D×2 真・女神転生 リベレーション
ソーシャルゲーム RPG
セガ(日本)
アプリ本体無料、課金・ガチャ・スタミナあり
レビュー公開:2018/1/30
セガのソシャゲの女神転生、いよいよ始動
ファミコン時代から続く、ドラクエや FF に匹敵する歴史を持つ国産 RPG「女神転生」(通称 メガテン)。
敵の悪魔と交渉して「仲魔」にし、それを合体させて強い悪魔を作り出す、今日では一般的になった捕獲・合成システムのパイオニアと言える作品です。
さらに世界各地の宗教・伝承・民間信仰などを網羅した深い世界観を持ち、コアなファンを持つシリーズとして知られています。
そんな女神転生の最新作となるソーシャルゲームを、そのブランドを受け継いだセガが公開しました。
「D×2 真・女神転生 リベレーション」です。
通称は「メガテンD2」のようです。
開発元がセガになったおかげで、グラフィックは大幅にパワーアップ。
「龍が如く」を彷彿とさせる 3D で表現された東京の町並みをバックに、メガテンおなじみの悪魔たちが派手なアクションのバトルを繰り広げます。
ストーリーも Youtuber やサバゲーマニア、ラノベ作家志望が登場する、現代日本らしいものになっています。
ソーシャルゲームですが、バトルはコマンド選択式の本格的なターン制バトルで、戦略性も高いです。
ただ、そのためにソシャゲオンリーな人には難しいようで、さらにガチャで高レアが出る確率が渋いため、ポチポチゲーマーの不満が爆発。
App Store、Google Play、共に平均評価★2の低空飛行となっています。
実際のところは、悪魔は交渉で仲間(仲魔)にでき、それを合体して強いキャラを作り出せ、多様な強化要素もあるため、必ずしもガチャに頼る必要はありません。
しかしリセマラが当たり前のソシャゲユーザーにとっては「リセマラし辛い、確率がヒドイ、無料石が少ない、でもゲームがムズくて高レアがないと(彼らは)先に進めない」と不満だらけな模様。
またメガテニスト(女神転生ファン)からも、ソシャゲである、ストーリーが微妙、上位悪魔を合体で作る費用がベラボーに高いなど、こちらはこちらで批判続出。
実際、ものすごく「日本のソーシャルゲーム」なので、私も不満がない訳ではありません。
ただ、全体としては非常に高クオリティーで、低評価が不当に思えるゲームです。
ソシャゲには違いありませんが、私的にはソシャゲの中ではトップクラスという印象です。
まあ、ゲーマーである私がそう思うってことが、ソシャゲーマーに受け入れられない裏付けかもしれませんが…
なお、レビューの前に言っておきますと、私は大のメガテニストです。
それは同じメガテニストなら、ハンドルネームを「カムライターオ」にしていることからも解るはず。
よって「メガテンファンとしての見解」になることをご了承下さい。
基本的にはオーソドックスなソーシャルゲームです。
フィールドを移動するようなシーンはなく、クエストを選択し、3回のバトルを行って勝ち抜けばクリアです。
バトルの前後にはストーリーシーンがあります。
いかにも今風なストーリーで、昔ながらのメガテンファンだと付いていけない人もいる模様。
主人公しか普通の人がおらず、全員非常識なほどにキャラが濃い。
ただ、従来のメガテンも「ソウルハッカーズ」なんかはこんなノリでしたし、真・女神転生も冒頭は当時の東京が舞台。
それを 2018 年仕様にしたら、こんな感じかな、とも思います。
私的に残念なのは、悪者がモロに悪者で、ただひたすら悪行を重ねて正義の味方の主人公たちにボコられる勧善懲悪なストーリーであること。
以前のメガテンに見られたイデオロギーの対立といったものは感じられず、仮に向こうに主張があったとしても欠片も共感できません。
まあ、ソシャゲですから、物語は解りやすくしたのかもしれませんね。
※アジトで仲間の Youtuber &サバゲ女子と会話しているシーン。
セリフはすべてフルボイスで、気合いの入った作りです。
ただ、やや血なまぐさいストーリーにメガテンらしさはあるけど… うーん。
もっと序盤から伏線張っといて良かったんじゃないかな…
右はクエスト選択シーン。スタミナを消費してバトルに向かう、よくある方式。
そして最大の特徴がバトル。
前述したようにターン制のコマンドバトルなのですが、それぞれのキャラに 物理・火炎・氷結・電撃・衝撃・破魔・呪殺 の7つの属性に対する耐性があります。
そして画面左上には行動回数を示す「プレスターン」というマークがあります。
これは行動するごとに1つ減るのですが、相手の弱点を突くと、このマークが半分しか減りません。
これにより、1回多く行動できます。
この追加で行えるターンは「ボーナスターン」と呼ばれます。
ボーナスターン中は弱点を突いても、再ボーナスは発生しません。
しかし4回行動できる場合、その全てでボーナスターンを発生させれば、8回も行動できます。
ただし、これは敵も同様です。
弱点が多いパーティーだと、相手側が「ずっと俺のターン!」になりかねません。
よって単純にステータスが高いだけでなく、弱点の少ない、色々な属性の攻撃を持っている、相手の弱点を突きやすいキャラが強いことになります。
たとえ高レアの悪魔でも、弱点だらけだと役に立ちません。
また、特定の属性を 無効・反射・吸収 する悪魔もいます。
これらが発生した場合、相手の行動回数が2つ減ります。
そして全体攻撃などで弱点と無効が同時に発生した場合は、無効や反射の方が優先されます。
よって雷が弱点のキャラがいても、雷を無効化するキャラをパーティーに入れておけばカバーできます。
雷の全体攻撃を食らった時に無効が優先され、相手はボーナスターンどころか、行動回数を余分に減らす結果となり、これなら弱点のあるキャラがいてもフルボッコにはされません。
※秋葉原の路上で魔神ガネーシャに斬りかかる女神アリアンロッド。
背景の日常感がハンパない。グラフィックは本当に綺麗です。
右は全体雷撃を食らって弱点ダメージを受けたけど、1人が無効を発動したところ。
無効や反射、吸収を持つキャラは編成のカギになります。
さらにこのゲームは、どの悪魔も1つの「継承スキル」と、2つの「継承枠」を持っています。
同レアの悪魔を消費することで継承ポイントを得られ、そのポイントを使って他の悪魔が持つ「継承スキル」を、継承枠にセットすることができます。
炎の攻撃しか持っていない火の悪魔にも、氷結や破魔など、好きな攻撃を付加できます。
全体物理攻撃や回復魔法、防御スキルなど、攻撃以外も付けられます。
キャラのカスタマイズ性が高く、どのキャラに何を付けてどんな編成で戦うか、それが非常に重要です。
もう1つ特筆しておきたいのは「パス」。
弱点を突くと残りターン数を示すマークが半分だけ減りますが、パスした時にもその状態になります。
よって MP が尽きていたり、有用な攻撃を持っていないキャラに順番が回って来ても、攻撃せずにパスすれば次のキャラに攻撃権を渡せます。
しかもこのゲームの MP は最大 10 しかなく、順番が回ってきた時に3だけ回復するというカードゲームのような仕様なので、パスすれば順番が来るキャラが増え、MP も多く回復することができます。
これは連戦やボス戦の前に重要です。
これらを駆使すれば、格上にも勝つことができる面白いバトルになっています。
ただ… シンプルな戦闘しか知らないソシャゲ専門ユーザーにとっては、これは複雑。
しかも理解できていなかったら逆にボコボコにされるシステムなので、それも低評価が集まってしまった要因だと思われます。
※アジトには色々な施設があります。これは悪魔を強化する万魔の社。
スキル継承は、まず同レアのキャラを消費してポイントを得る必要があるため、高レアキャラほどカスタマイズし辛いことになります。
ただ、元のレアリティが★1のキャラは、転生で★2以上にしても、★1のキャラでポイントを得られます。
継承できるスキルは各悪魔が持つ一番上のスキルか、継承枠に追加されたスキルのみ。
なお、装備である「烙印」も忘れずに。ステータスが割合(%)でアップする装備はかなり強いので、しっかり強化しましょう。
私的に嬉しいのは、旧来の女神転生を思い出させる様々な演出。
悪魔のデザインが従来通りなのはもちろん、状態異常はファミコン風のドット絵で示されます。
そして一番メガテンらしいのは「アウラゲート」と呼ばれる 3D ダンジョン。
ここはクセのある操作性やマップ表示を含め、昔のメガテンのダンジョンそのままです。
これを用意しているところに開発側のコダワリを感じます。
従来と違うのは悪魔との交渉で、自分で好きな時に実行することはできません。
相手が交渉を持ちかけてきた時しか行えず、よってなかなか仲魔は増やすことができません。
ただ、それでも何度も戦っていればそのうち交渉になりますし、相手が急に命乞いをして、そのまま仲魔になることもあります。
ガチャをしないと仲魔が増えないゲームではなく、前述したようにその仲魔を合体させれば、(★3までなら)強い悪魔を自力で作り出すこともできます。
※左は 3D ダンジョンのアウラゲート。ちゃんと月齢とオートマップ付き。
右はジャックフロストと交渉中。選択肢が2回出て、どちらかに成功していれば、その後にアイテムやお金を渡すことで仲魔にできます。
ただ、返答が結構難しく、失敗することも割とあります…
ちなみにオート戦闘中に交渉が発生すると、交渉もオートで行われます。
そして批判が集まっている、ガチャや悪魔合体についてですが…
多くの人が勘違いしていると思うのは、高レアな悪魔はガチャでしか得られない訳ではないこと。
レアリティを示す★の数は、強さと言うより最大レベルを意味していて、★2や★3のキャラでもレベルを最大にして「転生」というものを行えば、レアリティをアップさせられます。
つまりどんなキャラでも(レベル上げは必要だけど)★4や★5にできます。
そして前述したようにスキルを付加して、どのキャラでも強化できます。
ガチャで★5が出るのは 0.5 %、★4は 5 %。
課金ガチャでも 94.5 % は★3しか出ないのですが、開発側としてはガチャではなく、合体と転生による戦力強化を主体にして欲しいのでしょうね。
ただ、巷のリセマラーはリセマラで最高レアを出してからがスタートですから、それでリセマラし辛いうえに★5の確率が 0.5 %なのを見て、逆上してしまったようです。
ストアレビューを見ても、★1を付けている人の半分ほどは、その手の人の気がしますね…
キャラにはレアリティとは別に「グレード」という数値があり、実際のレアリティはこちらです。
このグレードが高いほど強い悪魔と言え、合体もこのグレードと種族で結果が決まります。
ただガチャに関して言えば、★4や★5に高グレードの悪魔が割り当てられているので、同等の意味になっていますが。
なお、課金ガチャの悪魔だけでは合体は行えません。
一方は交渉等で得た悪魔である必要があります。
ガチャキャラだけで合体できると、ますますガチャゲーと言われかねないからだと思われます。
※ガチャ悪魔には加護や荒神などの「アーキタイプ」というものが付いていて、それにより一部のスキルが変わり、合体後も継承します。
ただ、ガチャのアーキタイプがある悪魔同士を合体させることはできません。
「それってどうよ」と思ったのは、ガチャに課金通貨が最低 100 要るのに、最低額の課金の 360 円では石は 90 個しか貰えないこと。10 個足りねぇ…
で、その上は 840 円のジェム 210 個。
あー、もう、昔のグ○ー&モ○ゲーかよ…
私的に残念な点は、冒頭でも述べたように、すごく日本のソーシャルゲームなことですね。
スタミナ、課金ガチャ、日替わりバトルでの素材集め…
3D ダンジョンの「アウラゲート」も特定の時間にしか開いていません。
もう日替わりダンジョンとか、当初は物珍しさもあったけど、今となってはメンドクサイのが本音です。
スタミナ制さえ時代遅れになりつつあるこのご時世に、このゲームはあまりにジャパンのソシャゲです。
おまけにログイン時に「このセットが今なら○○円!安いよ!買えよ!すぐ買えよ!」という広告が現れて、「あぁ、ソシャゲなんだなぁ」とウンザリします。
また悪魔合体も、ゲーム内で得られる「マグネタイト」という通貨が必要なのですが、できる悪魔が★4クラスになると急に値段が跳ね上がります。
★1は1桁、★2は二桁。
★3はいきなり高く4桁ですが、でもまだ払える。
しかし★4は6桁。★3の 100 倍とはどう言うことなのか説明して欲しい。
ハードルが高すぎて貯める気にならない。
合体ではなく、★3のレベルを最大にして★4に上げること(転生)なら普通に出来ます。
グレードは★3クラスですが、編成とスキルで十分に戦えます。
でも、ガチャを絞って、悪魔合体の方も主体にしたいのなら、その合体はもっと楽しめる作りにして欲しいのが本音。
「それでは儲からない」と思ってるんだろうけど、その辺もきっとこのストア評価に繋がってるんだろうなと思ってしまいます。
※悪魔合体は作れる悪魔からの逆引き検索もできます。
どれにするか、必ずスキルと属性耐性を見てから決めましょう。
合体結果は2体の「種族」で決まり、例えば夜魔+魔獣で妖精、妖精+鬼女なら女神といった具合。
右はやられたシーン。死神が「石を出せばコンティニューさせてやる」と言ってきますが…
やはりメガテンは、ここはお花畑と三途の川にして欲しかった…
巷には「3章から辛い」「4章から課金ゲー」「5章とか★5を引いた人しか遊べないクソゲー」みたいな意見がありますが、そんなことはない印象です。
そういう意見を見て、実際にどうなのか(チュートリアルで強制的に引かされたものを除き)一切ガチャをやらずにゲームを進めていますが、5章まで普通に遊べています。
確かにストレートに進めると3章でレベルが足りなくなるのですが、それはレベル上げすれば良い話。
問題は4章の後半から、★3の最高レベル以上の敵が出始めること。
こうなるとレベル上げだけでは対処できないので、転生で★4にして、最大レベルを上げる必要があります。
転生後はレベルが1に戻るため、再度のレベリングが必要になりますが、これはレベル上げ専用クエストもあるし、パワーレベリング(強キャラに戦わせて低レベルキャラの経験を稼ぐ方法)も出来るので、そこまで無理な話ではありません。
メガテンらしく高速で進行するオートバトルもあります。
ただ、開発側がソシャゲを、と言うかソシャゲユーザーを、甘く見ていたのはあるかもしれませんね…
もうちょっと彼らに配慮しないと、マネジメント的にはマズかった気もします。
とは言え、このゲームを担当している人は、きっとメガテニストでしょう。
ならばポチポチゲーにはできない。
だったらこの結果は、致し方ないのかもしれません。
私としては歯応えがあり、メガテンらしくもあって、とても良いと思います。
しかもグラフィックや演出、サウンドなどのクオリティーは本当に素晴らしい。
ファンとして満足できるソーシャルゲームです。
※Youtube 公式 PV
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