クラウンテイカーズ
ローグライク、シミュレーション RPG
開発:Bulwark Studios(フランス)
販売 / 翻訳:Chorus Worldwide
480 円、アプリ無料だが無課金では序盤のみ
レビュー公開:2017/3/3
自動生成の世界を旅するターン制ローグライク
クーデターで捕らえられた王様を救うため、その息子の1人となって王都への旅を続ける、ターン制のローグライク RPG が公開されています。
「クラウンテイカーズ」(Crowntakers)です。
「FTL の RPG 版」とも言われる作品で、ランダムなイベントが起こる自動生成のフィールドを、シミュレーション RPG の戦闘を繰り返しながら進んでいきます。
FTL より難易度は低めですが、歯応え十分で、かなりクオリティの高いローグライクですね。
2014 年に Steam で初公開、iPad でも 2015 年に公開されたのですが、初期版はメッセージが英語のみで敷居が高く、安定性も低くてすぐ落ちてしまい、特にスクリーンショットを撮ると 100 %落ちる有様で、激しくレビューし辛かったのでスルーしていました。
しかし先日、新バージョンが別アプリとして公開され、日本語に対応。
安定性も改善され、iTunes レビューにはまだ落ちるという意見が見られますが、当方で iPad Air で試した限りでは問題なく最後まで遊べています。
アプリ本体は無料。
ただしそのままでは序盤しか遊べず、最後まで遊ぶには 480 円の課金が必要になります。
スタミナや広告はありません。
ステージや仲間を追加する拡張パックの導入課金が 360 円で用意されています。
フィールドは六角形のマスで構成されていますが、移動できるのは道の上のみ。
進行方向をタップすると、建物や分かれ道にたどり着くまで自動で進みます。
建物や洞窟では様々なイベントが発生します。
廃墟や洞窟なら探索すれば、何かが見つかるかもしれません。
民家なら商人がいて、何かを売ってくれるかもしれません。
しかし盗賊の隠れ家になっていたり、公爵軍が待ち構えていることもあります。
何が起こるかはランダムです。
また、あまりノンビリしていると、敵が守りを固めて強くなってしまいます。
道は自由に移動でき、戻ることも可能。
探索は時間をかけて探した方が、多くのアイテムを見つけられます。
しかしそうやってダラダラ進んでいると、後半に苦戦することになるでしょう。
敵に遭遇すると戦闘シーンに突入。
戦闘も六角形のマスで区切られたフィールドで行います。
ターン制のバトルで、各キャラクターが2つの行動力ポイントを持ち、1ターンに移動や攻撃を2度行えます。
よって移動2回や、攻撃2回も可能。
敵を倒すと行動ポイントが1回復します。
味方全員が行動を終えると敵のターンに。
そして重要なのは、行動する時に複数の敵と接していると「割り込み攻撃」を受けるルール。
例えばAとBの敵に隣接し、Aの敵を攻撃すると、その攻撃前にBの敵から横やりの攻撃を受けます。
また攻撃が回避されると相手の反撃を受けるため、運が悪いと連続でダメージを受けてしまいます。
各キャラクターは「スキル」を持ち、射程内で動いた狙撃する「監視」、敵を待ち構えて回避率アップ+必ず反撃する「迎撃」などの防御用スキルもあります。
これらのルールとスキルの影響で、このゲームは攻めるより守る方が有利。
「移動 → 攻撃」よりも「敵が来るのを防御スキルを使って待ち構え、やって来た敵を攻撃×2」の方が強いですからね。
このゲーム特有の戦法が解ってくると、強敵にも立ち向かえるようになり、さらに面白くなってきます。
※小屋の探索イベント。2時間探すか、9時間探すか・・・
ゲーム序盤に時間をかけると後々辛くなりますが、しかしゲーム序盤こそ味方が弱いので強化アイテムが欲しいところ。
慣れないうちはしっかり探した方が良いと思います。
※こちらは「休む」を選んで休憩しているところ。
戦闘していると疲労度が貯まっていき、腕力や命中率が落ちるため、たまに休息が必要です。
仲間は各ステージの入口にある宿屋で雇用できるので忘れずに。
現時点(2017/3)ではバグがあって、休息で HP が回復する枕を持っていると #ERROR! と表示されてしまいますが、ゲーム的には問題ありません。
※戦闘はこんな風に、陣形を組んで守るのが基本。弓兵は「監視」を。
敵は体力のないキャラを狙うので、それを読んで割り込み攻撃できる配置にするとなお良。
敵を倒すと経験値とアイテムを得られます。
通常の消費アイテムの他に、売却用・素材・ルーン・薬などがあり、ローグ系ですからこれらの使い方が攻略のカギを握ります。
特に薬は戦闘中に行動ポイントを消費せずに使えるので、ボス戦のためできるだけ確保しておきたいところ。
素材は鍛冶屋で武器や防具を強化するのに使えますが、強化してもすぐに強くなる訳ではありません。
強化すると「ルーン」の装着枠が増え、ここにルーンをセットして初めて強くなります。
ルーンには「腕力アップ」「回避力アップ」などの他に、「攻撃が外れない」「移動がワープになる」といった特殊なものもあり、どれを使うかが重要。
特に重要なのが防御ポイントで、これがある間はどんな攻撃を受けても、防御が1減るかわりに HP は減りません。
ゲームが進むと敵も防御を持つため、戦いはその削り合いから始まります。
経験値が貯まると主人公や仲間がレベルアップ。 好きなステータスを1つ高められます。
そしてゲームモードには「イージー」と「ノーマル」があり、イージーなら次回以降のプレイにレベルを引き継げます。
よって苦戦している人でも、何度も繰り返していれば着実に先に進めるようになるでしょう。
各ステージで待ち受けるボスも、倒したら倒されたままになります。
ノーマルは本来のローグライクらしく、プレイ毎にレベルは1から。
ボスも毎回登場します。
ただ、主人公や仲間は特定の条件を満たすと、スキルやステータスが異なる「別のタイプ」を選ぶことができ、この点はノーマルでも引き継げます。
よってイージーで新タイプの主人公をアンロックすれば、ノーマルでも使用することができます。
※鍛冶屋での強化画面。 素材はレベル1用、レベル2用があり、レベル1の素材をどんなに集めてもレベル2には出来ませんので悪しからず。
ルーンは入れ替え可能なので、付けられるならとりあえず付けておきましょう。
アイテムの売却は商人と会っている時にアイテムを選び、握手マークのボタンを押します。
※各キャラクターには3つのタイプがあり、アンロック条件は雇用時、及びタイトル画面で「傭兵」を選ぶことで表示されます。
主人公とハルファラス(弓兵)の2つ目のタイプは3連続攻撃を持っていて、相手の防御を削るのに有効。 まずはこれが使えるようになるのを目指しましょう。
FTL と同じくエリアは8つ。 1プレイは3時間ほど。
前述したように FTL よりは簡単で、楽勝すぎて退屈という訳ではありませんが、何度も繰り返して経験を積み、プレイを最適化していかないと攻略は困難・・・ というほどではありません。
ローグ系としてはもうちょっと難しくても良かったかな、とも思いますが、でも FTL とか Binding of Isaac みたいに難しいのも人を選びますしね・・・
遊びやすく、しっかり作られたローグライクです。
日本語化されてイベントも解りやすくなり、より楽しめるようになりました。
内容を考えると 480 円という価格もお得で、オススメできるアプリです。
・クラウンテイカーズ(Android、Google Play)
・Crowntakers(PC 版、Steam へ)
※Youtube 公式 PV
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