このページでは iPhone / iPod touch の将棋アプリを、特徴や機能などを説明しつつ、一覧で比較紹介しています。
様々な将棋アプリの中で、どれが自分に合っているかを判断する参考にして頂ければと思います。
※なお、筆者は将棋に関しては素人なので・・・ 機能や操作性をメインにした紹介としています。 上級者向けの解説にはなっていない事をご了承下さい。
(各アプリの「強さ」に関しては将棋アプリ対局トーナメントをご覧下さい)
将棋 |
柿木将棋 | 森田将棋 | 金沢将棋レベル100 | i将棋サロン |
将棋Z | IT将棋 / Bonanza |
※現在、オンライン対戦将棋で一番オススメなのは「将棋ウォーズ」です。
その解説は こちら で行っています。
柿木将棋
形式 | 縦画面 |
メーカー | Yoshikazu Kakinoki |
販売開始 | 2009年1月 |
価格 | 450円 |
iPad対応 | iPad 版あり、450円 |
サウンド | BGM:なし、効果音:あり |
難易度 | 7段階 |
駒落ち | あり |
実績記録 | あり |
棋譜記録 | あり、メール送信可能 |
モード | 通常対局のみ |
再開 | あり |
コンピューターソフトの将棋としては定番かつ古参の「柿木将棋」の移植版。
世界コンピューター将棋選手権の常連ソフトでもあります。
タイトル画面もない非常にシンプルな将棋アプリですが、操作性が良く画面も見やすく、必要な機能は一通りそろっています。
拡大/縮小もありますが、拡大すると画面がぼやけてしまいますし、拡大しなくても駒は動かしやすいので、ズームの必要はないでしょう。
コンピューターの思考中でも「まった」が効くのでミスってもすぐやり直せます。
対局中にどちらが有利かを示す「形勢」の数値を表示でき、対局後に「その他」のメニューからその変動をグラフで確認する事も可能です。
演出に乏しく「ゲーム的な要素」や「やり込み要素」はありません。
「王手」や「詰み」の知らせもありません。(COM の「投了」は表示される)
しかしシンプルにまとまっていて、気軽に遊べる将棋アプリです。
どちらかと言うと、戦術研究などに向いているアプリかもしれませんね。
柿木将棋 for iPad(iTunes 起動、iPad 専用)
森田将棋
形式 | 横画面 |
メーカー | タイトー |
販売開始 | 2009年7月 |
価格 | 450円 |
iPad対応 | iPad 版あり、450円 |
サウンド | BGM:なし、効果音:あり |
難易度 | 6段階 |
駒落ち | あり |
実績記録 | あり |
棋譜記録 | あり |
モード | 通常対局 と 勝ち抜き戦 特定条件で貰えるトロフィーあり |
再開 | あり |
数々の家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機で販売された将棋ソフト「森田将棋」の iPhone / iPod touch 版です。
森田将棋は世界コンピューター将棋選手権で 1991 年に優勝しています。
単なる通常対局だけでなく、連勝記録に挑戦する「勝抜き戦」もあり、成績表示では対局数や勝利数などで貰えるトロフィーも表示されます。
こうした「ゲーム的要素」や「やり込み要素」が用意されている将棋アプリはまだ少ないので、その点で優れていると言えますね。
将棋のルール解説や「用語集」も用意されていて、初心者への配慮も伺えます。
やや難点なのは操作面で、タップした際に誤って隣の駒を選んでしまうケースがあり、操作時には注意しなければなりません。
拡大表示すれば操作ミスを防ぐ事が出来ますが、拡大/縮小はピンチ操作で行うためやや手間で、拡大後は手動で縮小しないと盤面全体を確認できません。
(ただ、現バージョンの操作性は iTunes のレビュー酷評されている程ではないと思います。 これでミスを多発する人は他の将棋アプリでも同様でしょう)
操作はタップ操作とドラッグ操作の2種類を選択できます。
画面のクオリティーは高く、拡大時でも駒が綺麗に表示されます。
駒は5種類、将棋盤の絵も7種類用意されています。
単に将棋をやるだけでなく、何らかの追加要素が欲しい人にオススメですね。
金沢将棋レベル100
形式 | 縦画面 |
メーカー | UNBALANCE Corp. |
販売開始 | 2010年3月 |
価格 | 250円 |
iPad対応 | iPad 版あり、450円 |
サウンド | BGM:なし、効果音:あり 棋譜の読み上げあり |
難易度 | 100段階 |
駒落ち | あり |
実績記録 | あり 勝ったレベルごとにメダルを表示 |
棋譜記録 | あり、メール送信可能 |
モード | 通常対局のみ |
再開 | あり |
かつての世界コンピューター将棋選手権の常連で、1996年と1999年に2度の優勝(前身となった「極」というソフトの頃も含めると1990年代に5度優勝)しているのが、この「金沢将棋」です。
その実績を買われ、多くの家庭用ゲーム機やパソコン用将棋ソフトの基本 AI になりました。
iPhone / iPod touch 版も、そのバリエーションの1つですね。
最大の特徴は「レベル100」の名が示す通り、難易度が100段階もあること!
100のレベルが一覧表になっていて、勝ったレベルには「メダル」が表示されていくので、それを集めるという「やり込み要素」もあります。
メダルの獲得により駒や将棋盤の種類が増えていく要素もあり、中にはユニークな将棋盤もあります。
メダルには数種類があって、「ヒント」や「待った」を使わず、駒落ちなどの難しい条件で勝つほど良いメダルが貰えます。
画面をタップすると周辺が拡大され、その後に駒をタップで動かすというスタイルになっているので、操作ミスも起こらないようになっています。
操作後は自動的に画面が縮小されます。
拡大/縮小をなしにする事や、ダブルタップで任意にズームする事も可能です。
拡大しても駒は綺麗に表示されます。
また、このアプリは一手ごとに棋譜を音声で読み上げてくれる機能があります。
読み上げが ON だとゲームのテンポは落ちますが、読み上げをオフにする事も可能ですし、タップでカットする事も出来ます。
後発のソフトだけあって、他の将棋ソフトを参考にした作りになっています。
総合的に優れていて、オススメ出来る将棋アプリと言えますね。
i将棋サロン(iShogi Salon)
形式 | 縦画面 |
メーカー | DreamOnline,inc. |
販売開始 | 2009年11月 |
価格 | 450円、無料体験版あり |
iPad対応 | なし(iPhone サイズ) |
サウンド | BGM:なし、効果音:あり |
難易度 | 3段階+オンラインCOM6段階 |
駒落ち | なし |
実績記録 | 勝敗数のみ |
棋譜記録 | あり |
盤面編集 | なし |
モード | ネットワーク対戦が可能 |
再開 | なし(手動での中断のみ) |
なんと「ネットワーク対戦」が可能な将棋ソフトです!
「サロン」にログインして、そこに誰かがいればオンラインの通信対戦をする事が可能です。
オンライン対戦のレスポンス(動作など)はとてもスムーズで、(人さえいれば)快適に世界中のプレイヤーと対局する事が出来ます。
回線接続は Wi-Fi でも 3G 通信でも OK です。
Android 版や、Windows の「将棋オンライン」とも対戦が可能なためプレイヤーも多いですね。
1人でもコンピューターとローカル対戦をする事が出来ますが、ネットワーク上に用意されている「GPS将棋」という AI と勝負する事も可能です。
この GPS 将棋は2009年度の世界コンピューター将棋選手権の優勝者であり、最新かつ最強のコンピューターと言えます。
ネット上のサーバーとの対戦ですが、レスポンスが遅いという事はありません。
将棋アプリとしては、ナナメ視点の 3D グラフィックが特徴で、そのためリアルな動きが表示される反面、やり辛さもあったのですが・・・
アップデートによって真上の視点に変更する事も可能になり、対局中のズームを Auto zoom にすると駒を選んだ際に自動拡大されるようになるので、操作ミスもしにくくなりました。
アップデートはかなり頻繁で、今後も機能改善は続くと思われます。
制限時間を設定可能で、持ち時間30分・10分・一手30秒・無制限を選べます。
持ち時間はなくなると一手30秒に移行、それもオーバーすると負けとなります。
この点はネットワーク対戦用アプリならではと言えますね。
ローカル対戦なら手動で中断する事は可能ですが、ネットワーク対戦(対 GPS 戦を含む)だと中断は出来ません。
戦績表示は勝敗数のみですが、棋譜は保存/再生可能です。
なんと言ってもオンライン対戦可能な事が魅力でしょう。
サロンに人がいないとダメで、通信可能である必要もありますが、チャットも導入され、人も増えているようです。
見知らぬ人との対戦だけでなく、離れた場所にいる知人と対戦するという使い方もできますね。
※アプリ名は iShogi Salon から i将棋サロン に変更されました。
ここからは、私的にはやや評価が劣る将棋アプリをご紹介します。
私としてはイマイチに感じましたが、評価は人それぞれですし、将棋アプリを比較する際の参考にして頂ければと思います。
将棋 Z
縦画面、Ichiro Matano、2010年3月発売、250円
難度3段階、駒落ちあり、実績記録なし、通常対局のみ
操作性の良好な将棋アプリです。
特に設定変更する事なく、ドラッグでの操作とタップでの操作の両方が可能です。
ドラッグ操作だと指を離すまでの間、駒の位置が表示され続けているので、ミスを防ぐ事もできますね。
ただし拡大/縮小機能はありません。
「盤面編集」が可能で、好きなように駒を置き、そこから対局を開始する事が出来ます。
よって有名な対局の盤面を再現して指すと言った事も可能です。
棋譜は記録されますが保存する事はできません。
実績の記録などもありません。
操作性が良くてシンプルなので気楽に将棋を指したい時にはいいでしょう。
コンピューターの思考時間も短く、サクサク進みます。
駒を「洋風」にすると移動方向が書かれたものになるので、初心者にも解りやすくなっています。
コンピューターの強さは他のアプリと比べると弱いので、その点でも初心者向けと言えますね。
IT将棋 / Bonanza
縦、MAGNOLIA、2009年7月/2010年2月発売、85円
難度3段階、駒落ちあり、実績記録なし、通常対局のみ
「IT将棋」と「Bonanza」は同じメーカーの同じようなソフトで、画面もメニューもほぼ一緒です。
ただ、使用されている将棋思考エンジン(AI)が異なります。
「Bonanza」で使用されている AI は2006年度の世界コンピューター将棋選手権で優勝しており、プロ棋士も追い詰めたという強さを持つ有名なものです。
iPhone / iPod touch 版のものは、パソコン版よりは弱いようですが、高い棋力を持つようですね。
「盤面編集」も可能で、好きなように駒を配置して、そこから対局をする事も出来ます。
しかしこの両ソフトは他のアプリと比べ、画像や機能が劣ります。
駒のデザインがあまり綺麗でなく、駒を打つ際の拡大機能もありますが、拡大すると絵がますますぼやけます。 演出に乏しく、実績記録などもありません。
ただ拡大して駒を動かした後は自動で縮小するので、操作性は悪くありません。
IT将棋は思考時間が非常に短く、Bonanza は思考時間が長いぶん強いので、それぞれに長所はありますね。
(2010年3月時点の IT将棋 と Bonanza にはまれに駒が変わったり増えたりするバグがあるので注意して下さい)
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