World of Warships Blitz
オンライン対戦 アクションゲーム ミリタリー
Wargaming（キプロス共和国）
アプリ本体無料、課金要素あり
レビュー公開：2018/1/21
World of Tanks の海戦版がスマホにも登場
リアルな戦車戦を楽しめる世界的ヒットの多人数オンライン対戦ゲーム「World of Tanks」（通称 WoT）。
そのスマホ版 World of Tanks Blitz（WoTB）も公開されていますが、2015 年、舞台を海に移して軍艦同士が撃ち合う、その海戦版と言えるゲームが PC で公開されていました。
「World of Warships」（WoWs）です。
そして先日、その WoWs にもスマホ版が登場しました。
「World of Warships Blitz」（WoWS Blitz、WoWSB）です。
7vs7、合計 14 人のプレイヤーが、主に第二次世界大戦に登場した様々な軍艦を操り、海域で砲撃戦を繰り広げます。
一応アクションゲームですが、軍艦ですから急旋回や急発進はできません。
その動きはゆったりとしたものです。
しかしだからこそ、戦況の判断と、先を読んだ行動が必要で、アクションでありながら戦略性の高い内容になっています。
一方で、砲撃は自分で照準を合わせて行うため、プレイヤー自身のテクニックも必要です。
そこまで忙しい操作は必要ありませんが、魚雷の回避や敵に読まれにくい運動など、ただ狙って撃つだけではないゲームになっています。
アプリ本体は無料、スタミナや広告もなく、無課金で何度でも対戦できます。
ただ、経験値や入手金が 1.5 倍になるプレミアムアカウントや、入手金が 20 ％増える課金船、課金消費アイテムなどがあり、課金者の方が早くゲームが進むようになっています。
ただし今のところ、課金船や課金アイテムはそこまで強くなく、Pay to Win（課金＝勝利）という訳ではありません。
ゲームのメインとなるのは、他のプレイヤーと戦う「ランダム戦」。
「ソロバトル」と「チームバトル」がありますが、チームバトルはフレンドと一緒に戦うもので、基本はソロバトルです。
そしてソロバトルでも、ゲームは７人のチーム同士の対戦となります。
左下の移動ボタンで前進・後退・旋回を行います。
しかし前述したように軍艦ですから、いきなりダッシュしたり飛んだりはできません。
ゆっくりスピードが上がり、徐々に向きが変わっていく感じなので、早めの操作を意識しましょう。
画面をスライドすると周囲を見回すことができ、向いている方向に「砲塔」も動きます。
右下の射撃ボタンを押すと、中央に照準があればそこに砲弾が発射されます。
ただ、砲塔は高速でグルグル回る訳ではないので、急に向きを変えると照準が中央に来るまで、つまり砲塔がそちらに旋回するまで、時間がかかります。
撃つ前から敵の方を向いておき、位置合わせをしておくのも大切ですね。
そして発砲時には、偏差射撃が必要です。
軍艦は 4km とか 8km とかの離れた距離で撃ち合います。
よって砲弾が着弾するまで時間がかかります。
敵艦が動いている場合、そこを狙っても着弾した時には通り過ぎています。
よって相手の移動先を狙わなければなりません。
どのぐらい先を狙えば良いかは、相手の速度と距離によって変わりますから、この辺は経験が必要。
発射数が多い船なら、１発撃って着弾位置を見て、調整を行ってから一斉射撃する着弾観測も有効です。
もちろん相手が急減速したり、旋回することもあるので、それで必ず当たる訳ではありませんが。
駆逐艦や巡洋艦には魚雷も備わっています。
魚雷はゆっくり進むので、遠距離だと当て辛いですが、当たれば高威力。
また長い距離をまっすぐ進んでいくため、流れ弾が他の敵艦に当たることもあります。
そして今作は「敵がそのまま進んだ場合、ここに撃てば当たる」という魚雷の射撃ガイドが表示されています。
よって PC 版よりも当てやすくなっています。
ただ、あくまで「敵がそのまま進んだ場合」なので、旋回や加減速されたら当たりません。
また、敵魚雷が接近してくると警告音がなり、その位置を遠くからでも確認できるので、距離と船の運動力によっては回避が可能です。
自分が撃たれた時は、慎重に回避行動を取りましょう。
また、惰行や旋回を使い、予測され辛い航行を行うことも大切です。
※移動がゆっくりなので、「やべえ！ 敵に囲まれた！ 急いで離脱！」みたいなことは高速艦でないと無理。
そうならない行動が必要なので、全体の地形、味方の動き、敵の予想位置を考えながら、自分はどこに動くべきか大局的に考えて移動しましょう。
ミニマップをチラチラ見て状況を把握することが大切です。
※双眼鏡のボタンを押すと遠くを拡大表示できます。
この画面で砲撃するのが基本ですが、相手の速度や方向を見て、その移動先を狙うのを忘れずに。
実は相手はバックしていた、ということもあり得ます。
船の向きによって、使える砲塔と使えない砲塔があります。敵が正面にいる場合、後ろにある砲塔は撃てません。
敵に側面を向ければ多くの砲塔を使えますが、こちらも的が大きくなって、攻撃を受けやすくなります。
※そしてズーム表示で砲撃に夢中になっていると…
周囲が見えないので、こんな風に岩にゴチーンしたり、味方にぶつかったり、気が付いたら魚雷が目の前にあるといった、ハズカシイことになります…
砲撃しながら操艦もしないといけませんが、拡大表示中は周囲が見えません。
砲撃しつつ、自分の状況がどうなっているか思い描いておくことも大切です。
※魚雷接近！ 警告音と同時に緊張が走る。
魚雷の回避は重要です。画像のケースだと魚雷の進行方向に対して船が水平なので、間に入ってかわせそう。
前進で避けるのか、回頭して避けるのか、素早い判断も必要です。
動きの鈍い戦艦や空母だと、迫り来る魚雷を見ながら涙するしかなかったりしますが。
もし奮戦虚しく撃沈されてしまった時は…
そのまま戦いを眺めることもできますし、すぐに港（メニュー）に戻ることもできます。
その場で復活することはできません。
港に戻っても、離脱した海域での戦いは続いています。
出撃させた船はその戦いが終わるまで使えませんが、他の船で新たな戦いに出撃することは可能。
よって終わるまで待つ必要はありません。
そして前に参加していた戦いの決着が付いたら、勝敗と戦果に応じた報酬を、ちゃんと受け取れます。
報酬には、資金であるシルバーと、その船の経験値、全ての船で使えるフリー経験値、さらに強化改造のための設計図や使い捨てアイテムがあります。
新しい船は経験値によってアンロックでき、例えば日本海軍の場合、Tier（ランク）１の軍艦「橋立」の経験値を消費することで、Tier 2 の駆逐艦「海風」と、巡洋艦「筑摩」をアンロックできます。
さらに筑摩の経験値が貯まれば Tier 3 の巡洋艦「天龍」と、戦艦「河内」を入手可能に。
河内の経験値が貯まれば空母「鳳翔」も得られます。
よって上位の船を手に入れるには、欲しい艦種の最新の船で戦う必要がある訳ですが…
やられた場合は他の船で出撃することになりますし、12 時間ごとに「その船での初勝利で経験値２倍」のボーナスを得られるので、様々な船を使うことになるでしょう。
艦種は主に 駆逐艦・巡洋艦・戦艦・空母 に分かれています。
駆逐艦は小回りが利き、強力な魚雷を持ちますが、砲撃力は低く、耐久力もありません。
巡洋艦は中間的な性質で、相応に強力で長射程な砲撃と、そこそこの機動性、高めの耐久、さらに日本のものは魚雷も持っています。
戦艦は、一見主力のように思えますが… 遅い、曲がらない、撃つのが遅いの三重苦。
耐久力と砲撃の威力は破格ですが、敵に狙われると回避できない、巨大な的です。
戦場の要所となる場所で待ち構えるなど、より戦略的な行動が必要です。
空母は他の艦種とはプレイスタイルが全く違います。
戦場を上空から見下ろした画面で、艦載機の発艦と攻撃の指示を行い、偵察や攻撃支援などを行います。
船自体は弱いので、敵が来そうなら早めに逃げないとアッサリやられます。
どれが良いかは好みがあるでしょう。
戦場での役割も違いますし、当面はそれぞれを使いながら、長所と短所を把握するのが先ですね。
※駆逐艦は接近しての肉薄魚雷も醍醐味。
耐久力が無いので戦艦に撃たれたらたちまちピンチですが、その動きで翻弄しながら近づき、動きの鈍い相手に魚雷を叩き込むインファイトも可能。
とはいえ危険なので、基本的には遠距離から慎重に魚雷を投げておきましょう。
敵の集団に放り込めば、適当に投げても結構当たるものです。
※戦艦が攻撃食らって大炎上中！ 修理装置で治せますが、連続で燃えるとピンチ。
ニブくてデカい戦艦は、敵に晒されると巨大な標的です。
耐久力はありますが、集中攻撃を食らえば無事では済みません。
島を盾にして遠くから狙い撃つといった戦い方も必要ですが、隠れすぎて戦艦が活躍しないのでは、味方は不利になります。 正直、私は苦手…
※空母は全体マップで戦略的に指示を出します。
索敵、救援、逃げる敵へのトドメなど、勝利に導くサポーターとしての働きが必要です。
爆撃は敵を指定するだけで良いのですが、雷撃は相手の動きを予測して行わないと空振りになり、結構難しい。
空母の最大の問題は、「そもそもこれが面白いのか」ということですね…
私は嫌いではないですが…
スマホ / タブレット版の World of Warships Blitz が、PC 版の World of Warships と違う点は、主に以下になります。
・煙幕がない
・魚雷のガイド表示がある
・魚雷がない船の多くに切り替え式の副砲がある
・味方の砲撃や魚雷でダメージを受けない
・艦長スキルがない
・モジュール（装備）研究がない
・参加人数は 7vs7（PC 版は 12vs12）
艦長スキルと煙幕がないのが大きな違い、かつ残念な点でしょうか。
ただ、ガイド表示による魚雷の狙いやすさのおかげで、煙幕がなくても駆逐艦は弱くはありません。
人数が少なめなのは仕方のないところでしょうか。
少ないなら少ないで、始まるまでの待ち時間が短い、フルボッコにされ辛い、といった利点もあります。
そして気になるのが… 「戦艦ストライク」との類似性ですね。
これはストアレビューでもかなり指摘されています。
戦艦ストライクはスマホ用に作られた WoWs の模倣作で、まあ、言ってしまえばパクリです。
しかし今作はその戦艦ストライクに、非常によく似ている…
と言うか、見た目も、システムも、インターフェイスも、コントローラーやボイスまで、そっくり同じ。
そのため巷では「WoWs のパクリのパクリ」とか言われています。
そのデキの良さを見て買収したのか、模倣を責めない代わりに取り込んだのか…
推測しか出来ませんが、あまりにも「そのまんま」なのは気になります。
ただ、それはともかく、WoWs のスマホ版として十分なクオリティを持つ、Wargaming のアプリであることは間違いないので、その登場は素直に喜ぶべきでしょう。
なお、戦艦ストライクと比べると、やられた時の復活がない、チーム人数が１人多い（戦艦ストライクは 6vs6）といった違いがあります。
※港の画面。新しい船を手に入れたら、忘れずに装備を付けること。
さすがにグラフィックは PC 版と比べると見劣りしますが、スマホのゲームとしては高クオリティ。
主な課金要素は、プレミアムアカウントと、船の所持数の拡張（ドック拡大）。
今のところ課金弾はなく、課金消費アイテムも必須ではありません。
※技術ツリー。PC 版のモジュール研究はないので、船はこの画面で経験値を消費するだけで手に入ります。
古い船の経験値はフリー経験値に変換できますが、課金通貨が必要。
現時点（2018/1）で、日本とアメリカには 35 以上の船がありますが、ドイツとソ連は 10 程度。
イギリスとフランスは未実装に近く、課金船が１つのみ。イタリアはなかったことに。
※ミッション画面。「合同作戦」は仲間と協力してコンピューターを相手にする戦い。
「歴史戦役」は史実に沿ったステージをプレイする１人用のモード。
１人用があるのが WoWs との違いで、ソロでも楽しめるのは良いですね。
ただし、これらで手に入る報酬は少ないので、やはりメインはオンライン対戦です。
やっていて、純粋に面白い多人数対戦ゲーム。
私はパソコンでもプレイしていたのですが、同じように楽しめます。
MOBA（DotA / LoL 系）ほどシビアでテクニカルではなく、１対１の対戦より初心者でも参加しやすく、FPS のように忙しい訳でもない…
それでいて本格的な多人数オンライン対戦を楽しめます。
日本人としては、日本とアメリカが主役なのも嬉しいですね。
海ではドイツもソ連も脇役、当時はイギリスもパッとしません。
もちろん対戦ゲームですから、同じ Tier の軍艦なら、どの国のものでも性能は同等です。
ただ、登場する船の数は大きく違い、やはり日本かアメリカを中心に開発していくことになります。
動きの遅い軍艦にヤキモキする人もいるかもしれませんが、重厚な海の戦いを体験できるゲームで、私的には World of Tanks より好み。
ぜひ擬人化されていない軍艦の戦いも試して欲しいと思います。
World of Warships Blitz（iOS 版）
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