Codex of Victory
戦略シミュレーションゲーム(大戦略系)
販売:AKPublish
開発:Ino-Co Plus(ロシア)
480 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/6/20
未来の地球の覇権を争う戦略シミュレーション
二足戦闘ロボットや未来兵器が戦いを繰り広げる、高クオリティなターン制の戦略シミュレーションゲームが公開されています。
「Codex of Victory」です。
大戦略 / ファミコンウォーズ型の戦術級 SLG に、XCOM の基地開発を付けたような内容で、コアゲーマーがしっかり楽しめるゲームに仕上がっています。
メッセージは英語ですが、基本ルールが大戦略系で、インターフェイスも解りやすいので、プレイ方法で悩むことはないでしょう。
ただ、行動力を消費して移動・戦闘・ユニット配置を行う点は、やや独特です。
ストーリーも解り辛いですが、ゲーム的には影響ありません。
開発はロシアのメーカーで、この硬派でメカメカしい内容はいかにもロシア圏という感じですね。
価格は 480 円。買い切りゲームなので課金やスタミナ等はありません。
フィールドが六角形のマス(ヘックス)で区切られている、ターン制の戦略シミュレーションです。
特殊ルールのステージもありますが、基本的には行動力「AP」を使ってユニット(コマ)を出撃地点に配置し、移動力の分だけマスの上を動かして、拠点を占領、敵を攻撃し、敵マザーシップの破壊を目指します。
ただ、このゲームは移動にも戦闘にも AP を消費します。
例えば AP が 10 あって、コスト6のユニットを出すと、残りは4。
出したユニットを動かして、さらに敵を攻撃すると、移動と攻撃で AP を1つずつ使うので、残りは2。
他にユニットが5つぐらいあったとしても、2つを動かすか、1つで移動+攻撃をすることしかできません。
使わなかった AP は次のターンに持ち越せます。
マザーシップは一定の AP 回復量を持ち、マップ上の拠点も占領するとターン毎の AP 回復量がアップします。
拠点は占領した次のターンから、ユニットの出撃場所にもなります。
このゲームは AP 管理が重要で、ユニットがたくさんあっても AP が少ないと満足に動かせません。
一方、敵が攻め込んできても、AP が多ければユニットを一斉に出して袋叩きにできます。
AP さえあれば出撃したユニットはすぐに行動可能です。
敵をタップすると相手の移動範囲・攻撃範囲を確認できるので、その中にむやみに入らないようにしながら、ユニットを出し、AP を蓄え、準備を整えてから敵を誘き寄せる、「待ち」の戦法が有利なシステムですね。
このゲームは反撃の特技を持つユニット以外、攻撃しても反撃されないので、なおさら待ち構えて袋叩きにするのが有効です。
状況によってはマザーシップへの奇襲もアリですが。
※ユニットをタップすると移動範囲が緑の枠で、攻撃範囲が赤い点で示されます。
また攻撃可能な相手には照準マークが現れます。
敵の場合、移動後に攻撃できる範囲も表示されます。
ZOC があるゲームなので、敵に接するとそれ以上動けなくなりますが、忍び足マークのスキルを持つユニットは ZOC を無視します。
なお、反撃を持つ敵がいても、その射程外から一度攻撃を加えると、反撃しなくなります。
※敵の拠点を包囲して、そこで生産されるユニットをフルボッコにしているところ。
まともに進むのが辛そうなら、こんな風に待ち構えて疲弊させる方が良いです。
いずれユニットが尽きて出て来なくなるので、それから進みましょう。
ユニットは2種類、一般ユニットとエースユニットがいて、一般ユニットは装甲車や戦車、自走砲など。
そしてエースユニットの多くは戦闘ロボです。
エースユニットは特技を持ち、例えば主人公格のロボットは長射程で強力なミサイルを持ちます。
一度使うとしばらくクールダウンが必要ですが、弾数制限はありません。
そして重要なのは、エースユニットはやられても自動で復活すること。
このゲームの一般ユニットには在庫があり、出撃させると減っていきます。
戦闘後に生き残っていれば在庫に戻りますが、やられると無くなって、基地で生産しないと使えなくなります。
しかし生産には資源が必要。
一方、エースユニットはやられても戦闘後にノーコストで復活するので、それでなくても強いし、盾役に最適。
エースはゲームの進行で増えていき、機動力重視の飛行ロボ、弾をばらまくヘビータンクなども登場します。
ただ、敵にはユニットを寝返らせるハッカーや、長射程のスナイパー、こちらのエースの2倍ぐらい強い戦闘ロボなど、強力なユニットが目白押し。
基本的に敵の方が強いので、慎重な戦い方が必要です。
※飛行ロボの火炎放射攻撃! 前方3マスの敵をまとめて焼きます。
アクティブスキルを持つユニットは、選択時にユニットの下にスキルボタンが出てきます。
最初はちょっと気付きにくいので注意。
左下にある小さなスキルアイコンをタップしても使え、押しっぱなしで詳細を確認します。
※要注意の敵、ハッカー(Augment Hacker)に洗脳スキルを使われたところ。
そのユニットが寝返ってしまいます。
しかし洗脳した相手を倒すと元に戻るので、同士討ちしないように。
並んだユニットにまとめてダメージを与えるチェインライトニングを使う敵も現れます。
一方、こちらのドローン機(Targeting Drone)は敵に照準を付けることができ、その相手に与えるダメージが2倍になります。
戦闘が終わると報酬を得て、基地画面と戦略マップに戻ります。
基地は前述したように XCOM の基地に似ていて、資金を使って地下を掘り、ユニットを生産する工場、ユニットの保持数を増やす格納庫、資源を生み出す鉱坑などの施設を建設していきます。
建設には時間がかかりますが、課金型ゲームではないので待ち時間はありません。
早送りボタンで完成まで一気に進める事ができます。
ただし敵が進攻準備中の場合、その時間も早まりますが。
また重要なのが研究所(Research Center)で、ここではユニットの強化ができます。
例えば装甲車の場合、研究するごとに「HP+1」「クリティカル+5%」「装備スロット+1」「移動力+1」といった特性が備わっていきます。
装備スロットには戦闘やラボでの開発で得られる「モジュール」を装着でき、移動力アップ、ダメージ軽減、HP 自然回復といった効果を得られます。
経験値でのレベルアップはありませんが、この研究や装備によって、エースやユニットを育成していくことができます。
※地下基地の画面。とっても XCOM。
序盤はエースが少ないので、一般ユニットの被害は避けられず、工場で補充しながらの戦いになります。
なお、戦闘で敗れたり、メニューの「RETREAT!」を選んで撤退しても、RESTART すれば戦闘開始前(損害が出る前)に戻れます。
リスタートせずに LEAVE(退去)してしまうと損害が出たままになるので注意。
※モジュール装備画面。強力なものは出撃 AP が増えたり、HP が下がったりするデメリットも伴うため、どれを使うか考えどころ。
とは言え着脱は自由なので、気軽に使えます。
戦略マップには敵と味方の勢力圏が描かれていますが、序盤はストーリーに沿って戦いが進み、それに応じて支配地が変わっていきます。
土地の取り合いをする要素はありません。
しかし最初のボスを倒すと展開が変わり、敵領土に攻め込んで、そこを占領できるようになります。
一方、敵もこちらの領土に攻め込んできて、迎撃に向かわないと土地を取られてしまいます。
中盤からは土地の奪い合いが続きますが、ストーリーはたまに現れる「キーミッション」をクリアすることで進行します。天下統一が目的ではありません。
また、敵は宇宙にいる母船から出撃しているので、全領土を支配しても相手の進攻は止まりません。
やや難点なのは、敵の攻撃がかなり頻繁に続くこと。
いくら撃退しても延々と攻め込んでくるので、ちょっとウンザリしてきます・・・
領土も占領しがいがない・・・
難易度の影響もあるかもしれませんが、ノーマルだと常に迎撃に追われる状態なので、もうちょっと余裕が欲しかったですね。
※月面の戦略マップ。地球・月・金星の3つの星で戦いが繰り広げられます。
星間移動は時間がかかるため、今いる星の敵を一掃するのを優先しましょう。
敵の領土が増えると左上にあるメーターが伸びていき、最大になるとゲームオーバー。
ゲームが進むと「Locator room」「Preon's Laboratory」「Missile Center」の3つの施設を建設でき、すべてそろうと敵母船への反撃を行えます。
しっかりした歯応えと面白さのある、本格派の SF シミュレーションです。
マップはズーム自在、操作もしやすく、キャラが 3D +ドロー系のグラフィックなので拡大しても見た目は崩れません。
「戻る」ボタンがあるので操作ミスしてもやり直せます。
ただ相応に難しいので、戦略 SLG をあまりやらない人だとちょっと辛い気もします。
最初に難易度を EASY・NORMAL・HARD から選べるので、自信のない人は無理せず EASY にした方が良いでしょう。
AI の思考がちょっと弱い気もしますが、明らかに敵の方が戦力上位なので、これで AI も強いとどうしようもないでしょうから、バランス的には良いと思います。
私的に好みで、XCOM よりも取っ付きやすく、戦略 SLG ファンならやっておきたい作品です。
Codex of Victory(iPhone 版、iTunes)
・Codex of Victory(PC版、Steam へ)
※Youtube 公式 PV
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