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Motorsport Manager Mobile 3

Motorsport Manager Mobile 3Motorsport Manager Mobile 3
レーシングチーム運営シミュレーション
Playsport Games(イギリス)
価格 480 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2018/7/20
iPhoneAndroid

モータースポーツ SLG は更なる高みへ

レーシングチームの監督となり、マシンの開発、スタッフの雇用、ドライバー契約などを行って、レース中は状況を見ながらピットインの指示を出す、リアル系のモータースポーツ・シミュレーションゲームに最新作が登場しました。
Motorsport Manager Mobile 3」です。

Motorsport Manager Mobile 3

約1年前に発売されていた 前作 の正統進化と言える内容で、ゲームの基本部分は変わっていません。
しかしシーズンが短くなってゲームが早く進行するようになり、ドライバーやマシンの能力もハッキリ影響するようになって、ピット指示もより戦略的になりました。

加えて今回はフォーミュラカーのレースだけでなく、GT カーレース、耐久レースも加わっており、異なるルールのシリーズに挑戦できるようになっています。
グラフィックも強化されており、AR に対応したのも特筆すべき点でしょうか。

価格は前作と同じ 480 円。買い切りアプリであり、スタミナや広告はありません。
ゲーム内の資金を買う課金がありますが、必須なものではありません。
「ゲームエディタ」というものが 840 円で売られていますが、これはチーム名やドライバーなどを自由に変更できる、レースファン向けのものです。

Motorsport Manager Mobile 3 メイン画面
Motorsport Manager Mobile 3 レース画面

基本的な流れは前と同じです。
メイン画面にはドライバー、マシン、メカニックなどのボタンが並んでいて、これでレースカーを改良したり、スタッフとの契約を行います。

変更点も含め、各コマンドをざっと説明すると以下の通りです。

= DRIVERS(ドライバー)=

ドライバーの詳細(Details)、レベルアップ時の能力値の振り分け、契約の更新(Renew)、解雇(Fire)などを行えます。

今回のドライバーには、付いたり消えたりする Traits(特性)の他に Personality(個性)があって、個性は変わることはありません。
金にがめついとか、ポジティブで批判に強いとかがあり、ドライバー選びのポイントになります。
前作同様、スポンサーアピールも重要です。

Motorsport Manager Mobile 3 ドライバー
※ドライバーの能力画面。下にスクロールでき、個性やスポンサーアピールはそこに書かれています。
能力値の影響は以下の通り。
Braking:ブレーキング。カーブ手前でブレーキを遅らせられる。
Consistency:一貫性。ラップタイムが安定。
Cornering:コーナリング。コーナーで速い。
Focus:集中力。ミスやクラッシュしにくさ。耐久レースの体力にも影響。
Overtaking:オーバーテイク。追い越しのうまさ。
Smoothness:スムーズ。高いほどタイヤが長持ち。
Race Starts:スタートのうまさ。
Defending:追い越されそうな時のブロックのうまさ。

= CARS(マシン)=

マシンは2台あり、それぞれに専属のドライバーとメカニックがいます。
マシンのステータスはパーツで決まりますが、一部のパーツはマシンに付属されていて、独自に用意できるかはレースの種類やレギュレーション(規制)によって変わります。

パーツは開発や購入で得られ、プロペラ(空力)、歯車、ハンドルのマークが付いているものを集めると、ロケットスタートや雨適性、予選に強いなどのボーナスを得られます。
詳細は View bonus breakdown で確認可能。

ドライバーがマシンに満足しているか(Driver's Opinion)のステータスもあり、Content(納得)なら良いのですが、それ以外だと不満を言い出す場合があります。(マイナスの特性が付く)
性能が良くても、チームメイトのマシンより低いと嫉妬して文句を言ったりします。

Motorsport Manager Mobile 3 マシン
※パーツの色が緑なら他のチームと比較して上位、オレンジなら中位、赤なら劣っています。
下にある Buy Parts のボタンで売り出し中のパーツを買うこともでき、たまに「mod」も売られています。
これは既存のパーツを強化するもので、安価にパワーアップできてお得。

= ALL STAFF(スタッフ)=

技術スタッフの雇用や確認を行えます。
ただ、スタッフは希望者が来ないと雇えず、前作ほど頻繁に交代させることはできません。
後述する「影響力」を使って募集することもできますが。

今回は3人のエンジニアの他に、車ごとに専門のメカニックがいて、レースのセッティングに影響を与えます。

エンジニアは前作同様、Performance(性能)と Reliability(安定性)の2つのパーツ開発能力を持っていて、どちらかを発揮できます。
開発時にどちらを使うか選べるので、両方高い必要はありません。
本部を拡張して開発リーダーを選べるようになると、エンジニアのリーダーシップ修正やボーナスマーク付加を活用できます。

メカニックは予選で使えるセッティングポイント(Setup Skill Level)と2つの追加スキルを持ちますが、2つ目のスキルはドライバーとの信頼関係が高まらないと使用できません。

Motorsport Manager Mobile 3 スタッフ
※上の3人はエンジニア、下の2人はメカニック。
エンジニアやメカニックは Find new engineers / mechanics のボタンで雇用できますが、候補がいないと雇えません。
候補は5人までしかストックできないので、雇わない人は Reject でリストから除いておきましょう。

= SCOUT DRIVERS(スカウト)=

ドライバーをスカウトします。ここは前作と変わりません。
Recommended(お勧め)のリストがあるので、その中から選ぶのが良いでしょう。
初期のセカンドドライバーは能力が低いので、早く誰かに入れ替えたいところ。

ドライバーを選んで Negotiate Contract(契約交渉)を行うと、起用法、レース報酬、契約年数、契約金の設定を行う画面になります。
相手の希望に合っていれば握手マークが進んでいき、相手の手に触れれば契約成功。
失敗すると交渉回数が1つ減ります。交渉できる回数はドライバーによって異なります。

Motorsport Manager Mobile 3 ドライバースカウト
※一番左に相手の現在の待遇、一番右に相手の希望が書かれていて、Very Important ならその項目を重視、Less Important ならあまり重視していません。
これに合わせて設定すれば成功するはずですが、お財布の中身とも相談を。
オフシーズンには契約が切れる人との再交渉(Renew)を忘れずに。

= BUILD PARTS(パーツ開発)=

パーツは一度に数種類を開発できるようになりましたが、以前と大きな違いはありません。
出来映えはメカニックの能力に加え、開発経験にも左右され、同じパーツを何度も作っていると良いものが出来やすくなります。

ただし最初に作れるのはフロント部分(フロントウィング等)だけ。
本部の拡張を行わないと、サスペンションやブレーキ、さらに上の部品は作れません。
開発リーダーの設定にも本部の拡張が必要です。

Motorsport Manager Mobile 3 パーツ開発
※エンジニアは募集に影響力(Influence)を使うようになったので、簡単に入れ替えられなくなりました。
開発時に Bend The Rules のボタンを押すと、影響力を使ってパーツの能力を高められます。
でも「ルールを曲げる」って… まあ、正攻法なだけの世界ではないのだろうけど…

= SPONSORS(スポンサー契約)=

レーシングカーは走る広告塔。スポンサーさんと契約してお金を貰います。
支払いには Upfront Payment(先払い)、Per Race Payments(レースごと)、Target Position と Bonus Payment(指定順位以上のボーナス)があるので、どれがお得かよく見て選びましょう。

そして今作の重要な要素として Influence(影響力)があります。
主にスポンサーとの契約で得られ、スタッフの募集をすぐに行ったり、契約交渉を有利にしたり、開発パーツにボーナスを与えるといった、ゲームを有利にする様々な使い方ができます。

良いスポンサーと契約するにはスポンサーアピールが大切。
これは主にドライバーから得られ、特に序盤は金欠なので、アピールの高い人気者が欲しいですね。

Motorsport Manager Mobile 3 スポンサー
※今回のスポンサーはお金だけでなく影響力も与えてくれます。
スポーツ大会のルールがスポンサーの意向に影響されるのは世の常?

= HEADQUARTERS(本部)=

本部の施設を拡張します。もちろん相応の資金が必要。
今回は複数の拡張工事を平行して行えます。
開発できるパーツも、スポンサーの数も、本部が大きくならないと増えません。
工事はレースの進行によって進みます。

ツリー形式のスキル習得とも言えるでしょうか。
見た目はかなり変わりましたが、扱いは前作と変わりません。

Motorsport Manager Mobile 3 本部の拡張
※妙にカッコ良くなった本部画面。
上は開発系、左は経理系、右はドライバー系のスキルを習得できます。
とりあえず開発系と、追加スポンサー枠(Hospitality Tents)を狙いたいところ。

= SUPPLIER NETWORK(補給体制)=

今作の新システム。補給ネットワークを構築し、世界各地に運用基地を作っていきます。
まずはアメリカ・ヨーロッパ・中国の3つから最初の拠点を選択。
その後、ルートが繋がっている場所に補給路を作り、それを繰り返して他の地域の拠点も手に入れていきます。

補給路の構築には時間がかかりますが、費用はかかりません。
そして拠点には「レース時の収入アップ」「優秀なメカニックを雇用」「タイヤが10%長持ち」といった様々なボーナスがあり、補給路の構築で得られる空路や海路のポイントを消費して獲得することができます。

Motorsport Manager Mobile 3 補給ネットワーク
※いかにも世界で戦ってる感じがする補給路画面。
最初の拠点は優秀なエンジニアが1人やってくるヨーロッパがオススメ。
影響力を使うと Rush(すぐ完了)でき、拠点ボーナスは結構大きいので、当面は影響力は補給路の構築に使うのが良さそう。

メインのコマンドは以上です。
シーズンが半分消化されると翌年のマシンの開発、さらに1シーズンが終わると若手ドライバー育成プログラムも利用できるようになりますが、これらは普段から実行するコマンドではありません。

細かいところで色々違いがありますが、前作のプレイヤーなら迷うことはないでしょう。
見た目が大きく変わっているので最初は面食らうと思いますが、やっていれば「あぁ、同じだな」と思うはず。

ただ、レースシーンには結構違いがあります。
画面右上の「CONTINUE」で日程を進めていくと、2週間ごとにレースが開催されます。

レースシーンはより立体的になり、視点やズームも自由に変えられるようになりました。
箱庭風で、オプション画面で Augmented Reality を選ぶと AR 表示にもできます。
まあ、AR モードはプレイしやすいとは言えませんが…

Motorsport Manager Mobile 3 AR 表示
※横浜コースを AR で映したところ。
でも AR ってずっと構えてないといけないから、手が疲れるんだよね…
なお、名前は横浜ですが、鈴鹿っぽいコース。

レースは種類にもよりますが、まずは予選からスタートします。
予選は F1 でもおなじみの、好きなタイミングでコースに出て、タイムアタックして、また戻ってくるのを繰り返す形式。

ただ、開始前のセッティングが前作とは大幅に変わりました。
なんとカードゲームみたいになっています。

担当メカニックの能力に応じたスパナマークがあり、「3-8、+13%」とか書かれたカードが並べられます。
これを引くと 3~8 個のスパナマークがランダムで減少し、セットアップレベルが 13 %アップします。
セットアップレベルは 20 %ごとにラップタイムが良くなります。

ただしスパナマークが7つしかないのに8が出たりして、マイナスになってしまうとドボン。
その時点でセッティングは終了し、しかもセットアップレベルが低下してしまいます。
スパナが残り5つで「1-6」のカードがあると、ドボンする確率は低いけど、運が悪いとアウトで…
そんなギャンブルなゲームになっています。

このため今回は、予選でのギア比やウィング角度の調整はありません。
タイヤの選択はありますが、雨天でない限り、予選は一番柔らかいもの一択ですね。

Motorsport Manager Mobile 3 予選セッティング
※まさかのカードゲーム。でも前作のようにセッティングをちょっとずつ変えて試すのは面倒だったし、こちらの方が解りやすくて面白いですね。
もちろんセッティング後はコースに出て走ります。
戻って来たらまたセッティングでき、効果は積み重なっていくので、時間いっぱいまでトライしましょう。
3枚目の枠は本部の拡張が必要。ドライバーの中にはカードが減ってしまう人も…

本戦では走り方と、ピットインの指示を出すことができます。

ピットインで重要なのはタイヤの選択と天候。
タイヤは晴天用3種類、雨天用2種類が用意されていて、晴天用はグリップが良い(走りが速い)けど摩耗が早いものと、グリップはイマイチだけど長持ちするものがあります。

レースの周回を見て、長持ちのタイヤで1回交換にするのか、柔らかいタイヤで2回交換にするのか、ドライバーの特性なども考慮して決めなければなりません。

また、雨が降ったらレインタイヤに変える必要があります。
急に雨が降り出したとか、一回止んでまた降った、とかがあるので、それに合わせてピットインのプランも変えなければなりません。

画面下には天気の変化の目安と路面状態のバーグラフがあり、天気マークをタップすると詳細な天気予報を見れるので、必ず確認しておきましょう。

接触などのトラブルで車体がダメージを受け、修理に戻らなければならないこともあります。

Motorsport Manager Mobile 3 雨のモナコグランプリ
※雨のモナコグランプリ。コースは架空ですが、モナコだけは実際のコースを再現しています。
砂漠では雨は降りませんが、山の天気は変わりやすいので注意。
ピットインは出来るだけ減らしたいですが、ハードタイヤで走る戦法は不測の事態に弱いです。

今回は走り方も重要です。
前作はタイヤが摩耗する攻めの走りをしたり、燃料が多く減るオーバーテイクモードにすると、タイヤや燃料が足りなくなる恐れがあったため、活用する機会は多くありませんでした。

しかし今回はドライバーの能力の影響が大きくなっていて、メカニックの特性も加わっています。
ドライバーのスムーズの能力が高ければタイヤの摩耗はかなり抑えられ、メカニックの燃料節約スキルがあれば燃料もあまり気味に。
こうなるとアタックモードやオーバーテイクモードも有効になります。
ドライバーが「タイヤに余裕があるから攻めさせて!」と言ってくる場合もあります。

耐久レースになるとドライバーの交代が可能、燃料補給も加わるため、ピット戦略はさらに難しくなります。
でもそれは、レース監督ゲームとしてより面白くなっているとも言えますね。

Motorsport Manager Mobile 3 ピットイン
※今回のピットインは画面半分を使ったカットインが現れるようになりました。
前作とは違い、同時にピットインさせてしまうと、後から入ってきた方は先に入ってきた方の作業が終わるまで待つことになるので、2台のピットインのタイミングは必ずズラすようにしましょう。

Motorsport Manager Mobile 3 ドライバーの通信
※ドライバーがあれこれ言ってる図。
ドライバーの通信(expand radio message)はオプション(Preferences)でオート表示にできます。
トラブル発生などの重要な情報を聞き逃さないよう、すぐオートに変えておきましょう。
GT カーレースで使える、ゲージを消費して加速できる ERS もオプションでオート化可能。
ドライバーがタイミングの良いところで使ってくれるようになります。

最初は Tier 4 のシリーズから始まり、6戦でのチャンピオンを争います。
途中にエキシビジョンのレースが1つ入りますが、前作より1シーズンのレース数は少なめ。
その分、1区切り付くまでの時間が短く、前より早くゲームが進行します。
成績が上位なら次の Tier のシリーズに進めます。

そして新しいシーズン開始時には、参戦するレースの種類を選べます。

フォーミュラカーレースは言わば普通のレースで、予選と本選で争うもの。

GT カーレースには予選がなく、スターティンググリッドはドライバーの成績などで決められます。
(成績が良ければ前とは限らない)
そしてブレーキングによってエネルギーが蓄積され、それを使って加速できる ERS(エネルギー回生システム)を使用できます。

耐久レースは1台に3人、合計6人のドライバーで時間制のレースを行なうもので、ERS あり、燃料補給あり、ドライバー交代ありの複雑なルール。
やや上級者向けです。

ルールの異なる複数のレースが用意されているのが今回の大きな特徴。
また、シーズン終了後にルールの変更を他のチームが提案してきて、投票で採用か不採用かを問うシーンもあります。

賛否ある頻繁なレギュレーションの変更がこのゲームでも再現されていて、投票次第では前述のルールにも変更が加わるかもしれません。

Motorsport Manager Mobile 3 レーススケジュール
※レーススケジュール。途中に入るイベントレースは雇われ監督として異なるチームを率い、最後尾のマシンが脱落していくエリミネーションなど、ちょっと変わったルールのレースに参加します。

Motorsport Manager Mobile 3 新シーズンのレース選択
※そして新シーズンのレース選択画面。
耐久レース(IEC Endurance)はドライバーが6人必要で、お金がかかります。
面白くはありますが、当面は避けた方が無難。
予選のない GT Challenger はメカニックの重要度が下がります。

Motorsport Manager Mobile 3 ルールの投票画面
※ルール変更の投票画面。勝つためにはルールを変える、それがワールドスポーツ。
これはセーフティカーの採用の是非が議題。右上の Change Rule で他の議題を提案できます。
Against で反対、For で賛成。Abstain で棄権を選ぶと影響力が増えるので、どうでも良い議題の時はこれにしましょう。
右下の Additional Voting Power を押すと影響力を使って投票力がアップ。もはや公正な投票でさえない。

冒頭でも述べましたが、基本部分は変えずに、ゲームバランスの調整と、面倒だった部分の改善を行って、より楽しめるようにした続編という印象です。

私的にはレース中のマシンが数字マークではなく、3D モデルで表現されることを期待していたのですが、そこは実現しなかった模様。
それでも十分な改善と強化であり、ファンが望んだ作品になっています。

難点は前作同様、レースに関する基本的な知識がないと辛いこと。
難しくはなく、何度か F1 中継を見たことがあれば良い程度ですが、英語のゲームですし、ピットインしてタイヤを交換するとか、タイヤにソフトとハードがあるとか、その辺も知らないぐらいだと理解し辛いかもしれません。

F1 やモータースポーツファンにとっては、今回もマストアイテムと言えるゲームです。
開発 / 運営系シミュレーションが好きな人にもオススメです。

Motorsport Manager Mobile 3Motorsport Manager Mobile 3 (iOS)

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