲームをこのまま消滅させることは、タイトーとしては許容できなかったのでしょうか?
私的には、この奇想天外なコンセプトは好きだったので、こうした形で戻ってくれたのは嬉しいですね。
スマホゲームをやっていると、他にも消えてしまって勿体ないと思うゲーム、ソシャゲじゃなければ面白かっただろうにと思うゲームに、何度も出会います。
特にソシャゲは運営が終わると跡形もなく消滅するので、もっとコンテンツの再利用のようなものを考えて欲しいと思う今日この頃です。
そのための予算がペイできないからしょうがない、というのもあるだろうけど。
タイトーは最近になって旧作の復刻を発表するなど、活動が活発なので、今後も期待したいですね。
※Youtube 公式 PV
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