- ストリートファイターIV
CHAMPION EDITION
対戦格闘ゲーム
カプコン
600 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/7/17
あの対戦格闘ゲーム「スト4」のスマホ版
まだスマホ黎明期だった 2010 年、そのクオリティでユーザーを驚かせた iPhone 版「ストリートファイターIV」。
「スマホで格ゲーなんて出来るのか?」「タッチパネルで昇龍拳を出せるのか?」といった疑問を技術力で克服し、大きな話題となったアプリです。
翌年にはオンライン対戦に対応した「ストリートファイターIV VOLT」も登場し、「スマホでどこでも対戦格闘」というゲーマーの夢の1つを実現したアプリとなりました。
そして 2017 年の今、新機種&新 OS に対応し、新たなキャラも追加されたスマホ用スト4の新バージョンが公開されています。
「ストリートファイターIV CHAMPION EDITION」です。
前述したようにこのアプリは、スト4 VOLT の改修版と言えます。
よってゲーム自体に大きな違いはありません。
また、高解像度に対応したとはいえ、背景などは古い一枚絵のままで、キャラクターのドットも変わらないため、iPad でみると粗さがあります。
しかし元々のクオリティが数世代先を行っていたため、スマホでやる分には十分美しいグラフィックで、演出も非常にハデ、内容もスマホ用の格ゲーとしては最高峰です。
状況に合わせた操作補正によりタッチパネルでも波動拳や昇龍拳を出すことができ、「カンタン必殺技」のボタンを使えばコマンド入力なしで必殺技を出せるため、初心者でも楽しめます。
オンライン対戦にも対応しており、もちろんソロでも遊べます。
機種対応以外の大きな変化は、新キャラが3人追加され(いぶき、ダッドリー、ポイズン)、MFi コントローラー(物理ゲームパッド)に対応したこと。
これで登場キャラはなんと 25 人。
今後、さらに6人が追加される予定です。
ただ、現時点(2017/7)では Bluetooth 対戦ができなくなっています。
価格は 600 円で、買い切りゲームであるため課金・ガチャ・スタミナ等はありません。
スト4 VOLT のおさらいになりますが、まずは基本のゲーム内容について。
スト4はマニアックになり過ぎたスト3を反省し、スト2への「原点回帰」を目指して作られた作品です。よってプレイ感はスト2やスト ZERO に近くなっています。
ただ、敵の攻撃を受け止めながら反撃する「セービングアタック」が追加されており、マニアックな戦い方も可能。
さらに通常の必殺技に加え、ゲージを消費する「EX 必殺技」、ゲージを全消費する「スーパーコンボ」、逆転の超必殺技「ウルトラコンボ」もあります。
例えばリュウの波動拳は、EX なら灼熱波動拳、スーパーコンボなら真空波動拳、ウルトラコンボなら滅波動拳になります。
ボタンは P(パンチ)、K(キック)、SP(必殺技)、S(セービング)の4つ。
オリジナルのような6ボタンではないため、技の種類が減っていますが、一部の技は特殊技としてレバー+ボタンで出すことができます。
通常の必殺技は「カンタン必殺技」を ON にしていれば、SP ボタン1つで出せます。
例えば、リュウの波動拳は SP ボタンを押すだけ。
昇龍拳も →+SP で出ます。
とってもお手軽で、タッチパネルで難しいコマンドを入力する必要はなく、初心者でもラクに遊ぶことができますね。
加えて、スーパーコンボは画面上部の青いゲージを、ウルトラコンボは赤いゲージや顔の部分をタップするだけで(ゲージが貯まっているなら)発動可能。
こちらも素早く手軽に繰り出せます。
ただし EX 必殺技だけは、カンタン必殺技の有無に関わらず「通常のコマンド+SP ボタン」で出します。
よって通常のコマンド入力もできた方が、技を使い分けられます。
なお、EX ゲージは主に必殺技を出すと増え、ウルトラゲージはダメージを受けると貯まっていきます。
S ボタン(セービングアタック)は、敵の攻撃を1発無効にしながら反撃を行うもので、「当て身」のような使用感です。
この技はボタンを押す長さで性質が変わり、ポンと押すとカウンターヒットで相手がよろけ、少し長押しすると当たれば必ずよろけ、最後まで長押しするとガードブレイクになります。
ただ、2連発以上を食らうと潰されるうえに全部まともに受けてしまい、ボタン長押しということもあって使い辛さがあります。
必殺技を当てた瞬間に S ボタンを押すと、ゲージを2つ消費して必殺技のモーションをキャンセルしセービングアタックを出す「セービングキャンセル」を行えますが、これも活用は難しいです。
S ボタンは上級者向けのもので、初心者が無理に使おうとしても逆に戦い辛くなるので、当面は気にしなくてもいでしょう。
※ウルトラコンボは発動時にムービーカットインが。
スーパーコンボやウルトラコンボは顔やゲージタップで出せますが、1P 側と 2P 側の区別はありません。
例えば 1P 側(左側)でも、2P 側(右側)の顔やゲージタップで出せるので、ガードやタメをしながら出したい時に、右手で左上のゲージをタップしにいく必要はありません。
※最大セービングで黒い衝撃「墨エフェクト」が出ます。
セービングキャンセルはダッシュでセービングアタックの発動をキャンセルできるので、「必殺技 → セビキャン → ダッシュ → 連続技へ」という流れになるのですが、初心者には難しすぎる…
ただスマホ版は、セビキャンの際にレバーと S ボタンを押しっぱなしにしておくと自動でダッシュしてくれます。
ゲームモードには、オンライン対戦の「バトル」と、1人用の「ソロプレイ」があります。
重要なのは、ソロプレイ中に「乱入」の設定を「一時的に ON」もしくは「常時 ON」にしておくことで、ソロプレイをしながら対戦のマッチングを待つことができること。
対戦が始まるまでボーッとする必要はありません。
オンライン対戦は日本のプレイヤー同士でマッチングされれば、かなり快適にプレイできます。
スマホのオンライン対戦で、こんなに快適に格ゲーで対戦できるというのは、初めての人だと驚くことでしょう。
ただ、海外のプレイヤーとマッチングされると、回線の状態によっては動きがかなり鈍くなります。
こうなるとレバーの反応も遅れるので遊び辛くなり、慣れも必要です。
乱入待ち受け設定でエリアを選択できますが、「アジア」といった大雑把な設定しかできません。
「日本」や「国内優先」があれば良かったのですが…
なお、オンライン対戦に勝利すると BP というポイントが増えていきます。
この BP でプレイヤーのランクが決まり、上位を目指すのが目標となります。
1つ残念なのは、ソロプレイ(アーケード)にエンディングがないこと。
オープニングでは気合いの入ったムービーが流れ、ゲーム中にも豪鬼登場ムービーが出てきたりするのですが、クリアしても「Congratulations!」と出てくるだけ…
キャラごとのエンディングが、せめて1枚絵+メッセージだけでも良いから出て来てくれれば、各キャラでクリアしようという気にもなれるのですが…
オンライン対戦がメインなのは解りますが、ソロプレイももうちょっと、やる気の出る形にして欲しかったですね。
※キャラ選択画面。前作・前々作のアップデートで追加されたキャラクターは、余さず盛り込まれています。
画像は新キャラのイブキとポイズン。
さらに6人分の枠が用意されていますね…
余談ですが、ポイズンが男か女かについては「公式に回答しない」ということになったそうです。
※対戦待ち受け設定。ソロモードのメニューで上部の人物アイコンを押すと選択できます。
プレイ中にポーズして乱入の有無を ON /OFF することも可能。
この「ソロプレイしながら待ち受けを行える」というのは他のゲームでも見習って欲しいのですが、なかなか普及しませんね…
なお、今作の対戦ではオートガードは使えません。
ゲームの基本部分は6年前と変わっていませんが、今でもスマホの対戦格闘ゲームと言えば、やはりコレでしょう。
スト4 VOLT は iOS11 で遊べなくなる可能性がありますが、こちらに移行し、拡張も続くようですね。
クラッシュ・ロワイヤル以降、オンライン対戦がまた世界的なトレンドになっています。
TCG やスポーツゲームの対戦アプリも増えていますが、対戦と言えばやはり格ゲー。
スマホ対戦の先駆者であるストリートファイターを、このタイミングでまた復活させたといったところでしょうか。
まあ 64bit 対応も大きいのでしょうけど。
やや難点なのは、なにせストリートファイターですから玄人プレイヤーが多い訳で、カンタン必殺技があっても初心者だと辛いところ。
しかしそれでもゲームの金字塔。
経験者はもちろん、未経験者でもゲーマーならぜひ遊んでおきたいアプリです。
※Youtube 公式 PV
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