レジェンド・オブ・ソルガード
パズル RPG
開発:Snowprint(スウェーデン)
販売:King(スウェーデン)
アプリ無料、課金・スタミナあり
レビュー公開:2018/8/22
King 版 M&M Clash of Heroes
マッチ3ゲーム(コマを3つ並べるゲーム)ではあるけれど、ズーキーパーやパズドラとは全く違う、ボードゲームのような思考性の高いシステムのファンタジーパズル RPG が、キャンディークラッシュでおなじみの「King」より公開されています。
「レジェンド・オブ・ソルガード」(Legend of Solgard)です。
このゲームは 2009 年に(海外の)DS で大ヒット、スマホでも 2017 年まで公開されていた、名作ファンタジーパズル RPG「Might & Magic Clash of Heroes」(以下 M&M CoH、配信終了)に非常によく似たシステムを持ちます。
忌憚なく言ってしまうと、模倣作です。
しかしそのまんまコピーしている訳ではなく、キャンディークラッシュのようなスタイルにアレンジされていて、高難度で時間もかかっていたオリジナルをすごく遊びやすく改変しています。
ホント King はこういうアレンジがうまい。
結果、原作の面白さと思考性の高さはそのままに、とても手軽に、延々とやり続けてしまうハマりゲームに仕上がっています。
ただ、じっくり考えながら進めていくゲームであるため、他の King の作品より難しく、「King のゲームはシンプルだからいいんだ」という人だと、ちょっと重く感じるかもしれません。
King 自身、このゲームを「カジュアルゲーム」ではなく「ミッドコアゲーム」と称しています。
つまり、ややコアゲーマー向けです。
アプリ本体は無料。ただし課金やスタミナがあります。広告はありません。
ガチャもありますが、必須とは言えません。
巷には「課金しないとすぐ進めなくなる!」みたいな意見が見られますが…
これについては後述します。
前述したようにコマを3つ並べていくゲームですが、既存のパズル RPG とは異なるルールです。
画面の下半分が自軍、上半分が敵のフィールドになっていて、自分のコマは下側に並べられます。
コマは各列の一番下のものを、1つずつ他の列に移せます。
要らないコマをダブルタップで消すことも可能。
そしてコマを縦に3つ並べると、それが合体して攻撃準備に入ります。
攻撃が発動するまでの時間はコマによって違い、すぐに攻撃できるキャラもいれば、数ターンが必要なキャラも。
基本的に時間のかかる方が、高威力か、何かの強い効果を持ちます。
また、コマを横に3つ以上並べると、最前列に防御壁が作られます。
このゲームは防御も無視できません。
1ターンに動かせるコマの数は3つまで。
コマは減った分だけボタンで補充できますが、この補充も1回の行動に含まれます。
行動が終わってターンが終了したら、準備が終わった合体コマは攻撃を開始!
攻撃はコマの「パワー」の分だけ、前方にいる敵を貫通していきます。
例えばパワーが 10 で、正面に耐久4の壁と、パワー3の合体した敵と、合体していない普通のコマが2つあった場合、壁は破壊され、パワー3の敵も倒され、普通のコマも1つあたり耐久1なので2つとも消滅します。
そして 10-4-3-1-1 なので、まだパワーが1つ残っていますが、その分は後方にある敵本体へのダメージになります。
敵本体の耐久力が 0 になれば勝利です。
行動と攻撃が終わると敵のターン。
M&M CoH とは違い、ストーリーモードの敵側はコマの並べ替えを行いません。
敵は湧き出るように現われ、常に攻撃準備状態で、待機時間が終わるとパワー分の攻撃を発動してきます。
主人公の HP はそれほど高くないので、敵の攻撃パワーを計算し、攻撃が終点まで貫通してこないように、貫通したとしてもダメージを最小限に抑えられるように、コマを配置していく必要があります。
※コマを四角に4つ並べると巨大キャラに変化! 2列に攻撃できます。
2列攻撃だとダメージ配分が解りにくいですが、2列のうち、途中でパワーを多く失っている方で到達距離や威力が計算されます。
右の画像だと、相手の攻撃力は 10、左の列は途中で合計8削られているので、本体に到達するダメージは2となります。右の列は計算に含みません。
※左は解りにくいですが、紫のキャラにシンクロボーナス +3 が付いているところ。
すでに合体しているキャラの後ろに同色のコマを2つ並べると「融合ボーナス」、同じ色の合体キャラが2つ以上、同時に攻撃する場合は「シンクロボーナス」が付きます。
ただし巨大化も含め、ボーナスがどれだけ付くかはキャラによって違います。
将棋のように、じっくり次の手まで考えながら配置していく必要がありますが、King のゲームですから序盤はそんなに難しくありません。
むしろサクサク進みます。
ステージをクリアすると、キャラクターをアンロック&強化できる「カケラ」や、スキル強化用のパウダーなどが手に入ります。
キャラを手に入れるにはカケラを大量に集める必要があり、最初はウンザリしますが、カケラはゲームの進行やログインボーナス、ミッションの達成などで頻繁に得られます。
ガチャやイベントでしか手に入らない訳ではないので、無課金でも相応に集まります。
また、キャラにはレアリティがありますが、上位レアの方が強いとは限りません。
この辺はトレーディングカードゲームのような感じで、どのキャラも使い方次第。
上位レアは育て辛いので、たとえアンロックできても、当面は使いやすくて育てやすい初期キャラの方がメインになるでしょう。
強力な砲台があったり、弱い敵が多数現れるなど、ステージにはかなり特色があるので、それに合わせたキャラを使うことも時には必要です。
巨大ボスが登場するステージもあり、その際にはイベントシーンも流れます。
※キャラクターリスト。それぞれ固有のスキルを持っていて、どう活用するかも攻略のポイントになります。
リストはレアリティ順ではないので注意。レアリティは台座の色で判別して下さい。
序盤に加盟するグリムガードやナイトマギは初期キャラだしリストの一番上なので、レアリティが低そうですが、実はレアです。
ナイトマギはそのままでは非力ですが、融合やシンクロで大きくパワーアップするキャラです。
※大サイズのボスキャラ登場! 固有の厄介な攻撃を行ってきます。
動き回るため、攻撃場所をそれに合わせて変えなければなりません。
次に移動する先が四角い枠で示されているので、それを参考に計画を立てましょう。
ストアレビューで批判があるのは、ある程度ゲームが進んでからの難易度について。
キャンディークラッシュは普段ゲームをしないライトユーザーや、高齢者にもウケが良かったアプリですが、そうした方には今作は難易度が高く、システムも複雑です。
なので同じように考えていた方から「すぐ行き詰まる!」という意見が出ているようです。
そして難点というか、ルール的に厳しいのが、クリア済みのステージを再クリアしても得られるものが乏しいこと。
敵が強くて倒せない時でも、クリアできるステージで経験値を稼いだり、素材を集めたりすることができません。
やられた場合は何も得られないので、行き詰まるとそのまま進めなくなってしまいます。
ある程度レベルが上がるとカケラやお金を稼げる特殊ステージをプレイできるのですが、これも数回やったら翌日までプレイできません。
結果、ログインボーナスなどで細々と経験や素材を得るしかなくなってしまいます…
特にステージ 60~70 の間が山場で、急に難易度が上がります。
ここで完全に行き詰まり、「課金やガチャをしないと進行不可能だ!」と言っているストアレビューが散見されます。
一応、私は無課金でステージ 75 まで到達しているので、課金しないと進めないということはありません。
ここまで来れば(レベルが8になれば)少なめの待ち時間で他プレイヤーのキャラクターと戦える「アリーナ」がオープンするので、そちらで継続して遊ぶこともできます。
しかしそれでも、ステージ 60 からの難易度は厳しい印象。
キャンディークラッシュもそのぐらいからリトライ前提のステージが出てくるので、それと同じぐらいのバランスではあるのですが、こちらは運に加えて戦略も必要、さらに育成とガチャもあるので、これでは行き詰まる人や、ガチャゲーだと騒ぐ人が出るのは避けられないかな、という気がします。
※マップ画面は 3D で綺麗です。ちょうど画像のあたりが問題の Stage 60~70。
スタミナ回復が遅いのも難点で… しかも回復に必要な課金通貨が 250 なのに、最低課金額の 240 円では 200 しか通貨を貰えない。これではなおさら課金し辛い…
ただスタミナの減少が変則的で、スタミナが8減るステージの場合、開始時に4、クリア時に4減ります。
よってクリアできなかった場合は4ですみ、ここはちょっと良心的。
※特殊ステージ、お尋ね者のハンティングとヒーローアリーナの様子。
これらは敵と味方が同じルールで戦います。
つまり相手もコマの配置替えを行って、3つ並べて攻撃を準備します。
元祖 M&M CoH はずっとこのルールでした。
私は M&M CoH が好きだったので、こちらもかなりハマっています。
King のゲームの中では一番好きですね。
正直「また King がパクったのか」という思いもありますが…
しかしオリジナルは iOS11 で動作しなくなり、すでにアプリストアからも消されています。
もはや復活は考えられず、他に似たシステムのゲームもないため、それがこういう形であれ再び遊べるようになったのは、プレイヤーとしては嬉しいことです。
グラフィックも綺麗で、演出もハイクオリティー。
キャラクターはいかにも欧米的で、日本人ウケするデザインではありませんが、これはこれで味があります。
今までの King のゲームとはちょっと違う、オススメのミッドコアゲームです。
※Youtube 公式 PV
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