Mount Everest Story
運営シミュレーション
Jabatoba AB(スウェーデン)
価格 360 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/9/11
イモト や なすび になりたいあなたに。
イッテQで話題になった、世界最高峰「エベレスト」への挑戦。
テレビではプロの登山家とシェルパ(エベレスト登山ガイド)のサポートを受け、アマチュアであるイモトさんや同行ディレクターが過酷な登山ロケを行っていましたが、そんなプロアマ混合チームでエベレストに挑む運営シミュレーションゲームが公開されています。
「Mount Everest Story」です。
先に言っておきますが、そんなにクオリティの高いアプリではありません。
メンバーに登山と下山を命令するのみのシンプルな内容。
1枚の絵の上をマーカーが動いていくのみの、いかにも個人作成といった感じのゲームです。
しかし高度順応、高山病、天候やスケジュールなど、エベレスト登山らしい困難が表現されており、無謀な計画は命を落とす、歯応えのあるゲームになっています。
そう簡単に登頂し、無事に戻ってくることはできません。
価格は 360 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。
開発はスウェーデンの方のようです。
チームのメンバーは固定で、プロ登山家が2人、シェルパ(ガイド)が2人、アマチュア登山家が3人、お金持ちが1人の計8人。
4月半ばからスタートし、5月末までにエベレストの山頂に到達後、ベースキャンプに帰還するのが目標です。
重ねて言いますが、家に帰るまでが登山です。
最初は麓(と言っても標高 5334 m)のベースキャンプに滞在しています。
キャラクターをタップし、登っている絵の「Climb」のボタンを押すと登山開始。
キャラのステータス画面を左右にスライドすると別のキャラクターに切り替わるので、これを利用して全員一斉に Climb の命令を出し、同時に出発させるのが良いでしょう。
目覚まし時計のボタンで、翌日の朝7時に出発させることもできます。
しかし、最初は遅々として進まないはずです。
キャラクターにはコンディション(Condition)、高度順応(Acclimatization)、モラル(Morale)の3つのステータスがあり、最初は順応がぜんぜんありません。
これではエベレスト登山は無理なので、まずは体を慣らさなければなりません。
当面は練習のつもりで登り、早めに下山命令の「Descend」ボタンを押して、夜になる前に帰らせましょう。
登山中はコンディションとモラルが減っていきますが、ベースキャンプにいれば徐々に回復していきます。
※ステータス画面。キャンプにいる時は自動で Rest になります。
時計ボタンで翌朝に出発できますが、設定できるのは登りのみ。
高度順応(Acclimatization)がゲームのカギです。
※天気マークをタップすると予報を見ることができます。
麓、中層、上層の3つのエリアに分かれていて、それぞれ天候が異なります。
最初のうちはベースキャンプに滞在しているだけでも、高度順応は上がっていきます。
しかし登山にはテントの設営やルート確認、酸素やロープの準備なども必要です。
ルート上には C1~C4 までのキャンプがあり、これらの準備が色で表わされています。
最初は赤ですが、途中まで登って降りてを繰り返したり、キャンプに到達してしばらく滞在していると、キャンプの設営やルートの構築が行われ、キャンプ地の色が黄色、さらに緑になっていきます。
緑になればキャンプでの回復力と、道中の移動速度が上がります。
能力の高いプロやシェルパを先行させて、先に準備を整えておくのも戦略の1つでしょう。
高地のキャンプに滞在していれば、より高度順応を得られます。
徐々に標高 8000m に耐えられる体を作っていかなければなりません。
しかしキャンプ地でコンディションは回復しますが、モラルは減り続けます。
モラルはベースキャンプでしか回復できず、登り始めて3日が経過すると、モラルの低下はさらに大きくなります
モラルがないと速度と回復力が落ちます。
よってキャンプ地が緑になったからといって、ずっと留まっていることはできません。
長い時間をかけて、登って降りてを繰り返し、準備を整え、体を慣らしていく…
それがエベレスト登山ですね。
5月31日(May 31)を過ぎるとゲームは終了。
各メンバーの到達位置に応じてスコアが加算され、最終結果が表示されます。
ただしベースキャンプに戻っていないキャラのスコアは「未帰還」となり加算されません。
最終日には必ず戻っておくようにして下さい。
ムチャをして高山病になったり、不幸にも死亡していた場合は、減点を受けてしまいます。
やってみると解りますが、天候の影響で登れないこともあるので、なかなか予定通りにはいきません。
スケジュールもエベレスト登山の壁となります。
※C1 から C2 を目指して斜面を登る一行。
C2 はまだ赤なのでルート確保ができておらず、歩みは遅い。
夜はモラルが低下するので、時間にも気を配りましょう。
※最終キャンプを目指す登山隊。
高度が上がるほど環境は過酷になり、コンディションが低下しやすくなります。
コンディションが劣悪だと HA(頭痛)、AMS(高山病)、HAPE(高地肺水腫)を発症する場合があり、AMS と HAPE はレスキュー隊により強制下山することになります。
状況と症状によっては死亡します。
※スコア画面。シェルパやプロは点数が低め、アマやミリオネア(お金持ち)は点数高め。
お金持ちの Geoff Berger さんは登頂させて帰還すれば高得点ですが、スタミナがないため歩みが遅く、登らせるのは大変です。
もちろん登っただけではダメ。無事に降りて始めてスコアとなります。
シンプルながら、エベレストの厳しさが解るアプリです。
高度順応の大変さや、登頂までの長い道のりは、イッテQ登山部を見ていた方ならご存じのはず。
簡略化されていますが、それらが表現された、リアルさのある内容ですね。
登山シミュレーションという珍しいゲーム。
やや簡素なアプリですが、運営 SLG が好きな方には良いと思います。
・Mount Everest Story(Android 版)
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