Sky Gamblers - Infinite Jets
フライトシミュレーター シューティング
Atypical Games(アメリカ)
価格 600 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/11/12
誘導ミサイルで敵を撃墜する現代戦闘機空中戦
戦闘機の空中戦「ドッグファイト」をリアルに楽しめる、定番のフライトシミュレーター・シューティングシリーズ「Sky Gamblers」(スカイギャンブラーズ)。
現代の戦闘機での戦いをテーマとした、その最新作が登場しました。
「Sky Gamblers - Infinite Jets」です。
Sky Gamblers には第一次世界大戦をテーマにした Rise Of Glory、現代戦がテーマの Air Supremacy、第二次世界大戦をテーマにした Storm Raiders、冷戦時代がテーマの Cold War の4作品がありましたが、今作は再び現代戦に戻っています。
現代戦闘機のドッグファイトなので、敵機をロックオンして誘導ミサイルで撃ち落とすスタイル。
敵の誘導ミサイルはフレア(ダミー)を射出して回避します。
機銃で戦っていた前世代のドッグファイトよりもシンプルですが、そのぶんサクサクと敵機を撃ち落とせるので、この手のゲームに慣れていない人でも遊びやすいでしょう。
1人用のキャンペーンモードとオンライン対戦が用意されており、元々素晴らしかったグラフィックも大幅に進化。
都市景観モデリングツール Esri CityEngine により、リアルなサンフランシスコやリオの町並みが再現されています。
価格は 600 円。買い切りゲームなので広告やスタミナはありません。
課金はありますが、戦闘機のカラーリングや模様の購入なので、必須ではありません。
操作スタイルは複数用意されており、最初は本体を傾けて機体を操作する「シミュレーター」になっていますが、スティックで操作する「カジュアル コントロールパッド」にすることも可能です。
私的にはどんな体勢でも楽しめるカジュアルパッドがお勧めです。
画面右には機銃とミサイルの発射ボタンがあり、ミサイルは敵を追尾します。
ただし誘導ミサイルは敵を射程内に収め、そのまま前方に捉え続けて「ロックオン」が完了してから撃たないと当たりません。
ロックオン後に撃てば、このゲームのミサイルは誘導性能がかなり強いので、敵が急旋回していても大抵ヒットします。
一方、こちらがロックオンされた時はミサイル警告が出るので、画面左にあるフレアボタンを押して、そのミサイルを逸らせます。
敵のミサイルも誘導性能が強いため、減速旋回してもまずかわせません。
フレアを使い切っている時はブーストボタンで加速して、逃げながらフレアの装填を待つことになりますが、まあ大抵は食らいますね。
まとめて撃たれないことの方が重要でしょうか。
このゲームは戦闘機の耐久力が高いので、数発食らっても落ちることはありません。
敵が画面外に飛んで行った時は、その方向を示す矢印が表示されるので、それを頼りに旋回して追いかけることになります。
そうやってグルグル回っていれば、敵に狙いを定められることも減るでしょう。
真っ直ぐ飛んでいる時が一番危険です。
敵機の前方には照準マークが付いています。
これは機銃の偏差射撃の位置で、「敵機がそのまま飛行した場合、機銃を撃てば当たる位置」です。
よって機銃を撃つときは敵機の場所ではなく、この照準マークを狙います。
このゲームの機銃は威力があり、照準マークのおかげで狙いやすく、当たり判定も大きいので、敵が近いなら機銃も重要な攻撃手段となります。
※前方に敵を捉え、ロックオンしてから僚機と共にミサイル一斉発射!
三角のロックオンマークに色が付いてから撃ちましょう。
ミサイルは2種類装備でき、右上の「<」ボタンで切り替えられます。
※オンライン対戦で敵機を機銃で狙っているところ。
赤い照準マークが偏差射撃の位置、すなわち「敵の未来位置」。
ただし「敵がそのまま進んだ場合の位置」なので、方向転換されると外れてしまいます。
自分が機銃で撃たれた時はすぐに向きを変えましょう。
1人用のキャンペーンモード(ワン・プレイヤー)は 14 ステージで構成されていて、艦隊ごと裏切った海軍将校を追うストーリーが展開されます。
ステージごとにミッションが異なり、普通に敵戦闘機と戦う場合もあれば、艦隊や地上目標を狙うステージ、味方の護衛を行う作戦もあります。
都市景観エンジンで作られた風景は非常に美しく、森の木々や街の小さな建物に至るまでモデリングされています。
この手のゲームは上空から見ると綺麗でも、低空で飛ぶとお粗末だったりしますが、今作は低空で飛んでもリアル。
水面の映り込みなども美しく、そんな風景が(iPad Pro なら)滑らかに表示されます。
特別に本体が熱くなったりもしていません。
ただ、やってて思うのは… ちょっと盛り上がりに欠けること。
特にボイスとサウンドの演出が乏しい。
戦争ゲームはパニック映画的な演出が必要で、兵士たちの怒声や叫び、指揮官の切羽詰まった命令が飛び交うのが醍醐味だと思います。
そうした会話はこのゲームにもあるのですが… 文字だけ。
エースコンバットのように、ボイスによる会話が飛び交って、それにより戦場の緊張感が伝わってくるような演出はありません。
スマホ / タブレットの 600 円のフライトシミュレーターとしては十分というのもあるのですが、もうスマホでも専用ゲーム機並みの作品が出ているご時世。
そろそろスカイギャンブラーズも、シナリオや演出に力を入れて欲しいと思うのも本音です。
※逆光を受けて飛ぶシーン。翼が光で照らされています。
グラフィックのレベルは本当に高いです。
※母艦が敵の空襲を受けているデモシーン。
グラフィック演出は十分ですが、サウンドやボイス、構成などに弱さがある印象。
でも、こればかりは別の才能が必要だしなぁ…
1人用のキャンペーンは2時間足らずで終わりますし、タイトルの「Infinite Jets」から考えても、ゲームのメインはオンライン対戦の方でしょう。
ただオンライン対戦は、マッチングにやや難があります。
最大7対7で戦えるようですが、すでに始まっている戦場に乱入する形式なので、待ち時間は少ないですが、敵と味方に人数差があることも多いです。
FPS(地上戦)ならそれでも何とかなるとしても、袋叩きになりやすいドッグファイトは数も重要なので、人数に差があると一方的になる…
人が少ない時は足りない分を AI が担当してスタートするのですが、これも一方的になる要因に。
対戦形式はチーム戦の他に、基地防衛戦やフラッグ争奪戦などが用意されていますが、これらになるとますます人数が影響してしまいます。
乱入はデスマッチのみにして、それ以外は World of Tanks のように人数が集まってからスタートする形の方が良かった気もしますね。
とは言え、人が集まっていれば普通に楽しめるし、今後改善されていくとは思います。
もう1つ残念なのは、戦闘機が架空の機体なこと。
対戦で貯めたクレジットで新機体を買ったり、パワーアップさせる要素がありますが、すべてこのゲームオリジナルの機体。
やはりここは、実在の戦闘機をベースにして欲しかったところです。
※メニュー画面。中央のスパナマークを押すとアップグレードや武装交換ができる画面になります。
能力値の意味は「i」の部分をタップすると日本語で表示されます。
※機体購入画面。かなり数が多く、これはほんの一部。
上の段から HP 重視、攻撃力重視、機動力重視、ステルス重視となっている模様。
ただし上位機体を買うにはプレイヤーレベルも必要。
色々と気になった点も述べましたが、グラフィックの美しさと、1人用のキャンペーンもあることを考えると、今のスマホのフライトシミュレーター型シューティングはこれが一番でしょう。
私的には、誘導ミサイルとフレアで戦う現代戦よりも、機銃と機動で戦うプロペラ機のドッグファイトの方が好きなのですが、(コンピューター相手なら)手軽に無双できるし、こちらにはこちらの良さがありますね。
リアルなフライトシューティングをやりたい方には良いゲームです。
Sky Gamblers - Infinite Jets(App Store)
※Youtube 公式 PV
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