Battleheart 2
RTS SRPG
Mika Mobile(アメリカ)
価格 480 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2018/7/12
ジト目キャラの名作 RTS に続編登場
自動で戦う勇者ご一行に素早く指示を出し、次々と現れるモンスターを迎撃していく、2011 年に公開されたロングセラーの RTS・RPG「Battleheart」。
コアなファンが多いこの名作に、7年越しとなる続編が登場しました。
「Battleheart 2」です。
Battleheart には続編として作られていた Battleheart Legacy があるのですが、結局そちらは派生作となったので、こちらがナンバリングタイトルの「2」になっています。
内容は続編であることを意識してか、初代と大きく変わりません。
いわゆる正統進化であり、ストーリー重視であった Battleheart Legacy よりもカジュアルな作り。
1人で戦っていた Legacy とは違い、初代同様4人のキャラを指揮します。
リアルタイムのバトルで4人を操るため、かなり忙しいのですが、それがゲームの楽しさと言えるでしょう。
キャラが豊富で、様々なスキルと装備によって強化していける点も踏襲しています。
価格は 480 円。買い切りゲームであり、課金・スタミナ・広告等はありません。
バトルが始まると、周囲からゴブリンやスライムなどのモンスターの皆さんが現れます。
プレイヤーは味方キャラをドラッグして攻撃対象を指示。
命令を受けたキャラはテクテク歩いて行き、自動で戦闘を行います。
キャラには戦士系、魔法使い系、僧侶などがいて、戦士は敵と殴り合い、魔法使いは遠距離から魔法弾を射出、僧侶は味方を指定すると、そのキャラを回復し続けます。
敵が防御力のない僧侶や魔法使いに向かっている時は、そのキャラを逃がしつつ、戦士で援護しなければなりません。
このゲームには「ヘイト」があり、例えば僧侶に向かっている敵がいても、戦士で1発殴ればターゲットがその戦士に変わります。
キャラの中には敵のターゲット(ヘイト)を自らに集める挑発スキルを持つ者もいます。
スキルは各キャラに最大3つ用意されていて、一定時間ごとに発動可能。
電撃、吹雪、シールド、全体回復など様々。
敵が多い時や強敵との戦いでは、各キャラに次々と移動や攻撃の指示を出しながら、状況に合わせてスキルも使わないといけないため、前述したようにかなり忙しくなります。
各キャラは自動で戦ってくれますが、指示なしでは攻撃対象がバラバラになり、敵を倒した後に近くに他の敵がいない場合、立ち尽くしてしまいます。
回復魔法や弓攻撃を使うキャラは優先して狙う必要があり、ボス戦では攻撃回避の移動も必要。
急ぎつつも的確な指示を出していくことが大切になります。
※ナイトの War Cry は全体挑発。これで敵を引き付けて、Shield Wall で守るのが敵が多い時の基本。
さらにクレリックのヒールで回復してあげましょう。
※挑発を使わない場合はクレリックより、広範囲の回復を行えるバードが便利。
メンバーの相性を考えて編成しましょう。
ネクロマンサーは骸骨を召喚できるのでワラワラな戦いができますが、自身が低防御なのに接近戦型なのが難。
初代 はステージを順番にクリアしていく形式、Legacy はクエストを請け負ってダンジョンに向かう形式でしたが、今回は自動生成のステージを繰り返す形式です。
マップ上に報酬と難易度がランダムに決められたステージがいくつか現れ、そのうちの1つを選択。
クリアして報酬を得たら、また別のステージを選んで、この繰り返し。
ボスが現れる固定ステージがありますが、相応に強くならないと勝てません。
勝てる強さを得られるまでランダムステージで鍛える形ですね。
キャラクターは最初から 12 人用意されていて、自由に入れ替えられます。
盗賊、バード、バーサーカー、サムライ、ネクロマンサーなど、好きなキャラでパーティーを組むことができ、レベルは「パーティーレベル」になっていてキャラごとではないので、「使っていないキャラはレベル1」ということはありません。
ただ、スキルはアイテムの「本」を消費して習得する必要があり、これはキャラクター個別に用意されていて、スキルを覚えさせたキャラの方が強くなります。
装備もありますし、やはり使うキャラはある程度絞ることになるでしょう。
まずは一通り使って、誰をメインにするか決める必要がありますね。
※マップ画面。現れるステージは自動生成。
報酬にはスキルを得るための本、装備を買うためのゴールド、装備強化のためのクリスタルがあり、まずは本を集めてスキルを覚えたいところ。
※装備には +1 や +2 などのレアリティがあり、クリスタルでアップ(Enchant)させられます。
ただ、ゲームが進むと上位の装備が登場するため、初期の装備を強化し過ぎても無駄になるので注意。
相変わらず丁寧に作られていて、遊びやすいゲームです。
初代の Battleheart はキャラクターが重なって命令を出し辛くなる問題がありましたが、今作はキャラが互いに距離を置くような動きをしてくれるので、かなり操作しやすくなっています。
スキルも豊富で、3つのアクティブスキルを習得した後は 20 に及ぶパッシブスキル(タレント)を覚えられるようになっており、育成のし甲斐があります。
それでいてゲームは短いステージの繰り返しなので、手軽に遊べます。
グラフィックも大幅に強化され、親しみのある雰囲気と動きはそのままに、細密で見栄えのする絵になりました。
ただ気になるのは、物語性の無さ。
ストーリーシーンやイベントは皆無です。
似たような自動生成のステージを繰り返して素材と経験を稼ぎ、ボスに勝てるまで地道に強化するというその展開は、まるでソーシャルゲームのよう。
ストーリー重視だった Battleheart Legacy が重くなり過ぎたため、こちらはカジュアルに作ったのだと思いますが、ちょっとカジュアル過ぎて単調…
もうちょっと物語があってもいいのに、とも思ってしまいます。
まあ、Legacy は物語重視でセリフが多く、英語の長文が出まくるゲームで、日本人には非常に取っ付き辛かったので、それを考えると今作の方が遊びやすくて良いのですが…
※スキル(Talents)は最初は3つしか見えませんが、それを習得すると 20 のパッシブスキルが現れます。
習得数が増えるほど必要な本の数が上がっていくので、覚える順番に気を付けましょう。
※ボスキャラ、オークキング登場!
イベントの少ないゲームですが、ボスは手強く、多彩な攻撃を繰り出してきます。
前兆のある攻撃を出すため移動での回避を忘れずに。
昔ながらの Battleheart を今風にした、そつなく作られている模範的なゲーム。
もうちょっと拡張があっても… とも思いますが、複雑化は避けたのでしょうね。
キャラをガチャで手に入れるスタミナ制のソシャゲにも出来そうな作りですが、買い切りのままにしてくれているのが嬉しいところ。
スキルの詳細が英語なので、そこだけ解り辛さがありますが、タッチパネルにマッチしていて誰でも楽しめる、万人に勧められる作品です。
※Youtube 公式 PV
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- Battleheart(前作)
- Battleheart Legacy(派生作)
- Lost Frontier