Danmaku Unlimited 3
縦スクロールシューティング
Sunny Tam / Doragon Entertainment(カナダ)
価格 600 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/8/13
光と弾幕のスマホ定番シューティング
サイバーで美しい独特のグラフィックと、東方を思わせる弾幕が特徴の、ほぼ個人作成でありながら非常に高いクオリティーを誇る縦スクロールシューティング「Danmaku Unlimited」シリーズ。
スマホ発祥のゲームですが、今年の春に PC(Steam)で新作が発売され、そちらでも高評価を受けていました。
その新作が、スマホに帰って来ました。
「Danmaku Unlimited 3」です。
画面を埋め尽くすほどの弾幕が展開されるゲームですが、難易度を選択でき、超強化モード(トランスモード)が定期的に発動、オートボムによってミスも帳消しにしてくれるので、シューティング初心者の方でも楽しめるゲームです。
少なくとも、先日紹介した「アカとブルー」よりは初心者向けです。
一方で、後半はかなり難しく、風変わりで初見殺しな弾幕も展開されるため、シューターの方でも歯応えを感じられるでしょう。
過去作と比較すると、初代に原点回帰している印象です。
前作はレーザーが特殊攻撃になっていて、長期的な強化要素があり、代わりにショットタイプの選択はありませんでした。
また、敵に近付くことがハイスコア狙いには必要でした。
今作は初代と同じようにショットタイプは選択制、レーザーとショットの切り替えは自由に可能、ハイスコア狙いにはグレイズ(かすり)が重要で、無理に敵に近付く必要はなくなっている、といった感じです。
また、初代のように「気持ち良くかすれまくれる攻撃」をする敵が増えています。
価格は 600 円。買い切りゲームであり、課金・広告・スタミナ等はありません。
縦スクロールのシューティングで、画面スライドで移動、ショットは自動で連射されます。
ボタンはありませんが、二本目の指で画面を下にスライドするとショットとレーザーを切り替えられます。
上にスライドするとボムを使いますが、ボムが残っていれば被弾してもオートボムが発動してミスを防いでくれるため、自分で使うことは少ないでしょう。
操作性は良好で、一部に後方や側面から弾が飛んできて指が邪魔になる場面もありますが、そういったシーンはわずかで、覚えてしまえば問題なくなります。
ゲームの特徴は、敵弾に「かする」(グレイズする)ことで強化攻撃の発動と稼ぎを行える点。
ただ、今回は2つのモードがあり、初心者向けの「SPIRIT MODE」なら危険なかすりを行わなくても良くなります。
SPIRIT MODE では弾を撃った敵を倒すと、その弾がスピリットという残像のような青い球に変わります。
これを取ると敵弾にかすっていなくても、かすった扱いとなってグレイズカウンター(かすり数)が増えていきます。
カウンターは多いほどスコアにボーナスが付きますが、しばらくグレイズしていないと0に戻ってしまいます。
そして敵弾にかするかスピリットを取ると「トランスゲージ」も増えていき、最大になるとトランスモード(極限突破)が発動!
金色の強化攻撃が敵を殲滅し、大量の「ジェム」がジャラジャラと降ってきます。
ジェムはグレイズカウンターとスコアを大幅に高めてくれます。
トランスゲージの発動時と解除時には敵弾が消えるため、これで助かることも多いです。
加えてトランスモード中は攻撃が強いため、「敵を倒すと敵弾がジェムやスピリットに変わる」というシステムと相まって、比較的安全に戦えます。
敵弾は多いですが、弾消しも頻発されるゲームですね。
※まずは「かすって」ゲージを貯めます。
道中の敵の多くはこちらを正確に狙う「自機狙い弾」を撃ってきますが、これは撃たれてからちょっと動けば、もう当たりません。
よって少しずつ動くようにすれば、敵弾に当たらず、かつ自然にかすることができます。
かするのが恐い人は、SPIRIT MODE で青い球を集めましょう。
ボスが撃つレーザーは、実際には弾の連射なので、近付くとグレイズが増えまくります。
※そして発動するトランスモード。「極限突破」の漢字演出が出ます。
ゴールドジェムが雨のように降ってきますが、無敵な訳ではないので、回収に夢中になり過ぎないように。
自機の周囲には円が2つあり、外側はジェム回収範囲、内側はかすり範囲です。
ゲームのもう1つの特徴は、ボスの攻撃でしょう。
作者の方は日本の同人シューティング(東方シリーズ)をリスペクトしていて、それを彷彿とさせる弾幕が展開されます。
幾何学的で美しい弾幕が広がり、「ボスの通常弾幕 → スペルカード的(特殊攻撃)弾幕」のパターンが繰り返されるのもそれっぽいです。
特定のコンセプトのある弾幕も多く、回避するための攻略法が必要になることも。
例えば、画面を埋め尽くす弾が降ってくるけど端の方に逃げ場がある、全方位にレーザーを放つけど壁の後ろに隠れるとやり過ごせる、みたいな感じですね。
こうしたものは初見だとほぼ被弾しますが、オートボムだし、1度見れば切り抜け方が解るものにはなっています。
ただバランス的には、3面ボスで急に難易度が跳ね上がるのは気になります。
そこからいきなり「シューター向けゲーム」になる印象。
あと、2つのモードのもう一方「GRAZE MODE」の存在が疑問。
上級者向けで、普段はスピリットが出ず、敵弾にかすることで「グレイズゲージ」が上昇、これが最大になってから敵を倒すか、スピリットを集めることでトランスゲージが貯まり、それが最大になってようやく手動でトランスモードを発動させられます。
トランスモードに至るまでの過程が妙に長く、途中でミスったらまた最初から。
これでは爽快感もないし、SPIRIT MODE でもかすりの稼ぎはできるので、「なんでこんなに複雑で面倒な形にしたんだろう? ここまで厳しくする必要はあったのか? グレイズゲージだけで良かったんじゃ?」と思ってしまいます。
まあ、難易度もハード以上しか選べなくなるし、慣れた人がトランスモードに頼らずに攻略するためのモードなんでしょうね…
光やネガポジ反転の演出が美しいですが、それで敵弾を見失うことがあるのも気になる点でしょうか。
ただ、それはこのシリーズは昔からで、慣れれば気にならなくなります。
※左は3面ボスの攻撃。前方から壁のような弾幕が降りてきて「どうすりゃいいのコレ!?」となるのですが、左右の端、画像の場所の隙間に入ればかわせます。
右は FLAWLESS PHASE ボーナスを獲得したシーン。 これは東方で言うところのスペルカードの取得で、ボスの特殊弾幕をノーミスで突破すると得られます。
オートボム発動はミス扱いですが、手動ボムは OK。
スコアにはグレイズカウンターによる倍率がかかる模様。
※GRAZE MODE はグレイズメーターを最大にすると自機の周囲が緑色に光ります。
それから敵を倒してトランスメーターを貯めなければなりません。
右は自機のタイプ選択。今回は長期的な強化要素はありません。
ただ、何度もプレイしているとコンティニューの回数が増えていきます。
良い意味で同人感のある、高クオリティーな縦スクロールシューティングで、相変わらずの素晴らしさですね。
先日公開された「アカとブルー」は業務用っぽい雰囲気があり、流石の完成度でしたが、シューター向けと言えました。
(初心者向けと喧伝されていましたが、シューター視点での初心者向け)
こちらは少なくともイージーの3面ボスまでは実際に初心者向けなので、あまりシューティングをやらない人でも楽しめると思います。
とは言え、それでも「シューティングは全然ダメ!」という人だと辛いかも?
苦手な人は 弾幕月曜日 からが良いですね。
ともあれ、今回も期待に応えている作品。
このシリーズが持つ爽快感と美しさ、スピード感は相変わらずです。
スマホ定番シューティングの一角として、オススメ出来るゲームです。
・Danmaku Unlimited 3(Android 版)
・Danmaku Unlimited 3(PC版、Steam へ)
※Youtube 公式 PV
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Danmaku Unlimited シリーズ