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マリーのアトリエ Plus
~ザールブルグの錬金術士~ レビュー

マリーのアトリエ Plus ~ザールブルグの錬金術士~
マリーのアトリエ Plus
~ザールブルグの錬金術士~
アトリエ系 RPG
コーエー / ガスト(日本)
価格 1200 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2018/3/3
iPhoneAndroid

「アトリエ」シリーズの原点がスマホに登場

「光と闇、秩序と混沌、そして剣と魔法の入り交じる世界があった。
伝説的な英雄と、世紀末的な怪物が、激しくぶつかり合う世界。
今まさに世界の興亡は、選ばれた者たちの手に委ねられようとしていた。

だが… そんな英雄物語は、彼らに任せておけばよいのだ。

世界の大半の人間には、英雄も怪物も関係ない。
自分たちに出来ることをやり、今日を平和に生きることが出来れば、皆それで満足なのだから…」

魔法学校の落ちこぼれが、卒業試験のために町の工房で働く、一介の錬金術士の生活を描いたアイテム製作 RPG が公開されています。
マリーのアトリエ Plus ~ザールブルグの錬金術士~」です。

マリーのアトリエ Plus ~ザールブルグの錬金術士~

1997 年に初代プレステで発売されたゲームの移植版。
「Plus」と付いていますが、イベントやエンディングが少し追加され、BGM と演出が少し増えたぐらいで、ほぼ無印版と変わりません。

町の外で素材を集め、それを組み合わせて様々なアイテムを作り、納品して評判とお金を得る、「アトリエ系」と呼ばれるアイテム作成型 RPG の原点となった作品です。
主人公は英雄でも王女でもない、田舎から出て来た落ちこぼれの生徒で、世界を救うために戦ったり運命に翻弄されたりすることもなく、フツーに工房で依頼品を作る毎日を送ります。

そんな中で、日常的なイベントをこなしながら、魔法学校卒業のためのマジックアイテムの作成を目指します。
ただ、自由度の高いゲームで、製作そっちのけで冒険に出まくっても良いし、盗賊団やドラゴンに挑んでも良いし、試験の日までずっと寝てても構いません。
もちろん寝てた場合にどうなるかはお察しですが。

このゲームが人気になったのは「テンポの良さ」が大きいでしょう。
ゲームの進行もさることながら、場面が頻繁に変わり、セリフがフルボイスにも関わらず、ほとんどデータの読み込み時間がありませんでした。
それはゲームソフトが CD-ROM だった時代には珍しく、快適に遊べるゲームと評判でした。
今はスマホなので CD の読み込みはありませんが、サクサク進むゲーム性はそのままです。

ただ先に言っておきますが、スマホ版はエミュレーター、もしくはそれに近いものです。
ゲームをスマホ / タブレットに合わせて最適化している訳ではなく、昔のものをそのまんま動かして、バーチャルパッドを付けただけに過ぎません。
こうした作りのゲームは以前から批判されていて、つい最近もクロノトリガーが(特にスマホ版を流用した Steam 版で)酷評されていますが、コレもその手です…

しかし iOS 版は、その手のゲームにありがちなグラフィックの「ぼやけ」がなく、ゲームの作りがシンプルなこともあって、劣化感はほとんど感じません。

価格は 1200 円。(3/8 まで発売セールで 840 円)
買い切りゲームなので、課金・スタミナ・広告等は一切ありません。
初動での不具合報告が多いですが、問題がある人は一旦アプリを終了し、タスクからも消して再起動するか、本体の再起動をして下さい。

マリーのアトリエ Plus たる
マリーのアトリエ Plus 調合画面

ほぼコマンド選択型のゲームで、場所の移動、町の外での採集、アイテムの作成などはコマンドで行います。
自宅の工房や、酒場の中などは十字キーで歩き回れますが、動けるのは室内のみ。

ストアレビューでは操作性についての批判が多いのですが、私が iPhone Plus や iPad でプレイした限りでは、問題があるとは感じませんでした。

ただ、十字キーが小さく、本体のサイズに合わせて調整されることもなく、位置や大きさを変える設定もないため、無印 iPhone や iPhone SE だとかなりの小ささになってしまう模様。
Plus でも小さく感じるほどなので、本体と指の大きさによっては操作し辛いかもしれません。
iPad だとちょうど良い大きさなのですが。(まさか iPad 基準で作ってる…?)

まずは町の「アカデミー」に行き、手持ちのお金で参考書や調合器具などを買わなければなりません。
主人公が今までアカデミーで何をしていたのか解りませんが、最初は初級の調合さえ覚えていないので、まずは本を買って学ぶ必要があります。
その後は「近くの森」に行き、草やキノコ、うに(という栗)などの素材を拾い集めます。

…が、主人公は勇者でも何でもない女の子。
野犬に襲われたらたちまちピンチに陥ります。
先に酒場に行き、用心棒となる冒険者を雇わなければなりません。
冒険者には賃金が必要ですが、行き倒れになるよりはマシです。

戦闘は普通のターン制のコマンドバトル。
3x6 のマスの上にキャラクターが配置されていますが、シミュレーション RPG という訳ではありません。
ただ、素早さの高いキャラに何度も順番が回って来る特徴があります。

マリーのアトリエ Plus 工房
※自宅の工房の様子。すぐ散らかすので部屋はどんどん汚く…
歩き回れますがあまり意味はなく、ボタンですぐ調合や図鑑の画面に移動できます。
張り紙にはアドバイスが。外に行くときはドアから出ます。

マリーのアトリエ Plus 戦闘シーン
※戦闘画面。このゲームの MP はアイテムの使用で消費します。
「ひっさつ」はキャラクター固有の技を出しますが、次の行動順が遅くなります。
経験値は戦ったキャラ、敵を倒したキャラにのみ入るので、特定のキャラを集中して育てたい時は、他のキャラは防御しましょう。

無事に素材を持ち帰れたら工房でアイテム調合を行い、新たなアイテムを作り出していきます。
調合と言っても複雑なものではなく、リストから作成可能なものを選ぶだけ。
今作には分量を調整したり、素材を思い付きで選ぶような調合はありません。

調合を繰り返していれば経験値が貯まり、上位のアイテムでも高い確率で作れるようになります。
レベルアップすれば戦闘時の HP や MP も増加します。

また、酒場では納品の依頼を受けることができます。
要求されるアイテムを作成して持っていけば、お金と名声を得られ、名声はイベントの発生条件に関わります。
酒場のオヤジに認められれば、新しい採取地のうわさを聞けるかもしれません。

アイテムには戦闘で活用できるものもあります。
爆弾や回復薬はイザというときに必要なので、できるだけ蓄えておきたいところ。

お金を貯めて新しい参考書や器具を購入すれば、さらに作成できるアイテムが増えていきます。
ゲームが進んで従業員となる「妖精さん」を雇えるようになれば、彼らに採取や調合を手伝って貰えるので、運営はかなりラクになるでしょう。
もちろん彼らにも賃金が必要ですが。

マリーのアトリエ Plus 酒場の依頼画面
※酒場の依頼のほとんどは、下一桁が1の日に更新されます。
依頼品には一定の決まりがあるので、よく出てくるものを作り置きしておくのがラク。
友好度の高い冒険者が工房に依頼をしに来ることもあります。

マリーのアトリエ Plus アイテム作成リスト
※アイテム作成リスト。顔マークが付いているものを作れます。
葉っぱマークは使うと回復、イカズチは攻撃、魔法陣は特殊効果のアイテム。
調合を行っているとマリーの「疲労」が貯まり、成功率が落ちていきます。
そうなったら湖の水や聖水で回復するか、冒険に向かいましょう。
ステータスの「
知識」は経験値の最大値に関わり、それ以上は経験が貯まりません。

マリーのアトリエ Plus 妖精さんの雇用画面
※妖精さんの雇用画面。7人まで雇えます。
雇用費が高い妖精さんほど作業が早く、さらに上位の調合も行えます。
調合の手伝いを考えているなら、できるだけ上位の方が多少高くても元を取れます。

一応ファンタジー RPG の世界なので、各所にモンスターがいて、滝にはボスが、塔には魔人が、山にはドラゴンがいます。
十分に強くなり、戦闘用のアイテムもそろえておけば、それらの打倒も可能かもしれません。
また、高い名声とレベルがあれば、錬金術士の目標「賢者の石」の手がかりを得られるかもしれません。

マルチエンディングになっていて、5年目の9月までに何を成したかで結果が決まります。
ただ、最初は目指すべきものが見えないので、とりあえずお金を稼いでレベルを上げながら、日々の生活を続けていくことになるでしょう。

このゲームは何度も繰り返しプレイして、より良い結果を目指すのが楽しいゲームです。
最初は攻略云々より、出来ることをやっていきましょう。
2度目からは、より上位の目標が見えてくるはず。

エンディングまでの時間はプレイスタイル(調合重視か戦闘重視か)によって変わりますが、1年1時間~2時間、5年で 5~10 時間でしょうか。
家庭用ゲーム機のソフトなので相応のボリュームですが、サクサク進行するため、慣れれば早く進みます。

マリーのアトリエ Plus フィールドマップ
※ワールドマップ。と言っても、この1枚絵のみ。システムはシンプル。
行ける場所は酒場でうわさを聞いたり、おじさんと話すことで増えていきます。
ヴィラント山は最初から行けますが、不用意に向かうとドラゴンに襲われるので注意。
ボス級の敵を倒すには強力なアイテムの作成が不可欠です。

マリーのアトリエ Plus ミニゲーム
※ミニゲームもありますが、スマホ版は小型機種だと十字キーの操作に難があるため、それがここでネックになります…
このネズミを追いかけるミニゲームは、ただ追いかけるだけではダメ。
ちゃんと逃げ道を塞いでおかないと、絶対に捕まえられません。

エミュレーター的なアプリなのは残念ですが、同じエミュ系の 女神転生シリーズ や初期の クロノトリガー と比べたら良い方ですし、何よりアトリエ系はスマホ / タブレットにマッチしています。
パッドとボタンのサイズ調整は欲しい所ですが、このデキなら他のシリーズ作の移植も期待したいですね。

システムを模倣しやすいので似たアプリは多いですが、その元祖。
この系統が好き方や、世界を救う RPG に飽きた方は、一度プレイしておきたいゲームでしょう。

マリーのアトリエ Plus ~ザールブルグの錬金術士~マリーのアトリエ Plus (iOS、App Store)

マリーのアトリエ Plus (Android、Google Play)

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