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鉄拳™ -TEKKEN- レビュー

TEKKEN™鉄拳™ -TEKKEN-
格闘ゲーム ソーシャルゲーム
開発:バンダイナムコ バンクーバースタジオ
販売:バンダイナムコ ヨーロッパ支社
アプリ無料、課金・ガチャ・時間制宝箱あり
レビュー公開:2018/3/13
iPhoneAndroid

ソシャゲだけど、ちゃんと格闘ゲーム

1990 年代に大きな人気を誇った、ナムコの 3D 対戦格闘ゲーム「鉄拳」。
2015 年に登場した鉄拳7は昨年、PC や各ゲーム機に移植されており、今も現役のシリーズです。

その鉄拳を最新の 3D グラフィックはそのままに、スマホで手軽に遊べる形にアレンジし、さらに欧米型のソーシャルゲームに変えた派生作のアプリが登場しました。
鉄拳 -TEKKEN-」です。

TEKKEN

「カードを使って技を出す」ゲームであるため、ソシャゲにありがちなカードゲームかと思っている人が多いようですが、違います。
簡略化されていますが、ちゃんと格闘ゲームです。

そのベースは海外で大ヒットしている対戦格闘アプリ「MARVEL オールスターバトル」で、開発メーカーは違いますが、その派生作の1つだと思って構いません。
それを鉄拳のキャラクターとグラフィックに変え、必殺技を出すカードを追加したものです。
よってカードを使わず、普通の打撃とガードだけで戦うこともできます。

ただ問題は、ものすごーくソーシャルゲーム感が強いこと。
期間限定ガチャ、待ち時間制の宝箱、キャラクターを得るのに必要な「欠片」など、ソシャゲらしい仕様にあふれていて、なにより初見のソシャゲ感がハンパない。
ここまでソシャゲソシャゲしていると、ソシャゲに反発のある人や、鉄拳がソシャゲになって残念に思っている人は早々に離脱してしまうでしょう。

私もスマホ用の格闘ゲームとして、楽しめる内容だとは思うのですが…
最初は心が折れそうになりました。

アプリ本体はソーシャルゲームなので無料。しかし課金やガチャがあります。
ただ意外にも、動画広告はありません。
開発はカナダのバンダイナムコ支社、パブリッシュはフランスの支社で、ソシャゲと言っても欧米型なので、日本のものとは色々と違っています。

TEKKEN
TEKKEN

格闘ゲームですがレバーやボタンはありません。
画面の左側(自分がいる側)を左右にスライドして移動、フリックでダッシュとバックステップ。
そして左側を長押しでガードします。

右側(敵がいる側)をタップすると通常攻撃。
キャラによりますが、連打で3~4連続の攻撃を繰り出せます。

敵との距離が離れていても、ダッシュや飛び込みによる遠距離攻撃で間合いを詰めながら攻撃でき、そのまま連続攻撃に繋げることができます。
これは MARVEL オールスターバトル 型(以下 MARVEL ASB)の特徴でもあります。

よって離れていても安心できませんが、このゲームは十分に距離を取っていれば遠距離攻撃でも届かないので、ギリギリ当たらない位置で相手の遠距離攻撃を誘い、空振った所を殴るのも攻略の1つです。
なお、今作に飛び道具はありません。

また画面右側を長押しすると強攻撃を出せ、ガードも崩せる効果があります。
ひたすら守っている敵に有効で、遠距離強攻撃は敵の近くにダッシュして繰り出すので、空振りもしません。
出かかりや長押し中に殴られたらカウンターを食らいますが。

これらの内容は、ほぼ MARVEL ASB と同じです。
そちらのプレイ経験がある方は、違和感なく遊ぶことができるでしょう。

TEKKEN バトル、強攻撃
※基本はガードを固め、相手の攻撃を防いでから反撃する形。
ただし画像のように相手の両手が光り始めたら要注意。
ガード崩しの強攻撃が来るので、すぐにパンチして潰しましょう。
やはり格闘ゲームなので、それなりの反射神経や瞬間判断力は必要です。

TEKKEN 演出、ニーナ
※対戦の前後には各キャラクターの登場シーンや勝利の演出があります。
グラフィックはすごく綺麗。ニーナが美人。

今作が MARVEL ASB と違うのは、カードによる必殺技。
各キャラクターは9枚の技カードを装備していて、これが「デッキ」と言えます。

対戦が始まると、★1のキャラは2枚、★2以上のキャラには3枚のカードが配られます。
そのうち1枚は最初からオープンしていますが、他のカードは時間が経たないと開きません。
その時間はカード(技)によって違います。

カード技は「スタン技」「浮かせ技」「ストライク技」「ガードブレイク技」に分けられ、一部のキャラには投げ技もあります。
カードはタップするだけで使用でき、大抵の技は通常の攻撃より判定が強いです。
そしてヒットすればスタン技なら相手がひるみ、浮かせ技なら上に吹っ飛んで、そのまま連続攻撃に繋げることができます。

ストライク技は強力な攻撃で、スタン技や浮かせ技から繋げることも可能。
カードによる連続攻撃を出すと「ワザラッシュ」となり、大ダメージを与えられます。
スタン → 浮かせ → ストライクの順で使えば3連ワザラッシュも繰り出せます。

ガードブレイク技は相手のガードを崩し、そこから連続攻撃やワザラッシュに繋げるもの。
ただし相手がガードしていない場合、単なる弱い攻撃で終わってしまいます。

どのカードが手札に来るかはランダムなので、思うような技を出せないことも多いです。
本格的な対戦格闘ゲームのように、様々な技を自由に駆使して戦える訳ではありません。

しかしカードゲームではないので、カードを使えば確実に相手にダメージが入る訳でもありません。
距離が遠ければ空振るし、タイミングが悪ければ潰されるし、もちろんガードもされます。
また、技によって射程やモーションが異なるため、使い勝手も違います。
やはり長射程の連続攻撃技が使いやすいですね。

技は鉄拳ファンにはおなじみのものが揃っていて、簡略化されているとは言え、戦っていれば「あぁ、鉄拳だなぁ」と思えることでしょう。

TEKKEN バトル、ポール双飛天脚
※双飛天脚で一八を蹴り上げるポール。ここから落葉や崩拳など、おなじみのコンボに繋げられます。
簡易化されていますが、技とスピード感は確かに鉄拳らしいですね。
AI には攻撃重視や守備重視など、一定のクセがあるので、それに合わせた戦い方をするのがコツ。

TEKKEN バトル、パンダのワザラッシュ
※パンダ渾身のワザラッシュが炸裂中。演出がやたら派手
ラッシュを繋げられるカードが手札に来た場合、それを使う順番の数字が表示されますが、あくまで目安。

ゲームは1人用の「ストーリーモード」が中心。
MARVEL ASB はどちらかと言うとオンライン対戦がメインでしたが、今作にはまだ実装されていません。
他はイベントのバトルや、他プレイヤーのキャラ(操作は AI)と戦って宝箱を得るモードのみ。

ローカル対戦も現時点(2018/3)では「Coming Soon」になっているので、プレイヤー対戦は出来ないと考えておいた方が良さそうです。

ストーリーモードは3人のキャラクターを使い分けながら、クリアまで 10 戦ほどのバトルを勝ち抜いていきます。
1戦は1分ほどで終わるためサクサク進行しますが、体力を次以降に引き継ぐため、序盤に大ダメージを受けると後に続かなくなります。

とは言え薬で回復できるし、復活アイテムもあるので、そこまで難易度は高くありません。
それなりに格闘ゲームの経験があれば、高レアキャラがいなくても進めていけるでしょう。

スタミナはありませんが、ダメージを受けたキャラクターの回復には時間がかかります。
KO されてしまったキャラは余分に時間がかかり、それがスタミナの代わりになっています。

ただ、ダメージが低ければ再出撃できるし、他のキャラで次のバトルに出ることも出来るので、全員がボロボロになるまで続けることができます。
その辺の制限は日本のスタミナ制より軽いですね。

TEKKEN ストーリーモードのマップ
※ストーリーモードのステージ選択シーン。
ボスまでのルートマップがあって、分岐点ではどちらに進むか選べます。
遠回りになってしまうルートもあるので、始まったら道を確認しておきましょう。

TEKKEN キャラクターリスト画面
※キャラクターリスト。ダメージを受けたキャラは HP が減っていますが、そのまま使うことも可能。
海外のソシャゲはこのように、スタミナ制より、時間による HP 回復制の方が多いです。

問題は冒頭で述べたように、すごくソーシャルゲーム感が強いこと…

実は課金の必要性は、それほど感じません。
各キャラクターには★1から★4までのレアリティがあり、★4キャラを目指そうとすると超重課金が必要になりますが、★1や★2をそろえてストーリーを攻略するぐらいなら、無課金でも問題ありません。
時間制の宝箱も「道場」という専用モードで出てくるのみで、通常クエストの報酬はクリア後にすぐ手に入ります。
ガチャも特殊なものでないなら、ゲーム内のコインで行えます。

ただ、期間限定ガチャの宣伝や、「おすすめパック」「プレミアムパック」という名の高額ガチャのアピールが目に付き、薬を使う時にも常に課金購入のボタンが表示されているなど、各所に課金要素があります。
一昔前のグリーや DeNA のソシャゲのような印象で、いきなり初心者に 6000 円や一万円のガチャを提示してくる様子には世界の違いを感じます。

加えて「欠片」のシステムが、ソシャゲ感を非常に強くしています。
キャラクターは最初は3人しかおらず、ガチャやクエストで増やす必要がありますが、出てくるのは大半がキャラクターの「欠片」。
これを 10 個集めないとキャラは手に入りません。
思わず途方に暮れてしまいます。

実際には、ガチャや宝箱から直接キャラを手に入れられる場合があって、私は現時点で 12 人のキャラを入手していますが、まだ欠片を集めてアンロックしたことは1度もありません。
しかし、欠片の存在自体がウンザリします…
そもそもこれ、コンプガチャに抵触しないのか…

素材アイテムによるキャラの強化や、技をガチャなどで集める点も、格闘ゲームだとソシャゲ感を強く感じてしまいますね。

TEKKEN キャラの欠片
※キャラが出た! と思ったら 1/10 の欠片。
あと9個集めて下さいとか、やってられん…
他のキャラの欠片も出るというのに…

TEKKEN 技カード
※すでに入手済みのキャラの欠片を手に入れた場合は、技カードに変換されます。
使ったカードは同じ対戦中、再使用不可。
私的にはガードブレイク技は外していい気がします。
射程が短いし、相手がガードしてないとクリーンヒットしないし、強攻撃でもガードは崩せるし…

とにかく日本のソシャゲではない、欧米的なソシャゲらしさを感じるゲームです。
名前が「鉄拳」ではなく「TEKKEN」なのも、その辺が理由かもしれません。
※現在は名前に漢字表記も付いています。

特に課金回りで違和感は強いですが、ただこれが日本のソシャゲだったら、ポチポチゲーやカードバトルになっていたかも…
MARVEL ASB 型とは言え、ちゃんと格闘ゲームとして成り立っているのは、欧米型ソシャゲの良い点と言えるかもしれません。

ストーリーモードだけ短期的に楽しむ格闘ゲームとして考えれば、クオリティが高く、手軽に遊べ、課金も要らない良作です。
まあストーリーと言っても短い文章がちょこっと付いているだけで、物語らしいシーンはオープニングとエンディングしかないのですが…
それでも無いより良いですし、バトル自体が楽しめます。

本家の鉄拳や本格格闘ゲームを求めている人には物足りないと思いますが、幅広いユーザーが楽しめるスタイルの格闘ゲームですね。

私的に鉄拳には、マニアックなバーチャファイターにスト2ライクな遊びやすさで対抗し、大衆の支持をつかんで追い越した 3D 格ゲーという印象があるので、今作もある意味、鉄拳らしいのかも、とも思います。

TEKKENTEKKEN(iPhone 版、App Store)

TEKKEN(Android 版、Google Play)

※Youtube 公式 PV

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