Wonder Blade
ベルトスクロールアクション
Puppet Depot
価格 600 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2018/8/13
突然現れた格闘アクションの傑作
さらわれたお姫様を救うため、剣闘士が敵兵やモンスターをボコボコにしながら突き進んでいく、非常にクオリティの高い横スクロールの格闘アクションゲームが公開されています。
「Wonder Blade」です。
操作感も演出も良く、展開もスピーディー。
スマホのゲームとしては、いや、専用ゲーム機の作品を含めても、一級の格闘アクションです。
このゲーム、各所で XBOX / PS3 で発売されていた横スクロール格闘アクション「Castle Crashers」との類似性を指摘されています。
確かにゲーム展開や攻撃演出などに似ている部分があり、海外では「Castle Crashers Pocket」とか言われていたりもしますが…
ただ、同じファイナルファイト型の横スクロール格闘アクションである以上、内容は似ざるを得ないし、Castle Crashers よりも動きが良く、滑らかで、キャラクターも大きく、表現もユニーク。
むしろこちらの方が優れた、新たな作品という印象です。
そもそも言うほど似ていない。
私はどちらかと言うと、一部のキャラデザインが Battleheart でおなじみのメーカー Mika Mobile の初期作品に似ている方が気になりますが…
そんなこと言ってたらキリがないですね。
ともかく、秀作の横スクロール格闘アクションなのは間違いありません。
価格は 600 円。買い切りゲームなので課金・広告・スタミナ等はありません。
開発メーカーは Puppet Depot とのことですが、詳細は不明… 公開者は中華系の方のようです。
敵がバラバラになるなど、やや残酷な表現があるのでご注意下さい。
画面左側をスライドして移動、ボタン連打で連続攻撃を繰り出し、次々と襲いかかってくる敵をボコボコにしていく、いわゆる「ベルトスクロールアクション」です。
Bボタンでジャンプ、Yボタンで回避、Xボタンで魔法を発動し、ジャンプ+攻撃で華麗な空中連続技も可能。
魔法は遠距離攻撃できますが、MP ゲージを消費します。
とにかくアクションが派手で、スピーディーかつ滑らか。
カッコいい連続攻撃をバシバシ繰り出して、爽快に敵を殲滅していけます。
また、攻撃した敵に「Y」マークが付くことがあり、その敵の近くでYボタンを押すと、ちょっと残酷な Execute(処刑技)が発動。
ズームして連続突きや暗殺技などが繰り出され、敵を一撃で倒せます。
アクションが非常に豊富で、さらに特筆すべきは敵キャラクターのしぐさや演出。
ビックリしたり、怒ったり、笑ったり、捕まってたり、多くの敵がユーモラスで多彩な表情を見せてくれます。
ボスが化粧中とか、弓の練習をしていて誤射するとか、コントのようなシーンも次々と。
背景などもしっかり書き込まれていて、全編を通じて手抜きを全く感じません。
※ゴブリンがアジトの洞窟でお休み中。
シャワールームから出てきたゴブリンが主人公を見てビビるとか、演出が細かい。
※後ろから迫る巨大モンスター! 主人公はブタに乗って逃げる!
これとソックリなシーンが Castle Crashers にあって、そのため Castle Crashers のパクリとか言われているようですが、ここはおそらくオマージュのシーンで、ワザと似せているのではないかと思います。
全編を通してソックリという訳ではありません。
他にも乗り物や馬車、船などで類似性が言われてますが、そんなこと言ったらゴールデンアックスとか D&D とかキングオブドラゴンズとかエイリアンVSプレデターとかにも似たシーンはあるのでキリがない。
ここ十数年、ベルトスクロールアクションのヒット作が CC ぐらいしかないので、それしか知らない人が多いのもパクリと言われる理由の気がします。
※ボーナスステージはお約束の車の破壊。
初期のスト2にあったタルを壊すシーンもあります。
長期的な育成要素もあり、敵を倒しているとレベルアップ。
ステータスを高められ、新技も習得可能、敵が武器をドロップすることもあります。
ゲームが進むとマスクを得られ、見た目を大きく変化させることも可能。
ショップも用意されていて、集めたコインで回復薬や復活の羽などを購入できます。
…が、気になったのは難易度。
序盤のザコ戦はすごく簡単で、連打しているだけでも無双できます。
ところが、ボスだけは異様に強い。
特に異常なのが2面のボス。
私も何度となく倒され、このゲームのプレイヤーの大半はここで挫折するんじゃないかと思った程のレベルです。
横スクロール格闘ゲームで2面のボスが超強いってのはお約束でもあるのですが、それにしてもザコとのギャップが酷い。
ここだけバランスが厳しすぎるのを感じます…
ザコ戦も6面ぐらいから手強くなってくるので、全体としてはゲーマー向けの難易度ですね。
ただそれは、ゲーム好きがしっかり楽しめる難易度と言うことでもあります。
もしやられても、1つのステージはいくつかのシーンに分けられていて、到達済みの好きなシーンからリスタートできます。
ただ、シーンによっては結構長いので、かなり戻されてしまうことも。
どうしてもクリアできない時は前のステージに戻って、お金と経験値を稼ぎ、薬などを買ってから再挑戦した方が良いでしょう。
※この2面のボス、大イノシシが強すぎる!
やたら高い攻撃力と耐久力に加え、少し殴ったらすぐに回避しないと殴り返される反応の速さを持ち、必殺技の回転ゴロゴロ攻撃が変位抜刀霞斬りの如く体力を奪ってきます。
事前にお金を貯めてショップで回復薬5つと復活の羽を買って挑むのが基本。
攻撃は魔法を主体にして、ヘタに近付かないようにしましょう。
※ガンダム的な何かの渾身のアッパー炸裂。
恐竜やらロボやら乗り物も色々あり、馬車に乗って逃げるシーン等もあって、飽きの来ない展開が続きます。
※シーンセレクト画面とスキル習得画面。
2-3 でマップ画面に戻っても、再開時に 2-1 からにはならず、2-3 から始められます。
魔法はボス戦で必須なので、魔法の強化も忘れずに。
これほどまでにクオリティの高い作品がいきなり出てきたのは驚き。
香港のメーカー Mooff Games が色々なゲームの要素をジョークとして盛り込んだ作品を作っていますが、このゲームはそんな感じの、色々な格闘系ゲームのワンシーンをネタにしたような内容です。
そして細部まで丁寧に作り込まれています。
ちょっと2面ボス以降、万人向けとは言えない難易度ですが、現時点のスマホの横スクロール格闘アクションの決定版と言えるゲームでしょう。
※Youtube 公式 PV
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