iphone

ドラゴンクエストライバルズ レビュー

ドラゴンクエスト ライバルズドラゴンクエストライバルズ
トレーディング カードゲーム(TCG)
スクウェア・エニックス / トーセ(日本)
本体無料、課金・ガチャあり
レビュー公開:2017/11/25
iPhoneAndroid

ドラクエのオンライン対戦 TCG、いよいよ始動

国民的 RPG「ドラゴンクエスト」シリーズ。
そのドラクエをテーマにした、コンピューター・トレーディングカードゲームが満を持して公開されています。
ドラゴンクエスト ライバルズ」です。

ドラゴンクエストライバルズ

トレーディングカードゲーム(TCG)は、実際のカードで行う「マジック・ザ・ギャザリング」や遊戯王が有名ですが、最近はそれをオンライン対戦用のコンピューターゲームにしたものが人気です。
ハースストーン」が世界的な定番ですが、日本では「シャドウバース」も有名ですね。

これらコンピューター TCG は、実際のカードの TCG よりも、パソコンやスマホでプレイしやすいルールになっています。
そのドラクエ版と言えるのが、今回登場した「ドラゴンクエスト ライバルズ」です。

近年のドラクエらしく、モンスターは 3D グラフィックで登場し、ユニークなアクションを見せてくれます。
魔法もハデで、武器や道具を使ったときもオリジナルのドラクエを思い起こさせる様々な演出が発生します。
クオリティはかなり高いですね。

他のプレイヤーとのオンライン対戦がメインですから、そこに敷居の高さがあり、慣れないとなかなか勝てないと思いますが、勝った時の嬉しさもオンライン対戦でないと味わえないものがあります。

アプリ本体は無料ですが、カードパックを買うための課金はあります。
ただ、無課金でも日々のプレイで、少しずつカードは貯まっていきます。
スタミナや広告はありません。

ドラゴンクエストライバルズ
ドラゴンクエストライバルズ テンションスキル発動シーン

左右の端に「リーダー」がいて、その前には 3x2 のマスがあります。
先行のプレイヤーは3枚、後攻は4枚のカードを引いてスタートしますが、1度だけいらないカードは交換できます。

プレイヤーは MP を消費して手札を使いますが、最初は1しかありません。
よってコスト(消費 MP)が1のカードを1枚しか使えません。

次のターンになると MP の最大値は自動で1つ増えて2になり、コスト1のカード2枚か、コスト2のカード1枚を使えるようになります。
MP の最大値を増やすのに、何か特別なカードを使う必要はありません。

使ったカードがモンスターなら、場に配置します。
3x2 のマスの好きな場所に置けますが、どこに置くかが重要になります。

モンスターを2体、前列と後列に並べて置くと「ブロック」が発生し、前のモンスターが後ろのモンスターを守ります。

また、モンスターが縦3列の全てに配置されていると「ウォール」が発生し、相手はリーダーを攻撃できなくなります。

味方を攻撃から守る「におうだち」の特技もあるのですが、それがなくてもブロックやウォールを使えば、モンスターやリーダーを守れる訳ですね。

攻撃を行うと、互いの HP が攻撃力の分だけ減少し、HP が 0 になったモンスターは破壊されます。

もし「におうだち」や「ウォール」といったガードスキルが発生していないなら、敵のリーダーも攻撃できます。
リーダーを攻撃した時は反撃は受けません。
相手のリーダーの HP を0にすれば勝利です。

なお、リーダー自身も「武器カード」を装備すれば攻撃を行うことができます。

ドラゴンクエストライバルズ ウォール発動
※リーダー守護の防御陣形「ウォール」発動。
画像では縦一列に並んでいますが、一部が後列にいても OK です。

ドラゴンクエストライバルズ カード説明
※カード画面。青がコスト、赤が攻撃力、緑が HP。
オーソドックスな TCG のシステムなので、プレイで迷うことはないでしょう。
ちなみにハースやシャドバと同じく、背景をタップしてみると色々と反応があります。

そして重要なルールとして「テンション」があります。
毎ターン、MP を 1 使ってテンションゲージを1つ上げられ、3になるとリーダーは固有の特技「テンションスキル」を発動させられます。

僧侶なら全体回復、魔法使いなら魔法攻撃、戦士なら貫通武器攻撃を実行でき、ゲージさえあれば MP1(すでに貯めていれば 0)で発動できるのも強みです。
商人は専用の道具カード、武道家は武術カードを得られ、これらは戦う上で必須と言えます。

ただ気になるのは、後攻はテンションゲージが2から始まるため、最初のターンですぐスキルを発動させられますが、先行は0からなこと。
これはキャラによっては有利不利に大きく影響します。
先行有利の是正は必要ですが、ちょっと後攻が有利すぎるバランスの印象がありますね。

ドラゴンクエストライバルズ テンション説明
※テンションスキルはゲージを貯めて発動。
テンションが攻略の要点になるキャラは、ゲージを貯める MP を常に考慮しておきましょう。

ドラゴンクエストライバルズ 必殺技シーン
※必殺技「ギガブレイク」を放っているシーン。
必殺技カードはテンションスキルの代わりに使うもので、テンションゲージが貯まっていないと使えません。
僧侶や武闘家など、戦略のポイントになるキャラもいます。

キャラクター(リーダー)は現在7人。
それぞれが固有のスキルやカードを持っていて、戦い方は大きく変わります。
各キャラクターの特性は以下の通りです。


テリーテリー(戦士)
武器カードを装備し、リーダー自身が敵を攻撃しながら戦うスタイルです。
リーダーの攻撃によって強化される専用モンスターがいて、敵を倒しながら味方も強くすることができます。
他にも「はやぶさ斬り」や「やいばくだき」といった使いやすい攻撃カードが多く、プレイしやすいのが特徴です。
ただしリーダーの攻撃は反撃も受けるため、攻撃力の高いモンスターは叩き辛くなります。
どちらかと言うと速攻向きですが、高コストの強力な武器やモンスターもあり、様々な戦い方ができる汎用性があります。
有用なカードも入手しやすく、リストの最初にいるだけあって、初心者でも使いやすいキャラクターです。

ゼシカゼシカ(魔法使い)
豊富な魔法攻撃カードを使って敵を倒していくスタイルです。
使いやすい攻撃カードが多く、敵モンスターの殲滅力に優れます。
また、魔法を使うことで強化されたり、特殊効果を発動させる専用モンスターがいて、これを使って味方も強くできます。
ガンガン攻めていけば良いのでプレイが解りやすく、デッキも作りやすい初心者向けのキャラクターで、使いやすい割に相手は戦い辛い強力なリーダーです。
また、ドラクエ名物の「ぱふぱふ」で敵全体を1ターン行動不能にさせることができ、同士討ちさせる「セクシービーム」もあって、強い特技カードが多いです。
魔法攻撃はブロックによる後衛の守護や、「ウォール」「におうだち」などの防御効果を無視できるのも強みです。

アリーナ姫アリーナ(武闘家)
専用の武術カードを使いつつ、味方を強化して強力な一撃を叩き込むスタイルです。
武術カードは専用のモンスターや、リーダーのテンションスキルの発動で得られ、敵を後ろに下げてガード(におうだち)の効果を消す「飛びげり」や、カードを引く「精神統一」などがあり、プレイの補助になります。
また、攻撃力を上げる「ちからの指輪」や、2回攻撃の「はやてのリング」などの強化アイテムカードを活用でき、これらを連続で使って攻撃力を高め、一気に大ダメージを与えることが可能です。
ただしまとめてカードを使うには、相応の MP とカードの収集が必要で、序盤は凌がなければなりません。
速攻狙いもできますが、その場合は専用のデッキと戦い方が必要です。
全体的にプレイングが難しく、対策もされやすい、玄人向けのリーダーです。
あと、声を中川翔子さんがあてているのですが、大人っぽ過ぎて合っていない気が…

ククールククール(僧侶)
回復カードとリーダーの回復スキルでユニットを長持ちさせながら戦う、持久戦スタイルです。
回復によって強化されたり、補助効果を発動する専用モンスターがいて、耐えるほど味方も強くなっていきます。
高耐久のモンスターを多めにして生き残らせながら盤面を制圧するのが基本ですが、「耐久力の分だけ攻撃力を上げる」というカードがあり、これを上手く使えれば早い段階で強力なモンスターを作り出せ、そのまま速攻を決めることも可能です。
即死の効果を持つ「ザキ」や、ザラキ神官こと「クリフト」といった、確定除去のカードが多いのも強いところ。
ただし耐えているだけでは勝てないので、どういう形でフィニッシュに持っていくかを考えておく必要があります。
プレイしやすい方なので、初心者の方にも悪くありません。

トルネコトルネコ(商人)
専用の道具カードを使って味方を強化して戦う一風変わったスタイルです。
テンションスキルや専用のモンスターにより、「デッキ外から」低コストの道具カードを得られ、それによって味方を強めることができます。
専用モンスターには道具の使用でパワーアップする者や、パワーアップした状態で分裂できる者もいます。
手札が多いと強くなる専用モンスターも多いのですが、それを活用するならカードを貯め込む必要があり、しかし 10 枚以上は持てないので管理と使うタイミングが重要になります。
道具を集めるのが大切なので、1ターン目にテンションスキルで道具を取れる後攻だと強いのですが、先行だと全く別の戦い方が必要になり、先攻後攻の影響が大きいです。
面白い戦い方ができるリーダーですが、プレイが難しい玄人向けであることは否めません。

ミネアミネア(占い師)
出すと2つの効果のどちかが発揮されるという、運任せなカードで戦うスタイルです。
そう言うと使い辛そうですが、どちらが出るか解らない分、強い効果が多いです。
また、専用カードによって2つの効果のどちらを発動させるか選べる「必中モード」、さらにどちらも発動させられる「超必中モード」になることができ、ずっと運任せな訳ではありません。
「次のカードのコストが奇数なら効果発動」というカードもありますが、これもデッキを奇数コストのカードばかりで構成すれば常時発動になります。
ある意味、運を戦略で矯正して戦うキャラクターでもあります。
ただ、そのため初心者向けとは言えません。
また、占いカードは相応のコストのものが多く、速攻は難しいです。

ピサロピサロ(魔剣士)
MP を増やして早期に強力なカードを出すのを狙う、追い込み型のスタイルです。
序盤は耐える必要がありますが、MP の最大値を増やす専用カードを上手く使えば、相手より先に強力なカードを出せ、対応させないまま勝つことができます。
ただし MP を増やす「闇への供物」を使うには、味方モンスターを1体生け贄にする必要があります。
リーダーのテンションスキルでユニットを出せるので、後攻なら序盤を凌ぎやすくなります。
また高コストカードを多めに入れることになるので、耐えるほど有利になる、解りやすいプレイングができます。
特にゲーム初期はカードがまだそろっていない人が多く、長期戦になりやすいため、長くなるほど強いピサロはかなり強力です。
一方、カードをそろえて必勝パターンを構築している速攻デッキにはアッサリやられることが多く、そこは TCG の追い込みキャラの宿命でもあります。
ゲーム初期に強いピサロは初心者にもお勧めですが、序盤を乗り切るためのカードをどれだけ含めるか、そのデッキバランスが大切になります。


各キャラのバランスですが、良い感じに取れていると思います。
もちろん対戦ゲームですから、アレが強いとかコレが弱いとか色々な意見がありますが、相性もありますし、まるで使えないというキャラクターはいない印象。
そこはしっかり調整してきていると感じます。

今のところはゼシカ一強、それ以外という印象もありますが、極端な程ではありません。

ドラゴンクエストライバルズ キャラクター選択画面
※キャラクター選択画面。登場キャラはドラクエ4~8まで幅広い。
まずは各キャラクターのチュートリアルと、初級・中級・上級に分かれたトレーニングバトルをクリアしましょう。
これにより「ベーシックカード」を得られ、その中には戦いに必須なものも含まれます。

ドラゴンクエストライバルズ テリーの攻撃カード
※やや解り辛いのですが…
テリーの「はやぶさ斬り」や「やいばくだき」といった攻撃カードは、使うとテリーが攻撃しているように見えますが、これは「リーダーの攻撃」には含みません。
よってリーダーの攻撃で発動するスキルは使われません。
リーダーの攻撃は、リーダー自身をドラッグして行う攻撃のみ当てはまります。

ドラゴンクエストライバルズ 占いシーン
※ミネアの占いカードは二者択一。
専用モンスターの中にも占い効果を持つ者がいます。
でも占いのままでは当たるも当たらぬも八卦なので、早いとこ選択可能な必中モードに入りましょう。
一度入れば解除はされません。

ゲームは他プレイヤーとオンライン対戦をする「バトル」が中心。
「ソロプレイ」もあるのですが、チュートリアルと練習試合のみ。
残念ながらストーリーモードのようなものはなく、ソロのみでも楽しめるといったゲームではありません。

対戦をすると結果に応じて「ゴールド」を得られ、これでカードパックを購入できます。
パックは6枚入りで、いわゆる「ガチャ」ですが、いらないカードを分解すると得られる「錬金石」で、好みのカードを生成することができます。

デッキ(山札)の枚数は 30 枚。同じカードは2枚まで。
レジェンドクラスの同じカードは1枚しか入れられません。
ガチャで 30 回連続でレジェンドが出なかった場合、次は確定で出現します。

もちろん TCG ですから、レジェンドがあれば無双できるという訳ではありません。
どんなカードも使い方次第ですね。

各キャラのチュートリアルを終えると「闘技場」がオープンしますが、これはいわゆる「ドラフト戦」で、3枚提示されるカードの中から1つを選ぶのを繰り返し、即席のデッキを作って戦うものです。

これもオンラインバトルで、プレイするにはゴールドやチケットが必要ですが、カードが集まってなくても同条件で遊べるので、特にカードが少ないうちはこちらをメインにするのも良いかもしれません。

私的にやや難点だと思ったのは、オンライン対戦のランクアップで、早い段階で課金の有利不利が生じること。

オンライン対戦(ランクマッチ)で勝利すると、プレイヤーの「ランク」が上がっていきます。
最初のうちは負けてもランクは下がりません。
5回ほど勝って「シルバーランク」になるまでは順調に上がります。

しかしそこから早くも、勝ち負けで生じるポイントの増減が同じになります。
つまり勝つと1ポイント増えるけど、負けると1ポイント減る。
よって勝率が半々だと、一生上にはあがれません。

「実力勝負で良いじゃないか」と思うかもしれませんが、これは課金のある対戦ゲーム。
初期はカードが集まっていないので、課金してカードを集めている人が当然強く、無課金だと高勝率を続けるのはなかなか大変…

シャドウバース だと勝ちと負けのポイント増減が同じになるのはかなりランクが上がってからだったので、徐々に辛くはなっていきますが、プレイを続けていれば無課金の人でも着実にランクは上がっていきました。
しかしこちらは無課金で TCG 未経験者だと、シルバーに延々と滞在することになり、いつまで経っても進んでいる気になれないかもしれません。

まあ、ランクは目標ではあるけど、無理に上げる必要はないし、勝利とデイリーミッションの達成でゴールドは少しずつ貯まるので、無課金でもカードは増えていきます。
必要なカードさえそろえば、あとは実力次第ですね。

巷で難点と言われているのは、ちょっと地味なことでしょうか。
確かにシャドウバースの進化やゲーム展開、現在のハースストーンの数々の特殊効果に比べると、まだそれほど派手な効果はありません。

ただ、私的にはこれがドラクエらしい気もします。
ドラクエはファイナルファンタジーがムービーやら演出やら 3D やらで売っていた時に、かたくなにゲームバランスで勝負し続けた RPG。
あまり時流に流されず、安定したゲーム作りを目指して欲しいですね。

それに演出は乏しい訳ではなく、魔法や必殺技はハデだし、ボスクラスのモンスターが出ると出現シーンも出てきます。

ドラゴンクエストライバルズ カード生成画面
※カード生成シーン。デッキ構築画面で「カードの表示」を「全部」にすると持っていないカードも表示されるので、そこで未入手カードを選んで「カードを錬金」で作りましょう。
カード一覧画面で「まとめて分解」を選べば、ダブっているカードを自動で錬金石に変換してくれます。
なお、商人や武闘家と言った上級者向けキャラは、重要なカードも入手し辛い印象。

ドラゴンクエストライバルズ ドラフト戦
※闘技場のドラフト戦は即席デッキで戦いますが、カード選択がちょっとユニーク。
5枚ごとに「ドラゴンばかり出る」「コスト3以下のみ出る」みたいな選択を行え、ある程度は狙ったデッキが作れます。
ドラフト戦は3回負けたら終了で、勝利数に応じて報酬を貰えます。

かなりしっかり作り込んで出した TCG という印象です。
ドラクエというコンテンツの強さも相まって、日本の定番 TCG の一角になるのは確実でしょう。

巷では「ハースストーンシャドウバース のパクり」と言われたりもしているようですが、これをハースやシャドバのパクりだと言うのは、ポケモンや MOTHER はドラクエやファイナルファンタジーのパクリだと言うのと一緒でしょう。

開始直後はアクセス殺到によるサーバーダウンでつまずきましたが、現在は安定していて、不自由なく遊べます。
TCG は運営やバランス調整、アップデートによる拡張が重要なので、今後どうなるか解らないのもありますが、今の時点では十分にお勧めできるオンライン対戦 TCG です。

ドラゴンクエストライバルズドラゴンクエストライバルズ(iPhone)

ドラゴンクエストライバルズ(Android 版)

※Youtube 公式 PV

このエントリーをはてなブックマークに追加

同種のアプリのリンクトレーディングカードゲーム系アプリ

記事ランキング
管理人 Tweet
SITE PV