Poly Bridge
物理パズル(強度シミュレート系)
Dry Cactus(ニュージーランド)
600 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/6/18
強度のある橋を設計する物理パズルの人気作
限られた素材で丈夫な橋を建設し、車や人を渡らせる。
そんな橋建設の物理シミュレートパズルは、スマホにもいくつか登場しています。
そして先日、そんな橋建設パズルの決定版と言える作品が PC(Steam)より移植されました。
「Poly Bridge」です。
PC 版は 2015 年に公開されていて、その頃から評判になっていたゲーム。
私もやりたいと思っていて、Steam 版を買おうか悩んでいました。
Apple も登場と同時にストアの「おすすめアプリ」に選んでおり、その好評ぶりが伺えます。
長い直線や円弧を簡単に描ける優れたインターフェイスを持ち、自由な発想で橋を作れます。
グラフィックやサウンドもセンスが良く、総合的に優れた作品。
ただ、パズルとしての難易度は高く、トライ&エラーと発想力で難問に挑まなければなりません。
パズルが苦手な人だとちょっと辛いかもしれませんね…
価格は 600 円。買い切りゲームなので課金・広告・スタミナ等はありません。
開発したのはニュージーランドのメーカーです。
ステージを選択すると、まず設計画面が出てきます。
基本的には、左の岸にある車やバイクを、右の岸まで渡す橋を作ります。
素材の中から道路を選択し、岸にある赤い点から指をスライドさせていくと、それに合わせて道が作られていきます。
もちろん道路を延ばしただけでは橋はすぐに折れてしまいます。
木材や鉄材、ロープなどを繋げ、壊れないように補強しなければなりません。
材料には長さに制限があり、道路も短いものがたくさん繋がって作られます。
そして繋ぎ目の部分に「接続点」ができ、そこに他の材料を繋げることができます。
どんな風に材料を繋げれば、橋をうまく固定できるのか…
例えば、以下の画像のような感じです。
こうした設計の基礎はチュートリアルで教えて貰えます。
メッセージは日本語化されており、翻訳もバッチリ。
また序盤のステージは段階的に設計例を学べるようになっており、プレイしているうちに、より強い橋を作れるようになるでしょう。
設計が終わったら、再生ボタンを押して実際に橋を渡らせます。
強度が足りない場合はバキッと折れて橋がバラバラになりますが、すぐに停止ボタンで設計画面に戻れます。
崩れ方や折れた場所をよく見ておけば、どこの強度が足りないのか解るので、そこに材料を足すなどすれば補強ができますね。
ただし、材料はいくらでも使える訳ではありません。
木材やロープを設置すると「予算」が減っていきます。
鋼材やケーブルはさらに高価です。
予算内で、破損のない状態でクリアすると最高評価になりますが、予算をオーバーするほど評価は減少。
そして予算の 1.5 倍以上になると材料を設置できなくなります。
だんだん条件が厳しくなるため、限られた予算でどれだけ強い橋を作れるか、つまり少ない材料で高い強度を得るにはどんな構造にすべきなのか、頭を悩ませることになります。
※上部の▽ボタン(オートトライアングル)が ON だと、近くの支点が自動で結ばれます。
これが邪魔なときはタップして OFF にしましょう。
真っ直ぐな直線や滑らかな円弧を描きたい時は、右下にあるトレーシングツールを ON にして結びたい箇所に線を引き、塗り潰しボタンを押しましょう。
円弧は丸い部分をドラッグして角度を調整できます。
錠前ボタンを押せば左右個別に角度を変えられます。
※できた橋の一例。うねうねしているのは、ステージ内にある★を通過してからゴールしなければならないステージだから。
設計画面で重りマーク(応力の表示)を ON にしておくと、強度に余裕のあるパーツは緑で、危険なパーツは赤で表示され、どこに負荷がかかっているのか解ります。
さらに、橋を稼働させる「油圧」というパーツも登場します。
これを使うと橋の一部を動かすことができます。
船が通りかかるステージがあり、橋とぶつかってしまう場合は油圧を使って開閉式にして、接触を避けなければなりません。
ゲームが進むと、複数の車が登場して異なる目的地に向かおうとするステージも出てきます。
こういう場合も、油圧を使って道を途中で変えたり、橋全体を持ち上げたりして、行き先をコントロールする必要があります。
※開閉式の橋で船の通行を回避しているところ。
開閉式にする時は、支点をタップして「分割点」を作るのを忘れずに。
チュートリアルでは両開きの橋を作りますが、こんな風に片方だけ持ち上げても良いし、一部ではなく橋全体を持ち上げることもできます。
強度が足りないとベキッといきますが。
※もちろんアーチ橋でも船をかわせます。そしてアーチは強度に優れます。
どんな構造にするのが良いのかは、実際の橋の写真が参考になりますね。
強度と構造の計算という論理性と、橋の作り方の発想力、双方が必要になる高度なパズルです。
特に中盤以降は柔軟な発想が要求されるので、計算だけでは解けない難しさがあります。
一方、自由度が高いため、本来の想定とは違うクリア方法を編み出すことも可能です。
例えば、普通に橋を作るマップで、無理やりジャンプさせるのもアリ。
予算があるので、そこまで何でもできる訳ではありませんが、物理ゲームらしいアバウトさもありますね。
冒頭で述べたように設計画面のインターフェイスが良く、ズームイン / ズームアウト自在で、範囲選択ツール、支点移動ツール、直線や曲線を描くトレーシングツールがあり、範囲コピーや反転、アンドゥ / リドゥ(一手戻る / 進む)も完備。
やや難点なのは、画面上部にあるゴミ箱ボタンが「全削除ボタン」で、パーツごとの削除は「範囲選択ツール」で対象を選んでから「削除」をタップするところ。
慣れの問題もありますが、どうしても「ゴミ箱=削除」という思い込みがあるため、パーツを消そうとしてゴミ箱を押してしまいやすい。
誤って全削除しないよう気を付けて下さい。
15 のステージがあるエリアが7つもあり、合計で 105 ステージ。
私は2つ目のエリアで早くも考え込みました。
1つのステージに結構時間がかかるので、これで 100 以上もステージがあると、かなりのボリューム。
当分遊べるゲームです。
なお、ステージは自由に選べるため、どうしても解けないステージはパスして構いません。
※後半ステージは本当に一筋縄ではいかない。
これは気球に開く橋をぶら下げているところ。
単に橋を架けるだけではクリア出来なくなってきます。
※本当は油圧で開閉式の橋を作るステージなのですが、無理やり坂道にしてみたシーン。
え? 道が途切れてる? 落っこちた車が転がってゴールできるのでこれでも OK。
正攻法でうまく行かないときは、イレギュラーな方法を考えてみる手も…
アプリの作りもパズルも、非常に完成度の高い作品です。
ビジュアル、操作感、思考性に優れるため、Apple が即オススメにしたのも当然でしょうね。
ただ、この難しさはちょっと人を選ぶかな…
じっくり型のパズルですし、万人向けとは言えないかもしれません。
しかしパズルが嫌いでない方には、ぜひオススメしたいアプリです。
Poly Bridge(iPhone 版、iTunes へ)
※Youtube 公式 PV
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