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テクテクテクテク レビュー

テクテクテクテクテクテクテクテク
位置情報ゲーム(位置ゲー)
ドワンゴ(日本)
本体無料、アイテム課金型
レビュー公開:2019/3/8
iPhoneAndroid

※このゲームは2019年6月17日に運営終了することが発表されました。公式発表は こちら を。

ドワンゴが赤字8億円くらいをお知らせします

2019年2月13日、カドカワが2018年4月~12月期の決算を発表し、ドワンゴのゲーム事業が売上げ900万円、経費8億600万円という大赤字になっていることを公開しました。
実にマイナス7億9700万円

これを受けてカドカワグループは再編を余儀なくされ、ドワンゴの社長さんは取締役に降格、ドワンゴ自体も子会社から孫会社へと格下げされることが決まりました。

カドカワ 2019年3月期 第3四半期決算資料 一部
カドカワ 2019年3月期 第3四半期決算資料より

そして「電ファミニコゲーマー」はファミ通、電撃、ニコニコ動画の協力で立ち上がったゲームメディアですが、ドワンゴ内に編集部があるため、今後どうなってしまうのか非常に心配です。
よって電ファミに記事を載せてもらっている、私の今後も極めて心配です。
あーもう、どうなるんだコレ。もう死にそう。

そして気になるのは、大赤字を出してドワンゴの息の根を止めんとしている、喉に詰まったモチのような扱いのそのゲームが、一体どんなものかということ。
今回はその位置情報ゲーム『テクテクテクテク』を、震える手でレビューしたいと思います。

テクテクテクテク

このゲームは2018年11月末に公開されたのですが、私はその時点ではスルーしました。
理由は…… 田舎者だから。

基本的に「位置情報ゲーム」、俗に言う「位置ゲー」は、「都会人の、都会人による、都会人のためのゲーム」です。

例えば有名な『ポケモンGO』は、「ポケストップ」と呼ばれるチェックポイントでボールを受け取り、それを使って周辺に現れるモンスターを捕獲しますが、田舎にはポケストップなんてほとんどありません。
だからボールを得られないし、ポケモンも出てこない。田舎ではポケモンも過疎です。

「位置ゲー」は『ポケモンGO』や『イングレス』以外にも色々あり、今いる土地に応じた特典をもらえるものや、移動距離に応じてポイントを得られるものなどがあります。
しかし特典をもらえる土地は都心部に集中している場合が多く、移動距離は通勤/通学先が近所の人だと厳しい。
生まれながらの地域格差や不平等を痛感するアプリ…… それが「位置情報ゲーム」です。
えぇ、田舎者の僻みが多分に含まれているので、話半分で聞いて下さい。

しかし今回取り上げる『テクテクテクテク』は、田舎者にも人権があります。
この作品は「地図を塗りつぶしていくゲーム」であり、特定の場所を巡るものではないため、チェックポイントの有無や、土地ごとのボーナスといったものはありません。
東京なら東京を、鳥取なら鳥取を、群馬ならグンマーの地図を塗りつぶしていく内容で、そこに格差はありません。

同じ位置ゲーでも『ポケモンGO』や『イングレス』とは全く違うゲームだと思って下さい。
同じだと思っていた私が偉そうに言うのも何ですが。

アプリ本体は無料。課金はありますが、無理に課金が必要な内容ではなく、ガチャもありません。
課金通貨は主にアイテム所持枠の増加や、塗りつぶせる範囲を拡大するアイテムの購入などに使用します。

開発にはチュンソフトの方々が加わっていて、代表の中村光一さんがプロデューサーを、『不思議のダンジョン』シリーズの創出者である麻野一哉さんがディレクターを務めています。

テクテクテクテク

ゲームを起動すると、現在地の周辺の地図が現れます。
そしてプレイヤーを中心とした「円」が表示され、その中に入っている「街区」(道で囲われている範囲)が水色に光ります。
それをタップすると、その街区が「ファンタジー化」されます。
ゲーム内では「塗る」と表現されています。

プレイヤーは移動しながら、近隣の街区をどんどん円の中に納め、タップで塗りつぶしていきます。
街区は一部が円に含まれていれば塗ることが可能。

塗った街区は緑化され、森や花畑に変わります。
しばらく経つと草木が生え、タップで回収すれば回復やゴールドを得られます。

テクテクテクテク マップ塗り
※最初はマップは灰色一色。周辺をタップして緑化していくと、豊かな土地に変わっていきます。
3D 表示中は画面スライドで視点を動かせ、二本指でスライドすればスクロールさせられます。

塗った街区にはモンスターも現れるようになり、タップでバトルを行えます。
フリックで攻撃し、長押しでガード。
ガードはしばらく経つと解除されるので、相手の攻撃がヒットするタイミングで行わなければなりません。
ただ、負けても特にペナルティはなく、少し回復の手間がかかるだけです。

バトルに勝つと経験値がたまってレベルアップし、HPや攻撃力などが上がりますが、強くなってもマップの塗りつぶしが有利になる訳ではありません。

しかし塗りつぶしていると「プレイヤーランク」が上昇し、一定値になるとボスが登場。
こうなるとボスを倒さないとランクアップできなくなるため、勝てる強さが必要になります。
ランクを上げないと一部の機能やショップを活用できないため、ずっと無視することはできません。

また、マップ上には超巨大な小林幸子やゴジラ、エヴァンゲリオンの使徒など、ニコ動文化的なボスキャラクターがうろうろしています。
生半可な強さでは返り討ちに遭いますが、こういう巨大キャラがたくさん目に付くため、倒せるように強くなりたいと自然に思うようになりますね。

テクテクテクテク バトルシーン
※戦闘はフリックバトル。大きな敵はフリックしまくれば良いですが、小さな敵はちゃんと相手を斬らないと空振りになります。動き回る敵もいるので注意。
ガードのタイミングは敵の攻撃モーションがわからないと難しい。
強敵と戦うときは、まず相手の攻撃がどのタイミングでヒットするのかを観察し、二戦目から本気を出しましょう。
HPは敵を倒せば回復するので、薬を使うより瞬殺できるザコを倒した方が良いです。

地図を塗ったり、バトルに勝利すれば「宝箱」を得られることがあります。
これは最近のスマホゲームによくある時間制の宝箱で、開けるのに待ち時間が必要。

高級な宝箱だと8時間も必要ですが、解錠枠は4つしかなく、開けきれなかった宝箱は24時間で消滅してしまいます。
すぐに開けられる鍵や、追加の解錠枠などが販売されていますが、もちろん課金通貨が要ります。

正直、私はこの時間制宝箱のシステムは好きではないのですが……
ただ、宝箱はどんどん得られるので、無駄になってもそれほど勿体ないという感じはしませんね。

宝箱から得られるのは回復アイテムや素材アイテムで、素材は「ドリップ」というアイテム変換を行うと武器や防具に変わります。
何になるかは運次第ですが、装備もドリップ可能で、「石の短剣」を集めてドリップすれば「石の短剣+1」に強化されるので、同じものが当たっても無駄にはなりません。

装備やアイテムはショップでも(課金通貨ではなくゲーム内のゴールドやポイントで)購入できるのですが、こちらは武器屋や防具屋がある街区を塗りつぶし、ショップのレベルを上げなければ商品が増えません。

ショップは主にファミレスやガソリンスタンド、集会所や公共施設のある場所に存在していて、一定の距離ごとに散りばめられています。
『ポケモンGO』のように登録されている場所にしかない訳ではなく、田舎にもあるのでご安心を。

テクテクテクテク アイテムドリップ
※アイテムは、マップから宝箱をゲット → 宝箱から素材をゲット → 素材を集めてドリップ → 装備ゲットという流れ。ややわかりにくさがあります。
倒したモンスターもドリップでき、アクセサリなどを入手できます。

テクテクテクテク ショップ発見
※マップ上で武器屋と鎧屋を発見! これらを見つけることでショップレベルアップ。
ショップの種類はそこにある施設によって決まっていて、およそ以下のようになっています。
道具屋:町内会館、集会所、公民館、ガススタなど
武器屋:市役所、病院、駐車場、博物館、お城など
盾屋:ゴミ処理場、浄水場、警察署など
鎧屋:銭湯、市場、観光名所など
アクセサリー屋:美術館、結婚式場、百貨店など
オーブ屋:武道館、体育館、ボウリング場など
TTP屋:ファミレスなど
田舎だと道具屋ばかり見つかりますが、施設があるだけでもマシ。

どんどん陣地を広げていく「征服ゲーム」と言え、見知った町並みを支配していくのはやはり楽しいです。
同じ場所の往復ではあまり意味がなく、常に新しい場所に向かう必要がありますが、普段行かない土地に行ってみたいと思わせてくれるアプリですね。

しかし「歩くのめんどいんだよ……」「ゲームのためにわざわざ出かけてられるかよ……」という人も多いでしょう。
「歩きスマホを誘発するじゃないか! まったく今どきの若者は(以下略」と憤る人もいそうです。

その対策として、このゲームには「となりぬり」「よやくぬり」のシステムがあります。

「となりぬり」はポイントを消費して、すでに塗っている街区のとなりを現地に行かなくても塗ることができるもの。
ポイントは戦闘や回収で得られ、「戦って、塗って」を繰り返せば、全く動かずに陣地を広げていくこともできます。
塗り残っている小さな街区や、立ち入りが困難な地域も塗り潰していくことができ、このゲームには必須のシステム。

「よやくぬり」は移動経路上の街区を「予約状態」にして、後から塗れるというもの。
ちょっと歩いては立ち止まり、周囲を塗ったらまた歩く、ということを繰り返す必要はなく、目的地に到着後、その途上にあった街区を時間のある時にゆっくり塗っていくことができます。
よって歩きスマホは、その必要がありません。

この「よやくぬり」のおかげで、車の移動でも陣地を広げていくことができます。
むしろ「テクテクテクテク」ではなく、車で「ブーブーブーブー」してた方が、広範囲を高速に予約することができます。
田舎は車がないと生活できませんが、その田舎の自動車ライフに完全対応。

電車で「ガタンゴトントン」してもOK。
沿線をガンガン塗っていけます。
ただ新幹線だと速すぎてデータ更新が安定しない&トンネル多過ぎで、受信がとびとびになってしまいますが。

テクテクテクテク となりぬり、よやくぬり
※すでに塗った場所のとなりを塗れる「となりぬり」(画像左)と、通過済みの場所を後から塗れる「よやくぬり」(画像右)を実行しているところ。
このように平面地図で塗ることもできますが、3D地図で通った場所をなぞりながら「あぁ、あそこに行ったなぁ」と思い出しながら塗るのも楽しい。
「よやくぬり」の実行にはランク3が必要ですが、近所を少し塗ればすぐに条件を満たせます。
予約状態は24時間保持されます。

テクテクテクテク ご町内フィニッシュ
※ひとつの町内をすべて塗りつぶすと「フィニッシュボーナス」を獲得できます。
これはログインボーナスの増加となり、TTP(塗りポイント)やゴールド、経験値などを毎日得られるようになります。
町の大きさは地域によって異なり、中には5個ほどの街区のみで構成されている小さな町も。
そうした町が密集しているところで塗りまくれば、ログインボーナスをガンガンゲットできます。
ただ、すごーく見つけづらい小さな街区や、細い街区が生成されていて「全部塗ったのに100%にならない!」というケースもたまにあります。
まだ塗っていない近くの街区をサーチできる機能が欲しいところ。

さて、そんな『テクテクテクテク』ですが、なぜこうなったのか?
何が悪くて私の生活を、もといドワンゴをピンチにしてしまったのでしょうか?

いくつかありますが、大きいのは「ポケモンGOの大ヒットによる"位置ゲー"の先入観」でしょう。
『ポケモンGO』があれだけ社会現象になりましたから、多くの人が「位置ゲー=ポケモンGO」だと考えても仕方がない。

私が「位置ゲー」だと知った時点で「あ、田舎は蚊帳の外ですね」と思ったように、多くの人はこれを「ニコ動のぁゃしぃ"ポケモンGO"」だと思ったはず。
『ポケモンGO』のブームがすでに落ち着いている状況でそう思われたら、誰も手を出さない。

実際には異なる内容なのですが、テレビCMなどを見ても、それは伝わって来ません。
そもそもこのゲームのCM、巨大小林幸子や巨大水着美女、ポプテピピックなどが出てきて、イロモノ感がハンパない……。

その悪ノリ感がニコ動の良さでもあるのですが、現在(2019年2月)は巨大な萌えキャラ(Vtuber)と高須院長がマップ上をうろついていて、サブカルに興味のない人だと「なんだこりゃ」となりそうです。

ゲームのメインがマップの塗りつぶしであり、バトルはどちらかと言うとサブなので、課金してまで強くなりたいと思わない、というのもありそうです。
戦いが中心にないゲームでの課金誘導は難しい。
とは言え、課金しないとマップが塗りつぶせないゲームになったら一気にクソゲー化しそうですが。

公開日が悪かったという意見もあります。
11月末、極寒の時期に位置ゲーを発売です。
寒くて外に出てられねぇ。北海道民とか死ぬわ。

App StoreやGoogle Playのレビューは、12月6日に行われたアップデートの批判であふれています。
それまで無課金でも貰えていた課金通貨の量が、大幅に減らされたからです。
最初は良かったのに、課金しないと不便になる改悪を後から行って、ユーザーにそっぽを向かれるとか、まるで某ネット動画サービスのような…… って、さすがにクビになりそうなので言うのはやめとこう……。

まあこの点については、11月末に公開され、問題のアップデートが12/6ですから、その優遇されていた期間は公開当初の一週間に過ぎず、今となっては今さらの話ではあります。

「動かない」や「すぐ落ちる」といった本体スペックに起因するトラブルの苦情、さらに「バッテリーがすぐ尽きる」や「データ通信量が多い」といった通信の苦情も多いですが、これは『ポケモンGO』なども同様で、GPS機能を使う位置ゲーの宿命でしょう。
特に多様な機種があるAndroidで苦情が目立ちますが、一概にアプリ側の問題とは言えなさそう。
iPhoneは「6s」以降が対象で、それ以前の機種では満足に動かないので注意して下さい。

当方の「iPhone XR」では、落ちるなどのトラブルは一度も生じていません。
データ通信量は、1時間ほどのプレイで40MB~80MB(0.04GB~0.08GB)ほど。
『ポケモンGO』は1時間で10MB~20MBと言われているので、それと比べると確かに多い。
プレイスタイルにもよると思いますが(車で走っていたのが原因かも)、契約プランが1GBの人は注意しておく必要がありそうです。

テクテクテクテク 高須院長&田中
※札束で殴りかかる巨大高須院長と、コマネチ攻撃を発動中の巨大VTuber田中。
この独特なコラボキャラを受け入れられるかが最初のハードル?
基本的にニコ動ユーザー向けだと思いますが、これらが表に出ていると、ちょっとユーザーを選別するよなぁ……。アイコンの絵も少し不気味。

テクテクテクテク AR写真機能
※AR機能を活用し、巨大キャラを現実の風景に重ね合わせた写真を撮れるのも、このアプリのウリのひとつ。
撮影時はキャラは風景の手前にいて、撮影後に写真の解析が行われ、キャラが風景の奥にいる写真が生成されます。
撮影前にスライダーでキャラの位置と大きさ、全体のズームを調整可能です。

位置情報ゲームとしては、決して悪くありません。
むしろ田舎者にとっては、明らかに『ポケモンGO』より楽しめます。
巷の報道でも多くの記事に「ゲームのユーザー評価は高い」と書かれています。

ただ、儲かっていない。

当初は50億円の売上げと、25億円の利益を見込んでいたそうですが、どんな皮算用だったのか。
まさに第二のオプーナ爆誕。
とは言え『ポケモンGO』や『イングレス』もそんなに課金圧力の高いゲームではないので、後発なのに課金ゲーにする訳にはいかなかったのもあるでしょう。
11月末の公開で、発表されたカドカワの決算は4月~12月期なので、売上げの集計期間は1ヶ月しかなく、それも関係していそうです。

ともあれ、ゲームは新機軸の位置ゲーとして面白いと思います。
この状況では運営がいつまで続くかわかりませんが、新しめのスマホを持っている人は試してみても良いでしょう。
と言うか、どうかプレイして下さい。ドワンゴを救って下さい。私が路頭に迷うので。

※このゲームは2019年6月17日での運営終了が発表されました。

the Sequence [2]テクテクテクテク(iOS、App Store)

テクテクテクテク(Android、Google Play)

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