ファイトリーグ
ソーシャルゲーム オンライン対戦ボードゲーム
XFLAG / Mixi(日本)
アプリ本体無料、課金・ガチャ・スタミナあり
レビュー公開:2017/7/2
モンスト開発スタジオ XFLAG の新対戦バトル
瀕死のミクシィを復活させ、ガンホーやコロプラと並ぶスマホゲームの「御三家」にまで引き上げた、大ヒットソーシャルゲーム「モンスターストライク」。
そのモンストの開発 / 運営チームが 2015 年の夏、XFALG というスタジオになっていました。
ミクシィ本体はネット関連の会社なので、別のブランドを立ち上げたようです。
そしてその XFLAG が掲げた「バトルコンテンツ」の新ゲームが、先日ようやくスタートしました。
「ファイトリーグ」(Fight League)です。
手持ちのコマをマスの上に置いて、敵のコマを攻撃しながら、相手リーダーの HP を削っていく、どうぶつ将棋のような外見のボードゲーム。
ただしコマを動かすことはできず、手駒を打つのみで進行します。
ガンホーの「サモンズボード」にやや似ていますが、コマを動かせないため、プレイ感はかなり異なりますね。
そして最大の違いはオンライン対戦が中心になっていること。
業界大注目の作品と言えますが、巷の意見は賛否両論で、iTunes / Google Play 共に5段階での評価は 2.5。
私的には十分に面白いと思うのですが、ゲーム内容がモンストとは大きく違うため、似たものを期待していて「アレ?」となった人が多いようです。
さらに対戦ゲーム特有のバランス問題、育成要素の乏しさ、テンポの悪さ、キャラの幼稚さ、ゴチャゴチャな世界観、リアル知人でないと組み辛いコンビシステム、そしてアプリが不安定で落ちること・・・
確かに批判を受けそうな要素が満載です。
先に言っておきますが、これはパズドラやモンストのような「ソシャゲ RPG」ではありません。
オンライン対戦がメインで、その対戦自体を楽しむ e-sports 的な「ソシャゲ対戦バトル」です。
ここを間違っていると「コレジャナイ」となるのでご注意を。
基本的にはソーシャルゲームなので、アプリ本体は無料ですが、当然ガチャや課金があります。
スタミナもありますが、頻繁にプレイヤーレベルが上がって回復し、1プレイも相応の長さなので、まだスタミナが気になったことはありません。
バトルが始まると、横3マス・縦4マスで構成されたゲームボード(フィールド)が現れます。
そして互いの「リーダー」のコマが1つ配置されます。
これが倒されると負けになります。
自分のターンのプレイヤーは、ボード上に手持ちのコマ(ファイター)を1つ配置します。
空いているマスならどこに置いても良く、いきなり敵リーダーの目の前に配置しても構いません。
コマには攻撃方向を示す矢印が書かれており、配置後にその方向に攻撃が行われます。
複数の敵が攻撃範囲にいるなら、その全てを攻撃できます。
配置と攻撃が終わったら敵のターンになり、後はこの繰り返しですが・・・
通常、1ターンに配置フェイズが2回あり、1つ目のコマを置いて攻撃した後、さらに2つ目のコマを置いて攻撃できます。
(先行の1ターン目のみ1度しか置けない)
ただ、候補となる手駒は1回の配置フェイズで、2つしか提示されません。
(先行の1ターン目のみ4つの中から選択可能)
デッキ(山札)に含められるファイターは8体で、その中の4つがランダムに選ばれ、1回目と2回目の配置の候補となります。
二者択一なのであまり自由には選べず、何が出るかは運も絡みますね。
そして配置したコマの攻撃先に敵がいたらダメージを与える訳ですが、味方がいた場合は「リンク」が発生します。
リンクするとそのコマも攻撃を行い、さらにその先に別の味方がいると、またそのコマも連鎖で攻撃を行います。
この連続攻撃を「チェイン」と言います。
配置済みのコマに攻撃させるにはリンクやチェインが必要で、そして大連鎖を作れば多くの敵を一掃したり、敵リーダーに大ダメージを与えることが可能。
1つ目のコマを配置するとき、2つ目のコマの候補が見えているので、ボードの状況も加味し、どこに置けば効率よく攻撃できるのか考えなければなりません。
ただ、TCG(トレーディング カードゲーム)の如く、配置したコマは置いた端からどんどんやられていきます。
敵をできるだけ処理していかないと大連鎖で一気に勝負を決められるため、なかなかボード上には残りません。
よってそう簡単に大きなチェインを繋げることはできませんね。
ファイターには攻撃方向の他に、攻撃力と HP があり、基本的に攻撃力が高いと HP がなく、攻撃力も HP も高いと攻撃方向が少なめです。
高 HP 重視にして生き残り&チェイン重視にするか、高火力キャラを集めて速攻を狙うか、その辺のデッキ構成も重要になります。
また、ファイターには「スキル」を持つ者もいて、味方を強化したり、地雷を置いたり、その場でダメージを与えるなどの効果が発生します。
これの活用も勝敗を分けますね。
※コマをボード上に持っていくと、そこに配置した時にどんなリンクが発生し、どのぐらいのダメージを与えられるか確認できます。
ただ、一手 20 秒ほどの制限時間があるので、あまり悠長に考えることはできません。
短射程と長射程のキャラがいて、長射程は遠くの敵を攻撃可能、貫通も発生し、チェインにも便利ですが、攻撃力は低めです。
※ボード上は 3D で描かれており、攻撃時にはアップになる演出が行われます。
また、派手な実況があって「おぉーっと、特大チェインで大ダメージだ! 会場がどよめいている!」みたいなセリフが流れ続けます。
右はリーダーの必殺技(FB)が発動したシーン。ある程度のダメージを受けると使用可能に。
またリーダーは将棋の王将のように、全方位に攻撃できます。
バトルにはコンピューターとの勝ち抜き戦「ファイト7」、特定の時間に開催される「イベント」、そしてオンライン対人戦の「リーグ」と「フリー」があります。
もちろんゲームのメインとなるのは「リーグ」です。
リーグは最初、その地域の市町村、例えば横浜在住なら「横浜市Dリーグ」からスタートします。
ただ、必ず横浜の人とマッチングされる訳ではないので、地域名にあまり意味はありませんが…
そして対戦に勝利することでポイントが貯まり、それに応じてCリーグ、Bリーグと昇格。
Aリーグのさらに上になると「神奈川県」のDリーグにステップアップします。
その後、さらに日本リーグ、世界リーグを目指して戦っていくことになります。
リーグに勝利することでファイターも獲得できます。
また、もし負けても最後まで勝負していた場合は「センス」のストックが増えて、次に獲得したファイターにそれがプラスされます。
センスが貯まってランクアップしたキャラはクリティカル発生率がアップします。
ユニークだと思ったのは、たまに格上の相手とマッチングされることがあるのですが、それに勝てると「大番狂わせボーナス」を得られること。
普通は格上と無理やりマッチングされると「フザケンナ」と思いますが、このシステムならやる気になれますね。
コンピューター戦の「ファイト7」も、連勝することで報酬を得られます。
最大7連戦するのですが、後半はかなり手強くなるので、コンピューターとはいえ歯応えはあります。
※強すぎるという意見があったためか、アップデートで弱くなりました。
また、数時間ごとに発生する「イベント」も特殊な強さのコンピューターとの戦いで、勝つとレアキャラを得られます。
※バトルはこの4つ。「リーグ」で勝利すればランクポイントを獲得できます。
ただし負けると下がるので、連敗すると降格もあります。
リーグは一定期間で集計となり、報酬が与えられた後、指定のランクから再スタートします。
ただしこのゲーム、冒頭でも述べたように批判意見も多いです。
まあ、批判が多いのはプレイヤーが多いためでもあり、特に無料アプリのレビューは酷いので、その影響も大きいとは思うのですが…
まず、モンスト開発チームの新作なので、同じようなソシャゲかと思っていたら違った、といった感じの人が少なからず見られますね。
思考性の高いゲームで、モンストのようなアクションっぽい内容でも、パズドラのようなスピード型のパズルでもありません。
しかもプレイヤー対戦が中心で、ゲームの方向性がモンストとは違うので、モンストが好きだった人がこちらも好きになれるとは限りません。
ガチャの渋さ、レアキャラの有無によるバランスについての批判も多いです。
10 連ガチャをしてもノーマルキャラしか出ないことはザラ。
加えて対戦ゲームですから、できるだけ対等に戦えるのが理想であり、そこに「ガチャによる格差」があったら批判が来るのは当然。
UR(最上レアリティ)のキャラにフルボッコにされたら文句の1つも言いたくなります。
攻撃重視のブランド(アニマル系)が有利すぎてバランスが悪い、という意見も散見されます。
(ファイターには「ブランド」があり、同じブランドのキャラでチームを作らないといけない)
ただ、都道府県ランクまで昇格した段階での感想としては、そこまで酷いバランスでも、UR 必須のゲームでもない印象です。
実は私も UR キャラを入れた高火力アニマルチームで勝ち上がっていたのですが、市町村のAランクぐらいになると、単純な力押しは通用しなくなってきます。
アニマル系はチェインが弱いので、だんだんコンセプトデッキ(特定の戦略に特化したチーム)に負けることが増え、結局私も長射程チームをメインに変えました。
今では UR も使っておらず、そもそもこのゲームの高レアリティは「便利な奴が多め」程度の印象。
それ以上に使えるノーマルキャラがたくさんいます。
※その後、日本ランクまで上がりましたが、やはり現時点ではバランスは良くなさそう…
アニマルとトイズの2強で、ほとんど他のブランドと当たりません。
同じく多い批判意見の、テンポの悪さも実感します。
演出に力が入っており、攻撃時には 3D のキャラがアップになって、派手な実況と共に攻撃が繰り出されるのですが、その演出がちょっと冗長。
もっとサクサク進んで欲しいのが本音で、今の 1.5 倍速ぐらいになればなぁ、とか思います。
私的には色々なキャラをゴチャゴチャに混ぜた、とりとめのない世界観も気になります。
妖怪ウォッチのような動物キャラや、遊戯王的なゴーストキャラ、商店街の人々、近未来的なキャラ、ロボットキャラなど、何でもかんでも集めた感じ。
海外でパズドラがうまくいかなかったのは、コラボ連発で世界観が壊れている状態で世界公開され、そのゴチャゴチャっぷりに海外のユーザーが引いたというのがあるのですが、そういう感じをスタート直後の段階で受けてしまいます。
子供向けのキャラが多い印象もあり、メインターゲットは小中学生なのかな、とも思います。
できるだけ幅広いユーザーを取り込もうとして、こんな状態になっているのかもしれませんが…
また、2人で「タッグ」を組んで戦うと有利になるシステムがあるのですが、タッグを組むには表示される QR コードを交換する必要があり、リアルの知人同士でないと利用が困難。
モンストが「知人との協力プレイ」で人気になったゲームなので、その流れを汲んでいるようですが、対戦ゲームで、一方が大幅に有利になるシステムが、リアル絡みの条件で縛られているというのは、ソロプレイヤーとしては悲しく、それで負けると非常に腹立たしいです。
(勝てば2対1で勝った優越感はあるけど)
2対1の状況では負けてもポイントが減らないとか、何かの対策が欲しい気がします。
そして現時点(2017/7)では、アプリが不安定で落ちやすいのが問題ですね。
最初は iPhone 6 Plus でプレイし始めたのですが、落ちまくりで話になりませんでした。
2~3戦ごとに落ちる感じで、これでは対戦相手にも迷惑がかかってしまう。
iPhone の場合、メモリが 2GB 以上ある iPhone 6s 以降が必要環境でしょう。
(新 iPad Pro だとさすがに落ちていません)
※アップデートで安定性は以前より改善されました。
他にも、記念ボーナスや「詫び石」がセコい(ガチャ1回分の 1/5 ぐらいしか貰えない)、「ナイス」のセリフを出す機能が煽りにしか使われておらず不愉快など、大なり小なりの批判があります。
徐々に改善されていくとは思いますが、今の状態では色々言われるのも仕方ないかなと思いますね。
※左はキャラクター編成画面。初心者は高火力デッキでリーダーをガンガン殴りに行った方が強いですが、それでずっと勝てると思うのは流石に甘いです。
いずれにせよ、キャラがそろわないとデッキの選択肢も狭いので、まずは戦いながら集めていくのが先ですね。
右はボードをナナメ上から眺めているシーン。背景も 3D で、さすがにグラフィックのクオリティは高いのですが、だからこそ機種によっては…
批判はありますが、私はかなり楽しめています。
どちらかと言うとボードゲームや TCG に近い内容。
間違いなくソーシャルゲームではありますが、しかし e-Sports を意識した、オンライン対戦としてのゲーム性を重視している作りなのを強く感じます。
ただ、だからこそ一般ソシャゲユーザー向けじゃないよなぁ…
キャラクターにレベルや経験値がなく、クリティカル率(センス)も同じキャラを入手した時にしか増えない。
攻撃力や HP が変わらないので、育て甲斐というか、育成の楽しみはほとんどありません。
しかしキャラの強さが育成で大きく変わると、今度は対戦ゲームとしてのバランスが崩壊し、強いキャラを持つ人が無双するだけのゲームになってしまう。
この作品は対戦ゲームとして作られている訳ですが、ソシャゲユーザーの多くは RPG を求めてますよね…
でも、最初から「RPG じゃなくて TCG とかボードゲームとか、そっち系なんだ」と思ってやる分には、色々批判もありますが、面白いゲームだと思います。
話題作ですし、これを読んで「自分には合いそう」と思った方にはオススメです。
・ファイトリーグ(Android 版、Google Play へ)
【 ちょこっと攻略 】
以下では、初期(2017年7月時点)の UR キャラの私的な評価を記載しています。
(まだ Wiki の情報が不十分で、信頼できる内容ではなかったので、見かねて書いてみました)
あくまで私的な評価ですが、初心者の方の参考になればと思います。
十八番街・百歌衆 兎の姫かぐや
スキル:登場時、味方メンバーが2体以上いると攻撃力300アップ
FB:味方メンバー2体のHPを1000回復
味方メンバーが2体いる状況で出すとパワーアップするが、2体ということは通常、ターン開始時点で味方が1体は残っていないといけない。
召喚系のスキルや FB で補助することもできるが、味方がいない時はそれらと併用しないと真価を発揮できない。
スキルが発動しない状態で出しても単に少し HP が多いだけのキャラ。
このキャラに限らず、十八番街は生き残れる確率が高いメンバーを集めておくことが大切で、これ単体でどうこうできる UR ではない。
GGG・GX-17 ガーディアンバール
スキル:登場時にリンクした全ての味方メンバーにリンク数ぶん攻撃力100アップ
FB:すべての味方メンバーの攻撃力300アップ
リーダーだと FB が初期キャラの上位互換になる。
フィールドに出して使うとリンクした味方を強化するが、リンク方向が前方と真後ろだけなので、長射程キャラを後方配置することが多い GGG の特徴と合っていない。
しかもリンク相手が1体や2体だと効果は乏しい。
加えて本人は少し HP が多いだけで、特にパワーアップすることはなく、おまけに短射程。
素直にリーダーにする UR という印象。
※スタイル変更アイテムの配布と新キャラ追加によりリンクしやすくなって、評価が上がっています。
むしろこれがいないと GGG は攻撃力不足に。
アスリートクリーチャーズ・リングの王 ハート
スキル:味方メンバーが登場したとき敵メンバー1体に300ダメージ
FB:すべての敵ファイターに300ダメージ
UR らしい強さを持つキャラ。さすが XFLAG のマスコット。
素の攻撃が 500 なので、1手目に出して2手目でリンクするとそれだけで 1000 ダメージを叩き出す。
しかし攻撃方向が前方だけなので、リーダーを殴りに行くと敵メンバーをほとんど倒せず、これを起点にしてのチェインも困難。
攻撃力に目が眩み、敵メンバーを無視してリーダーを殴りに行って、後でフルボッコにされるのは良くある話。
また HP が低いので次のターンにはまず盤面に残っておらず、スキルは1手目に出せた時しか使えない。
UR の中では強力で、ブランドの特性にも合っているが、これだけで勝てるほど甘くはない。
Justice Professionals・世紀末教師 G.T.K.
スキル:登場時にピンチなら自身の攻撃500アップ
FB:味方メンバー1体にプロテクター800プラス
まず JP というブランド自体が、硬いキャラで耐えつつ味方を増やし、リーダーの HP が半減してから、ピンチ時に発動するスキルで反撃というスタイルになっている。
しかしピンチ前の攻撃力が低めなので、敵を処理しきれずにそのまま押し切られることが多い。
このキャラも JP の特性そのままのキャラで、ピンチになる前に出しても弱く、ピンチ後に出ても決め手にならないまま終わってしまいがち。
相手に対策されやすいのも難点。
ブランド自体が玄人向けで、まだこのキャラの特性が有効になっている場面を見たことがない。
TOYS of the DEAD・トイオブザモンスター
スキル:登場時に味方リーダーに500ダメージ
FB:敵味方すべてのメンバーを退場させる
長射程で攻撃 500 という強力なキャラだが、味方リーダーにも大ダメージを与えてしまう。
デメリットを考えると有利な場面かトドメにしか使えない。
そもそも TotD にはもっと軽いデメリットで強力な攻撃を叩き込めるキャラがいるので、そっちの方がマシと思ってしまう。
リーダーにした時の FB はかなり強く、それ一発で不利な局面をくつがえすことができる。
ただ、こちらも敵リーダーの HP を吸収する、強力なリーダー候補が他にいたりする。
フリーランス・サウザントソルジャー ビス
スキル:登場時に敵メンバー1体を退場させる
FB:敵メンバー2体を退場させる
いわゆる除去カード。出すだけで相手を1体消せる。
ただし相手が複数いる場合は誰が対象になるか解らず、さらに本人は大して強くない。
FB だと敵メンバー2体を除去でき、盤面をひっくり返すのに有効で、こちらで使う人も多い
いずれにせよリーダーを追い込めるような UR ではなく、相手にすると厄介ではあるが、メインの攻撃手段になるキャラではない。
全体として「UR があれば勝てる」みたいなゲームではないです。
メンバー候補の1つに過ぎない印象で、よって「リセマラでこれを狙えば勝てる!」みたいなことを言っている情報は、あまり参考になりません。
UR だけ当たっても、他のメンバーがそろっていない場合はやはり弱いので、あまり1つのキャラにこだわらない方が良いでしょう。
その方が遊びやすいですしね。
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