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Cytus II レビュー

Cytus IICytus II
音楽ゲーム
Rayark(台湾)
価格 240 円、課金コンテンツあり
レビュー公開:2018/1/19
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あの Rayark 最初の音楽ゲームに続編が登場

最多曲数を誇る「Cytus」や、良質の雰囲気とピアノ演奏の楽しさを備えた「Deemo」など、優れた音楽ゲームを提供している台湾のメーカー Rayark
そこが待望の新作音楽ゲーム、しかも過去作の続編を公開しました。
Cytus II」です。

Cytus II

初代の Cytus(サイタス)は6年前、2012 年の初頭に公開されました。
楽曲の質が良く、数も豊富、値段もリーズナブル、さらにクオリティの高さが相まって、長く楽しまれてきた作品です。

Rayark は 2013 年末にも Deemo を公開し大ヒット、スマホの音楽ゲームメーカーとして第一人者となります。
2016 年には3作目の音楽ゲーム VOEZ も公開しました。

今作は Rayark の4つ目の音楽ゲームで、初代の Cytus と同じく未来を舞台としています。
その世界観と、ゲームの進行に合わせて語られるストーリーも魅力。
楽曲はアップテンポでテクノなものが多く、ある意味、ゲームらしい曲がそろってますね。
もちろんボーカル入りの曲も多数あり、日本語の楽曲もあります。

難易度は Deemo や VOEZ より高めで、イージーも用意されていますが、最初から「音ゲーマニア向け」に作っている印象があります。
「スマホの音ゲーなんて…」と思っているビーマニシリーズ(コナミの音ゲー)のユーザーでも、この作品なら納得のプレイとビートを体験できるでしょう。

一方で、アイドル音ゲーしかやっていない人だと、その難しさに付いて行けないかも?
ただ、途中でゲームオーバーになったりすることはなく、判定も超甘いので、とりあえず曲に合わせてバシバシ叩いているだけでも楽しめます。

価格は 240 円。広告やスタミナはありません。
「アーティスト」を購入する 1200 円の課金が2つ用意されていますが… 詳細は後述します。
音楽ゲームなので、ヘッドホンを付けてプレイするのを推奨します。

Cytus II プレイ画面
Cytus II 曲選択

ライン(横線)が画面を上下に往復していて、曲に合わせてマーカーが出てきます。
マーカーとラインが重なった瞬間にタップしていけば良いのですが…
画面を見てタイミングを計るのではなく、曲を良く聞いて、音やリズムに合わせて押していくことが大切です。

タップするマーカー以外に、長押しするマーカー、画面をなぞるマーカーも登場。
高難度では横フリックするマーカーも出てきます。
「長押ししながら、もう一方の指でタップ」みたいな複合の譜面も早いうちから出てくるので、慣れていないと苦労するかもしれません。

加えて、ラインが上下に往復しているので、ラインが上がっている時に押すのか、反転して下がってきている時に押すのか、判別しにくいケースも多いです。

また、こうした画面中を叩く音楽ゲームの問題になるのが、指で画面が隠れること。
タップに行かない時は、画面が隠れない位置に指を置くのを意識しないとミスを誘発します。
しかしマーカーが多くなると、そうも言っていられません。

これらがあって、ミスしやすい音楽ゲームなのは否めませんが…
ただ、ライフゲージのようなものはないので、どんなにミスっても途中でゲームオーバーになったりはしません。
また判定が甘く
、かなりズレていても PERFECT になったりするし、すっごくズレていても押していれば GOOD 判定になってコンボが繋がったりします。

ですからイージーなら、むしろプレイしやすく感じるかもしれません。

Cytus II 長押し
※左手で長押ししながら、右手でタップしていくシーン。
iPad の方が画面が指で隠れにくいですが、両手をフルに使うため、タブレットの場合は机か床に置いてやらないと無理です。

Cytus II なぞるマーカー
※連なったマーカーは指でなぞっていきますが、早く指を動かしすぎないよう注意。
ちゃんとラインの動きと曲のテンポに合わせましょう。
マーカーの出方は2種類から選べ、DEFAULT だと徐々に大きくなり、GROUPED だと薄い色で早めに現れ、タップ前に色が濃くなります。

音楽ゲームには、タップに応じて音が出る「疑似演奏型」と、タップに関わらず曲が流れ続ける「手拍子型(タンバリン型)」の2種類があります。

ピアノ演奏がテーマだった Deemo は前者でしたが、ボーカル曲が多い Cytus や VOEZ は後者。
そして今作は Cytus の続編ですから、後者の手拍子型です。

そのため操作がメチャクチャでも普通に曲を聞ける反面、演奏感やダイレクト感はありません。

ただ今作は難易度にノーマルがなく、イージーの上はいきなりハード。
しかもハードは実際にハードらしい難易度です。
(その上にカオスもある)

これだとイージーで物足りない場合、いきなり高難度の譜面をやることになるので、操作ミスしても演奏に影響がない手拍子型の方が良いですね。
難しい譜面をバシバシ叩くのが楽しい作りで、画面全体を所狭しと叩くゲームシステムも、その印象を強めています。

もちろん正確に演奏できないと評価やスコアは上がらず、フルコンボを目指すのは辛いのですが、「自分に合ったレベルでうまくプレイして下さいね」ではなく、「とりあえずハードな譜面を叩きまくれ! やってれば慣れる!」みたいな作りはアイドル系とは正反対の、コアな音ゲーとしての良さがあります。

Cytus II ロボヘッド
※曲選択画面。これはハードなテクノでチップチューンも含んだトリッキーな曲。
裏打ちが出てくる難しい曲ですが、ユニークで好み。
選択時のグラフィックはなかなか凝っています。

Cytus II ミリオンマスター
※「ミリオンマスター」を達成したシーン。
今作はオールパーフェクトだとこの評価になります。
ただ、TP という評価が少し低いので、若干ミスった?
GOOD 込みだと普通の「フルコンボ」です。
スコアはオールパーフェクトを 1,000,000 点とした減点方式で、Rayark おなじみの採点方法。

今作のもう1つの特徴が、ストーリーや世界観でしょう。
Deemo がその世界観で魅了したように、今作もその点を重視しています。

今作には架空のアーティストが登場し、全ての楽曲はそのアーティストが提供していることになっています。
未来世界のバーチャルライブで曲を披露する彼&彼女らとそのファンは、SNS を通じて会話やニュースの発信を行い、そこから未来の生活を垣間見ることができるのですが…

どうやらこの世界には「上と下」があり、旧時代へのアクセスは禁止、また遺跡文明管理機構 A.R.C. の管理下にあるようで…
他にも新型人工知能の開発や、人気アーティストの失踪など、様々な事件がストーリーに関わるようです。

そして課金要素ですが、その登場アーティストの1人を 1200 円で買うことになります。
曲はアーティストの誰かに属しているので、アーティストを買えば、そのアーティストが提供した(ことになっている)曲はまとめてアンロックされます。

現時点で登場アーティストは5人、曲は 54。
よって1人あたり約 10 曲ですが、今後のアップデートで増えるかもしれません。
加えて、アーティストごとに固有のストーリーも付属しています。

とりあえず無課金でもアーティストは3人いて、30 曲近く楽しめるので、それだけでもボリュームは十分です。
曲数とコスパが評判だった Cytus の続編ですから、ここは力を入れて準備しているのを感じます。

Cytus II アーティスト
※5人の登場アーティスト。
左からダンスミュージック、ポップ、ハードテクノ、ロック/メタル、クラシックアレンジが中心。
左の3人がデフォルトのアーティストで、右の2人は課金アーティストです。

Cytus II SNS 画面
※「iM」と呼ばれる SNS の様子。
Twitter 的な感じの、違和感のない(ネットスラング全開な)日本語の会話が繰り広げられます。

Cytus II 報告書
※こちらは課金アーティストの報告書。
課金の2人は、他とは明らかに雰囲気や立場が違います。
相応に高額なので、Rayark もこの2人を初期に買う人は少ないと考えているのでしょう。
だからこそ…

一昨年からアイドル系の音楽ソーシャルゲームが「もういいよ」と思うぐらいにスマホでは出まくっていて、もう音楽ゲーム=アイドルゲームみたいになっていました。
そんな中に出て来た、久々にハードな音ゲーです。

正直、やや人は選ぶと思います。
メロディー・リズム・ボーカルの間で、叩くパートが頻繁に変わるトリッキーな譜面が多く、テンポの変化や裏打ちも早いうちに出てきます。
イージーはちゃんと簡単ですが、他はハード以上ですからね。

グルーヴコースターや太鼓の達人のような「誰でも楽しめる」という感じではなく、アイドル系のような収集要素・育成要素もありません。
女性キャラはいますが、萌えという感じではない。

しかし、バラエティーに富んだ曲で、しっかりリズムゲームを楽しめる内容は、今となっては希少でありがたいです。
ガチャもスタミナもないし、VOEZ ほど課金が厳しい感じでもないので、その点での遊びやすさもあります。
音楽ゲームが好きな人なら、必須アプリと言って良いでしょう。

Cytus IICytus II(iPhone 版、App Store)

※Youtube 公式 PV

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