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三極ジャスティス レビュー

三極ジャスティス三極ジャスティス
ソーシャルゲーム シューティング
ケイブ(日本)
アプリ無料、課金・ガチャ・スタミナあり
レビュー公開:2018/6/2
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ケイブ久々の新作はイデオロギー大戦

深刻な少子高齢化の解決策として、工場で人間を人工的に生産することにした未来の日本。
それにより巻き起こった騒乱の末、政府官僚、学生運動、外国組織の三つの勢力がそれぞれの正義を掲げて日本全土で戦う、多人数オンライン対戦のソーシャルシューティングゲームが公開されています。
三極ジャスティス」です。

三極ジャスティス

事前情報がキャラ紹介ばかりで、どんなゲームなのか公開まで解らなかったのですが、基本的には全方向スクロールのシューティングゲームです。
ただ、挑戦するステージは他の陣営のプレイヤーがマップ上に配置したもの。
互いに拠点(ステージ)を破壊&設置しながら、自軍の支配地を広げていき、陣営の勝利を目指します。

シューティングシーンは早ければ1分ほどで終わり、戦争も 20 分ほどで区切りが付くため、トラビアン系のように延々と続く訳ではありません。

ガチャのあるソーシャルゲームですが、バトルは1人用のシューティングゲームで、他のプレイヤーと直接撃ち合う訳ではないので、無課金だと重課金者に勝てない、みたいなことはないのでご安心を。

ごく一部の人にしか解らない表現ですが… 「スマホ時代のジオ爆」ですね。

ソーシャルゲームなのでアプリ本体は無料ですが、課金やガチャ、スタミナがあります。
ただ、課金しなくても爽快感のあるシューティングを楽しめます。

三極ジャスティス 戦闘シーン
三極ジャスティス マップ画面

まずはゲームの大きな魅力である「世界観」について説明しておきましょう。

このゲームは冒頭で述べたように、人工人間が生産されている近未来の日本を舞台としていて、プレイヤーは戦闘ロボットを操って戦います。
しかし舞台設定は明らかに昭和中期の右翼と左翼の闘争や、学生運動をベースにしているのが伺えます。

そのため政府側である「カスミガセキ」陣営は、昭和や大正を思わせる黒い学ランのような制服で身を固めていて、まるで昔の極右組織。

一方、対抗する学生組織の「ヤオヨロズ」は今風の学生達が中心ですが、校舎には「決起」「立ち上がれ生徒諸君!!」といった垂れ幕があり、まるで全共闘時代の左翼系学生運動。

始める前は「今時のゲームで右翼とか左翼とかマズいから、それっぽい感じだけど実際には違うんだろう」と思っていたのですが、割とストレートに右翼左翼な表現でビビりました。

もう1つの「ダクシス」は外国人の犯罪組織という設定ですが、アニメ系というかデススマイルズ系というか… ケイブ陣営。
何やら裏設定があるようですが、他の2つとは雰囲気が違い、昨今のケイブらしい陣営も入れてみたという感じですね。

ゲーム開始時、プレイヤーには性格診断のような5つの質問が出され、それによってオススメの陣営が提示されます。
無視しても良いのですが、イデオロギー対立がテーマにあるので、やはりプレイヤーの考えに沿った陣営を選んで欲しいようです。

なお、昨今のケイブのゲームなのでギャルゲーだと思っていたのですが、意外にも男性キャラも多いです。
特にカスミガセキのリーダーは男性、そして一番キャラが立っています。

三極ジャスティス カスミガセキ
※「カスミガセキ」の2人。クーデターで政権を取ったが、日本の復活と安定を第一とする。
ただし専制的で軍閥的、割と大日本帝国な感じ。

三極ジャスティス ヤオヨロズ
※「ヤオヨロズ」のメンバー。民主と自由を取り戻し、平和の再生を夢見る学生達。
中露の支援を受けており、テロリストと呼ばれたりするが、共産主義者ではない。

三極ジャスティス ダクシズ
※「ダクシス」の自称悪人。兵器の実験と宣伝が目的の営利第一主義ですが、裏に大国がある模様?
一番よく解らない勢力で、とりあえずデススマファンに人気。

そしてゲーム内容ですが、数十人が参加しているオンライン対戦の戦場に部隊長の一人として加わります。
入場すると、三角形のマスで区切られた戦略マップが現れ、三角形の頂点の部分に各陣営の拠点が築かれています。

拠点の総数は決められているため、新しい拠点を築くには、他の陣営の拠点を破壊しなければなりません。
拠点を攻撃すると、すぐにシューティングシーンに移行します。

ただ、シューティングシーンの難易度は「警戒値」によって変化します。
三角形の3つの頂点に同じ陣営の拠点があると、その三角形のマスは陣営の「領地」になります。
そして接している領地の数だけ拠点の警戒値が上昇し、バトルが難しくなります。
よって相手の領地を削り、こちらの領地を増やすように拠点を築いていくのが基本となります。

また、勝敗は拠点が殲滅されるか、時間切れになった時の領地の数で決まります。
よほどの戦力差がないと殲滅で終わることはないので、いかに領地を確保できるかが重要です。

ただ、拠点の設置は「早い者勝ち」なので、そうそううまく行きません…
一度建設した人は3分間は再設置できませんが、戦場に 50 人とかいたら、建設予定地を連打して超速攻で入力しても、先を越されることが多いです。

何度も攻撃してやっと敵基地を破壊しても、その直後に敵の拠点を同じ場所に作られると、ちょっとウンザリ。
この辺は巷のレビューでも批判が多く、調整があった方が良い気がします。

しかし、なかなか思考性の高いシステム。
特に今作は「三極ジャスティス」なので、常に三つ巴戦。
一方に集中していると残った陣営が漁夫の利を得るし、敵を押し込んでいても後方が別勢力に削られてたりして、良い感じに駆け引きがあります。

敵と味方がどこを攻撃しているか、リアルタイムでマップ上に表示されているため臨場感があり、拠点の警戒度を増減させる「戦術」などもあって、なかなかしっかり戦術ゲームになっています。

三極ジャスティス 戦略マップ
※戦略マップはこんな感じ。上に書かれている数字は拠点数ではなく領土数。
シューティングに自信がない人は、敵領土にあまり接していない拠点を狙いましょう。
でも拠点を増やさないと意味がないので、破壊だけに集中しないように。
拠点は通常、すでにある味方拠点の隣しか作れず、その HP は不利なほど高くなります。
拠点を作った後、次に作れるようになるまでの待機時間はタイマーの下に表示されます。
戦術に必要な SP はバトルによって増え、コンボが多いほど増加、極端に不利だと倍増します。

三極ジャスティス エリア戦況画面
※各戦場の勝敗によって制圧点が貯まっていき、期間の終了後、上位の勢力が優勢になる物語が展開されていく予定。
参戦できる戦場はプレイヤーのレベルによって決められています。

シューティングシーンは前述したように全方向スクロールシューティング。
画面をスライドして移動し、ショットは自動です。

当然敵も弾を撃って来て、被弾するとダメージを受けます。
大量の弾をバラまく敵もいて、その辺にはしっかりケイブらしさがありますね。

ただ、警戒度が低い拠点を攻めた場合は、それほど難しくありません。
素早い動きで戦場を駆け回りながら、オートショットで並みいる敵をバリバリ倒しまくれる無双的な内容で、シューティングをあまりしない方でも大丈夫です。

戦場はいくつかの部屋に分かれていて、その部屋のボス(キャラクター搭乗機)を倒すと次の部屋に向かえます。
ザコは無視しても構いませんが、最後の部屋は全ての敵を破壊しなければなりません。

そしてこのバトルのマップとキャラクターの配置は、拠点を設置するプレイヤーが決められます。
あらかじめ編集画面でマップを選び、どの部屋にどのキャラを出すか設定。
つまりキャラクターはロボットを操るパイロットであると同時に、防衛拠点に設置するボスキャラでもあります。

もちろん SR や SSR のキャラの方が強いのですが、上位キャラは配置コストが高く、強キャラだけだとすぐコスト制限をオーバーしてしまいます。
入口に強キャラを2人を置いて一発勝負をかける手もありますが、それだと短時間でクリアされます。
弱いキャラを各部屋に置いて時間を稼ぐ手もあり、どう作るかはプレイヤー次第。

ただ、前述したように警戒度が低いと強キャラがいてもラクに突破されるので、防衛力の高い拠点はそう簡単には作れません。

シューティングシーンをクリアすると、経験値や資金、強化素材などを得られ、さらに拠点にダメージが入ります。
プレイヤーがやられた場合、拠点設置者の防衛成功となり、終戦時にボーナス経験値が与えられます。

三極ジャスティス 戦闘スキル発動
※バトルで戦闘スキルを発動したシーン。
重要なのは、これが弾消しボムも兼ねていること。
また、軽量機が持つダッシュは高速移動に加えて、ダッシュ中は無敵です。
他の陣営のキャラクターでもパイロットにすることができます。

三極ジャスティス 編成画面
※自機はパイロット+ロボット+武器で強さが決まります。
武器には連射するマシンガンや長射程のライフルなど、いくつかの種類があるので、設計図を得られたら好みに応じて持ち替えましょう。
ロボットはガード可能な重装機や、ちょっと変わった特殊機があり、持てる武器はタイプによって異なります。

三極ジャスティス 拠点編集画面
※拠点編集画面。これを行ってないとデフォルトの弱い拠点になってしまうので、可能になったら編集するのをお忘れなく。
コストが厳しいので、レアキャラをバンバン入れられるようなものではありません。
同陣営のキャラだと配置コストが少し下がります。
嫌な相手の拠点を参考にするのが良いですね。

難点だと思ったのは、スタミナ制であること。
このゲームのスタミナは BP と呼ばれ、戦闘のたびに減っていき、なくなると戦争中でも攻撃できなくなります。
せめて1つの戦いの終わりまでは気兼ねなく遊ばせて欲しい…
無論、スタミナ回復アイテムを使えば気にしなくて済みますが…

また、武器や搭乗機の製造、その改造や強化、キャラクターのレベルアップや覚醒、スキル効果の上昇など、多彩な強化要素があるのですが、それぞれに異なる素材が必要になります。

素材はすべて戦闘で得られますが、種類も必要量もとにかく多いので、いかにも集めるのが大変そうで、どれが何に必要なのかも解り辛い。
もうちょっとまとめて欲しかった気もします。

ガチャソシャゲなので、やはり「高レアが出ない。クソゲー」みたいな意見も散見されますね。
ただ、シューティングなのでキャラよりもプレイヤーの腕前の方が重要。
また、攻撃する拠点を選べば難しくはないので、無理に SSR が必要なものではありません。

加えて、現時点ではガチャで出るのはキャラクターだけで、武器、搭乗機、その他の特技等はゲームを通して手に入れる必要があり、ガチャだけで戦うゲームにはなっていない印象です。

なお、1人用のシューティングモード「演習」があるのですが、これはスタミナではなく名声値(戦争での活躍で入手)で実行でき、クリアすると経験値に加え、スタミナが少し増えます。
名声値はガチャにも使えるのですが、戦争前のスタミナの準備に役立ち、スタミナ回復アイテムと交換することも出来るので、それらに使った方が良いでしょう。

三極ジャスティス 兵器製造画面
※ロボを新造するには設計図と素材が必要。下位素材を上位素材に変換する必要もあります。
武器の製造や改造に使う素材はそれぞれ別。キャラ関連もまた別。
そこまで細分化するんなら、アイテム画面での表示も細分化しといて欲しい。
強化に必要な素材を事前に確認できないのも難。

三極ジャスティス タレントスキル
※レベルアップすると TP と呼ばれるポイントを得られ、ツリー形式の「タレントスキル」を習得できます。
上位の開発に必要になりますが、それより優先したいのは「戦術」。
特に相手が建設中の Lv1 拠点を Lv2 拠点で上書きできる「中級設営」は必須なので、優先して取りに行きましょう。
Lv2 拠点には SP が 20 必要ですが、中級を取ったら、後方は Lv1、前線は Lv2 と使い分けましょう。

知っている人は少ないと思いますが… ガラケー時代、ケイブは「ジオラマ大爆破」という多人数オンライン対戦のゲームを公開していました。
それはプレイヤーを2つの陣営に分け、相手側のプレイヤーがマップ上に配置したシューティング等のステージを攻略し合い、支配地を広げて勝利を目指すというものでした。

私はこのジオ爆に結構ハマっていて、「あぁ、スマホでもジオ爆みたいなの出してくれないかな」とずっと思っていたのですが… これはまさにそんなゲーム。
実際、ジオ爆の開発者の方が関わっているようです。

私的には、とても日本人向きの多人数オンライン対戦ゲームだと思います。
直接の対戦だと初心者は為すすべなくフルボッコ、少人数のチーム戦だと味方の足を引っ張ることにもなり、そういうのは日本人には辛い。

しかしこのゲームは敵の配置をプレイヤーが編集できるとは言え、撃ち合う相手はコンピューター。
これなら初心者でも楽しめます。
おまけに戦場には 30 人とか 50 人とかいるので、自分1人がヘタでもあまり大勢には影響しない。
気軽に飛び込むことができます。

ちゃんとケイブらしい演出と爽快感を持つゲームでもあり、普通にカジュアルなシューティングとして楽しめます。
イロモノ感のある作品ですが、私的に好みで、オススメしたいゲームですね。
あと、出来ればケイブには怒首領蜂などの iOS11 対応を…

三極ジャスティス三極ジャスティス (iOS 版、App Store)

三極ジャスティス (Android、Google Play)

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