Monument Valley 2
パズル インタラクティブアート
ustwo Games(イギリス)
600円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/6/7
錯視を用いた美しく不思議なパズルの続編
突然ですが、問題です。
下の画像でキャラクターが階段の上に行くには、どうすれば良いでしょうか?
ハンドルを回して、以下のように道を繋げます。
「いやいや、おかしいだろ!」と思うなかれ。
この世界では遠近や天地は無視されます。
錯視の世界をパズルで表現した、美しく不思議なビジュアルを持つあの名作に続編が登場しました。
「Monument Valley 2」です。
前作 は 2014 年に公開され、数々の表彰を受けました。
Apple の「Best of 2014」でも大賞とされた、世界的な人気作です。
ボリュームはそれほどではありませんが、その美しさと雰囲気は今作でも健在です。
昨夜(日本時間 6月6日 早朝)に行われた WWDC 2017 の Apple 発表会 でも特にピックアップされていた、期待がうかがえるアプリですね。
価格は 600 円。買い切りゲームなので広告やスタミナはありません。
開発はイギリスのメーカーです。
スティックやボタンはありません。
タップした場所に主人公が移動します。
ハンドルがある場合、それを指で回すとどこかに変化が生じます。
道が回転したり、上下したり、反応はさまざま。
また、丸い輪っかが並んでいる部分は指でスライドすることができ、それによっても道が動いたり、建物が回るなどの変化が起こります。
この世界はプレイヤーの「見たまま」が真実です。
道が繋がっているように見えるのであれば、それは繋がっています。
道を動かして、遠くの道と近くの道を直線に並べると、それは遠くと近くだから本当は繋がっているはずがないのですが、普通に歩いて行くことができます。
そうした遠近や上下を無視した法則を利用して、先に進む道を探します。
パズルゲームであり、アドベンチャー(脱出系)にも近く、先に進む道は色々と試行錯誤して見つけなければなりません。
ただ、1つのステージは前回より短めで、難易度も低めになっています。
老若男女、世界中の人に愛されたアプリで、プレイヤーの中には子供や普段ゲームをしない人も多かったため、その辺を考慮して少し簡単にしたのだと思います。
今作は「ロー」と呼ばれる母親と、その娘のお話。
独特で神秘的な世界観は、より深くなっています。
正直、ストーリーは抽象的すぎてよく解りません。
むしろ明確な舞台設定などないのかもしれない。
しかし雰囲気の良さは前作以上で、親子で不思議な世界に挑む展開には物語が感じられます。
各ステージは 5~10 分ほど。
全十数ステージで、全体としては2時間ほどですね。
前作同様、そんなに何日も続くようなゲームではありませんが、とても印象に残る作品です。
※左はパズルではなくストーリー演出のシーン。今作はこうした場面が何度か出て来ます。
右はステージクリア時のシーン。指をスライドして万華鏡のような紋様を描きます。
特に正解はないので、好みの紋様ができたら指を離しましょう。
ゲームと言うより、ゲームアプリという手法を使った「インタラクティブアート」(参加型芸術)といった内容です。
パズルとしての難易度が下がっているため、なおさらそう感じます。
しかし大きく動くステージのしかけは見ていて楽しいですね。
ボリュームが少なめの雰囲気ゲーなので、賛否両論になりがちな作りですが、それでもこのシリーズに対する批判はほとんどなく、それが完成度の高さを物語っています。
Apple もイチオシの、Best of 2017 の候補となるアプリでしょう。
※Youtube 公式 PV
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