The Witness
アドベンチャー パズル 脱出ゲーム
Thekla, inc.(アメリカ)
価格 1200 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/10/2
美しい孤島を散策する最高級の脱出ゲーム
3D グラフィックで描かれた風光明媚な島を自由に散策し、そこかしこに隠されたパズルを解いていく、PC や PS4 で話題になっていたパズルアドベンチャーがスマホ / タブレットにも登場しました。
「The Witness」です。
昨今のスマホユーザーには「脱出ゲーム」と言った方が解りやすいと思いますが、これをそこいらの脱出ゲームと一緒にするのは失礼です。
それほどのボリュームとグラフィックを持つ高クオリティな作品で、脱出ゲーム系としては最高峰と言えるでしょう。
ただ、謎解きは簡単ではなく、サクサク進めるのは序盤だけ。
中盤からの謎の難しさ、フィールドの広さと解き方の多様さに加え、行き詰まってもノーヒントなおかげで、クリアまでの難易度はかなり高めです。
しかしその自然美と風景は、解けない謎を後回しにして、ハイキングしているだけでも楽しめるレベルです。
また、すべての謎を解かなくてもクリア可能なため、解ける謎から挑戦していくことができます。
価格は 1200 円。スマホゲームとしては高めですが、Steam 版や PS4 / Xbox 版は 3980 円なので、他と比べるとむしろ安め。
買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。
主観視点の 3D グラフィックゲームで、タップで移動を行います。
長い距離を移動する時は何度もタップする必要があるため、タッチパネルではやや面倒ですが、通り道がよく解らない場所でもタップでルートを解析し、そこに自動で向かってくれます。
文章がほとんど出て来ないゲームで、文字に頼らず、視覚(たまに聴覚)の情報のみで進められるようデザインされています。
よってアメリカのゲームですが、日本でも問題なくプレイできます。
一部にセリフが出てくる場面もありますが、日本語字幕に対応しています。
(字幕の有無はオプションで設定可能)
フィールドの各所にはパズルの描かれた「パネル」が設置されています。
これはすべて一筆書き系のパズルで、開始地点からゴールまで、同じ道を通らないようになぞっていきます。
クリアすることで電力が伝わり、扉が開いたり、次のパネルが現れるなどの変化が生じます。
ただし一筆書きと言っても、ただ線をなぞれば良い訳ではありません。
パネルにはマークが描かれていて、それを元に特定の場所を通ってゴールしたり、特定の形を描きながらゴールするといった、様々な条件を満たす必要があります。
そしてどのマークがどんな条件を表わしているかは、島を捜索して探さなければなりません。
またパズルによっては、マークがないのに、何かの条件を満たさなければならないこともあります。
この時は、周辺のものをヒントにしたり、どこかにある解法を見つける必要があります。
場合によってはパネル以外のもの、例えば地形自体が一筆書きパズルになっている事さえあります。
パネルでなくても「これは」と思った場所を長押ししてみると、何か変化があるかもしれません。
※廃屋で見つけたパズルのパネル。
こんな風にたくさん並んだパネルは、特定のパズルの解法を段階的に教えてくれるものになっています。
意味の解らないパズルがあったら、まずこれを探しましょう。
※これは風景がヒントになるパズル。パネルだけ見ても解けません。
でも奥の木をよーく見てみると…
※紅葉した木々が生い茂る遺跡。
単なる風景に見えますが、遺跡の上部の丸い部分を長押ししてみると…
こうした風景がそのままパズルになるシーンは、視点や立ち位置も重要です。
島の中には、森、海岸、山岳などの自然の他に、村や難破船、謎の施設と言った人工物まで、様々なロケーションが存在します。
前述したようにこのゲームは自由に歩き回れるため、好きなように散策することができます。
この自由度と広さが、そこいらの脱出ゲームにはない素晴らしさなのですが、しかし謎解きの点では辛い部分でもあります。
解けないパズルがあった時に、それがパズルがわからないから解けないのか、情報が足りないから解けないのか、区別が付かないのです。
そして情報やヒントが足りないとして、それを探しに行くとしても、フィールドが非常に広いのでそう簡単ではありません。
基本的に「解けないパズルが出てくる → 散策するとヒントが見つかる → それから解けるようになる」という流れがあるのですが、ヒントに気付かなかったり、違う場所に行ってしまったりすると、解らない謎だらけになります。
加えて中盤からは音を頼りにしたり、見る角度が重要になるといった、捻った謎がノーヒントで出てくるので、ますます難易度がアップ。
それらで行き詰まった時、「どこかに情報があるはずだ」とか思って探しに行ったりすると迷宮入りに陥ります。
序盤のイメージだけで進めるようなゲームではないというのは、覚えておいた方が良いでしょう。
※生け垣迷路。出口の扉の謎を、迷路をヒントに解く必要がありますが…
迷路は4つあり、2つ目は何気なく生えている草が、3つ目は歩行音の微妙な違いが重要になります。
こんな謎がノーヒントで出てくるので、正直厳しい。
感覚をフル活用して解かなければなりません。
※島の何ヶ所かには船着き場があり、ボートで移動できます。
島のミニマップも付いていて、これを発見できると移動が少しラクになります。
※謎の装置から山の頂上に向かってビーッとレーザーが。
島の各所に隠されたこのレーザーを起動させ、山頂の封印を解くのがゲームクリアのカギとなります。
謎解きで辛い点はありますが、しかし島の探険だけでも十分なボリュームを感じられる作品です。
色々な場所を巡っているうちに、謎のヒントも見つかるかもしれません。
スマホ専用のゲームではありませんが、今後スマホの「一番良い脱出ゲームは?」と言われたら、The Room シリーズに加えて、この作品が挙げられることになるでしょう。
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