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iPhone / iPod 将棋アプリ 対局トーナメント

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前ページでは、iPhone / iPod touch の将棋アプリを、特徴や機能などを説明しつつ一覧で比較紹介いたしました。

しかし私は将棋は素人なので、各将棋アプリの強さは判断できません。

 

そこで2台の iPhone / iPod touch を使い、各アプリを「対局」させてみることにしました。

名付けて「iPhone / iPod touch 将棋アプリ 対局トーナメント」。

 

今回のエントリーとトーナメント表は以下の通りです。

 

iPhone アプリ将棋トーナメント

 

トーナメントの組み合わせは単に iTunes の並び順です。

(アプリが7つしかないので i将棋サロン はシードです)

負けたアプリでの下位決定戦や2位・3位決定戦なども行い、最終的な強さのランキングも割り出します。

 

対局は各アプリの最高レベルを使用、持ち時間設定があるものは無制限とします。

各アプリのバージョンは2010年3月時点のものです。

 

各将棋アプリの「強さ」を計る目安にして頂ければと思います。

 

※ご要望を頂いていたため、(記録が残っているものは)棋譜ファイルを掲載いたしました。

 

 

 

● トーナメント1回戦 第1試合

先手:IT将棋 レベル上 vs 後手:柿木将棋 強さ7

 

IT将棋は居飛車の左美濃囲い柿木将棋は振り飛車の美濃囲いでスタート。

28手目に角交換、その直後に飛車も交換という激しい展開となる。

その後、双方が囲いの逆側に飛車を打って持ち駒を集める。

先にIT将棋がしかけるが、柿木将棋がその攻撃をかわした後、60手目のあたりから反撃に出てそのまま押し切り、83手目に IT将棋が投了

柿木将棋が2回戦に進出

なお、思考時間については IT将棋 の早さが目立った。

 

IT将棋 VS 柿木将棋

棋譜ファイル IT vs 柿木(kif 形式)

 


 

● トーナメント1回戦 第2試合

先手:金沢将棋 レベル100 vs 後手:森田将棋 名人

 

金沢将棋は振り飛車の美濃囲い森田将棋は居飛車の矢倉でスタート。

森田将棋が飛車の前から攻め上がり、角を飛び込ませ相手の角も取るが、金沢将棋が飛車を取り、森田角2枚、金沢飛車2枚の展開に。

森田将棋が持ち駒を打って積極的に攻めようとするが飛車で動きを止められ、逆に金沢将棋が攻勢に出る。

あとは森田将棋は防戦と逃げる一方で、反撃の機会がないまま65手目に詰み

金沢将棋が2回戦進出

思考時間はどちらも同じぐらいで、やや早めだった。

 

金沢将棋 VS 森田将棋

棋譜ファイル 金沢 vs 森田(kif 形式)

 


 

● トーナメント1回戦 第3試合

先手:将棋 Z レベル3 vs 後手:Bonanza レベル上

 

将棋Zは振り飛車の美濃囲いBonanza は居飛車の穴熊でスタート。

30手目に将棋Zも穴熊に移行し、双方が守りの構え。40手目で角の交換。

その後、Bonanza が飛車を突入させ攻め始め、以後はずっと戦いが将棋Zの陣地内で行われ、攻める Bonanza、守る将棋Zという展開となる。

最後は Bonanza の龍が穴熊を切り崩し、74手目で将棋Zが詰み

Bonanza が2回戦進出。

なお、思考時間は将棋Zは早く、Bonanza は序盤以外、終始遅かった。

 

将棋Z VS Bonanza

 


 

● トーナメント準決勝 第1試合

先手:柿木将棋 強さ7 vs 後手:金沢将棋 レベル100

 

まずは角換わり。その後は双方が矢倉を組み、徐々に前線を押し出していく展開。

しばらくは銀の攻防などの小競り合いが続く。

50手目、金沢将棋が角を打って攻勢開始するが、持ち駒がなくなり中断。

その後に柿木将棋も相手の矢倉の裏に角を打って攻撃を開始するが攻めきれない。

 

ここからはシーソーゲーム

しばらく駒を集め合う展開が続いた後、90手目辺りで金沢将棋が再び攻勢に出て、柿木将棋の馬を取る。

しかしここから柿木将棋が逆襲、金沢将棋の王を攻めるが矢倉を崩しきれない。

100手目から120手目まで金沢将棋が攻め、あと一歩まで追い詰めるが届かない。

そこから柿木将棋が再び攻勢を開始、136手目についに金沢将棋が投了した。

柿木将棋は決勝戦に進出。

好勝負だったためか、双方とも思考時間は長めだった。

 

柿木将棋 VS 金沢将棋

棋譜ファイル 柿木 vs 金沢(kif 形式)

 


 

● トーナメント準決勝 第2試合

先手:Bonanza レベル上 vs 後手:i将棋サロン(GPS将棋 King 4D)

 

Bonanza は居飛車で左美濃囲いGPS は四間飛車の穴熊でスタート。

35手目辺りで Bonanza が角を敵陣前まで進めるが銀と引き替えに失う。

50手目辺りで GPS が銀で攻め上がり、結果的に銀の交換で終わった。

60手目で GPS が敵陣に角を打って攻勢を開始、矢倉を崩しにかかり、Bonanza も守りを固めつつ駒を集めるが、90手目の辺りで王の守りがほぼなくなる。

ほどなく GPS は詰め将棋モード(思考時間なしで打ってくる)になり、108手目で Bonanza が詰んだ

i将棋サロン(GPS将棋)は決勝進出

 

Bonanza VS GPS将棋

棋譜ファイル Bonanza vs GPS(kif 形式)

 

なお、Bonanza 側で GPS の持ち駒の歩が1つ増えるというバグが発生

今回の対局には影響なかったが、やはり現時点(2010/3)のiPhone 版 Bonanza には問題があるようだ・・・

思考時間はどちらもかなり長かった。

 


 

● 4位決定戦

先手:金沢将棋レベル100 vs 後手:Bonanza レベル上

 

四間飛車で美濃囲いに持って行こうとする Bonanza に対し、金沢将棋は矢倉から飛車の前の歩を進め急戦。 28手目には角を交換する。

34手目から Bonanza が飛車と角で攻め、角を失う代わりに飛車を飛び込ませる。

しかし金沢将棋が守りをガチガチに固めたため、Bonanza は攻められない。

金沢将棋も角を打って攻めようとするが持ち駒が足りない。

 

双方とも相手の守りを崩せない状態が続くが80手目の辺りから Bonanza がやや攻勢に出始め、多めの持ち駒で110手目辺りから本格的に攻め始める。

そのまま Bonanza が押し切って、134手目に金沢将棋が投了

攻めの Bonanza守りの金沢と言った戦いだった。

 

金沢将棋 VS Bonanza

棋譜ファイル 金沢 vs Bonanza(kif 形式)

 

なお、今回も Bonanza 側では、相手の持ち駒の歩が増えるバグが起こっている。

これが Bonanza の AI に影響を及ぼしたかどうかは不明だ。

思考時間はやはり Bonanza の長さが目立った。

 

これで4位は「金沢将棋」に決定

勝った Bonanza は2位・3位決定戦へ。

 


 

● 下位対局

先手:IT将棋 レベル上 vs 後手:森田将棋 名人

 

相居飛車で森田将棋が飛車を早期に前に出す早い展開

結果として森田将棋がひねり飛車の形に。 IT将棋も早めに攻め上がる。

その後はもう双方がひたすら攻め合う非常に攻撃的な展開に。

森田将棋が先に王手をかけていくがIT将棋も隙を見て攻め始め、先にIT将棋が詰めまで持って行き、69手目で勝利

思考時間はどちらも短めで、サクサクと対局は進んだ。

 

将棋Z VS 森田将棋

 

● 下位対局

先手:将棋 Z レベル3 vs 後手:森田将棋 名人

 

双方が飛車の先の歩を進め、相掛かりでスタート。 双方とも囲うヒマなし。

中盤は将棋Zが銀で攻め上がり、森田がそれを受ける形に。58手目に角交換。

70手目の辺りで森田将棋の飛車角が追い詰められ、すべて将棋Zのものに。

しかしここから森田将棋が将棋Zの守りを崩しにかかり、シーソーゲームへ

90手目辺りで森田将棋の攻勢が途切れ、100手目から再び森田将棋が攻めるが攻めきれず、130手目から逆に将棋Zが王手をかけ続ける。

しかし森田将棋が逃げ延びて反撃、162手目でようやく将棋Zを詰めて勝利した。

 

森田将棋 VS 将棋Z

 

これにより下位は5位「IT将棋」6位「森田将棋」7位「将棋Z」に決定

 


 

● トーナメント決勝戦

先手:柿木将棋 レベル7 vs 後手:i将棋サロン(GPS将棋 King 4D)

 

柿木将棋は歩を進めつつ矢倉の形へ、GPS は居飛車対策をした後に四間飛車の穴熊へ移行。 その後は双方が金と銀を前に出していく。

43手目に GPS が銀で道を開き、飛車を突破させる。 54手目に角を交換。

そこから GPS が柿木将棋の矢倉を崩しにかかり、66手目で柿木将棋の王の守りはほとんどなくなった。

70手目、GPS は思考時間 0 で打ってくる詰め将棋モードに入り、勝負あり。

87手目、柿木将棋が投了GPS 将棋の勝利となった。

思考時間は GPS 将棋の方が長かったが、勝負はほぼ一方的だった。

 

柿木将棋 VS GPS将棋

棋譜ファイル 柿木 vs GPS(kif 形式)

 

これで今回の優勝は「i将棋サロン(GPS将棋)」に決定!

柿木将棋は2位・3位決定戦へ。

 


 

● 2位・3位決定戦

先手:柿木将棋 レベル7 vs 後手:Bonanza レベル上

 

柿木将棋は振り飛車の美濃囲い、一方 Bonanza は王が角の上に上がり天守閣美濃の形に。

40手目辺りで角交換。 49手目に互いに歩(と金)で Bonanza は金、柿木は飛車を取り、直後から Bonanza が王手で攻勢に出る。

そのまま柿木将棋は追い詰められ、56手目が終わった時点で投了

今大会でもっとも短い手数で決着が付いた。

攻撃型で大駒を重視しない Bonanza エンジンらしい展開だったかもしれない。

 

柿木将棋 VS Bonanza

棋譜ファイル 柿木 vs Bonanza(kif 形式)

 

これで2位は「Bonanza」3位は「柿木将棋」に決定!

 

 

【 iPhone / iPod 将棋アプリ トーナメント 最終結果 】

 

と言う訳で、最終結果は以下のようになりました。

 

iPhone 将棋アプリトーナメント 結果発表

 

1位i将棋サロン(GPS将棋)

2位Bonanza

3位柿木将棋

4位:金沢将棋レベル100

5位:IT将棋

6位:森田将棋

7位:将棋Z

 

やはり上位は、2009年の世界コンピューター将棋選手権優勝の GPS 将棋や、2006年に優勝しプロにも善戦して話題になった Bonanza などの、新しい将棋エンジンが占めました。

ただ、この2つは思考時間が長く、GPS 将棋は「ネットワーク上のサーバーにアクセスしてそちらで解析を行う」という特殊なシステムなので、ちょっと別格だった気もしますね。

でも、将棋に自信のある方が選ぶなら、この2つが本命でしょうか。

(なお、i将棋サロンは制限時間の設定も可能なので、GPS 将棋に「早指し」をさせる事も出来ます。 GPS 将棋は早指しでもかなり強いようです)

 

柿木将棋金沢将棋は iPhone / iPod touch の処理速度に合わせた調整を行っているようです。

そのため「強さと早さの両立」を目指していると思われ、単純な強さよりも快適に楽しめる事を優先しているようです。

待ち時間が短めなので、上級者以外の方はこちらの方が遊びやすいと思います。

 

IT将棋はとにかく思考時間が短いです。 サクサクやりたい方にオススメ。

森田将棋は意外に下位。 こちらも遊びやすさを優先した調整なのでしょうか?

将棋Zは初心者向けと言えますね。

 

総合して考えると、どの将棋アプリも「一長一短」だと言えます。

将棋の好きな方は、自分に合っていると思うアプリを選んでみて下さい!

 

 

なお・・・ ゲーム情報サイト「インプレス GAME Watch」に、将棋の有段者の方が IT将棋、森田将棋、柿木将棋 をレビューした記事が掲載されています。

有段者の視点で見た各アプリの特徴や強さが述べられているので、将棋の上手い方の参考になると思います。

Game Watch:iPhone ゲームレビュー 将棋アプリ編

 

 

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