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アスファルト9:Legends レビュー

アスファルト9:Legendsアスファルト9:Legends
レースゲーム
ゲームロフト(フランス)
本体無料、課金・ガチャ・スタミナあり
レビュー公開:2018/8/4
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ハチャメチャレース6年ぶりの新作

スマホ / タブレットのレースゲームは、長らく2つのシリーズが頂点に立っていました。
リアル系のレースゲーム「Real Racing」シリーズと、ハチャメチャ系のレースゲーム「アスファルト」シリーズです。

今のリアル系は Real Racing 3 より GRID Autosport の方が主流だと思いますが、ハデなクラッシュやアクションが連発されるハチャメチャ系は 2013 年に「アスファルト8:Airborne」が登場して以後、ずっとこれが中心にありました。
それだけ完成度が高かった作品で、開発元のゲームロフトも続編を出さず、このゲームをアップグレードしていく方針を採っていました。

しかし前作の登場から約6年が経ち… ついにアスファルトにも新たなナンバリングタイトルが公開されました。
アスファルト9 : Legends」です。

アスファルト9:Legends

最先端の美しいグラフィック、圧倒的なスピード感、クラッシュや大ジャンプなどの派手なアクション、建物や崖を飛び越える奇想天外なコースなど、アスファルトらしさは健在、むしろさらにパワーアップしています。

ただ… 基本の操作スタイルが「すごくカジュアル」になりました。
アクセル自動、ハンドル自動、ブレーキ不要…
プレイヤーがやることはカーブでボタンを押してドリフトすることと、ニトロで加速すること、あとはいくつかの分岐点で走る方向を選ぶのみ。
レースゲームではなく、見事なほどに「レース風のカジュアルゲーム」になっています。

今までの通りのマニュアル操作もあるのですが、ボタン配置が悪いうえに変更できない難点が。
加えて当面はすぐ終わる短いレースが多く、その点でもカジュアル化。
燃料という名のスタミナがあり、ガチャで出るのはマシンの「かけら」(設計図)で、海外スタイルのソーシャルゲーム。
初見はもう、本当に最悪な気分になりました。

しばらくやっているうちに、徐々に考えは変わっていったのですが…
自分の評価は、未だに定まっていないのが本音です。

ソーシャルゲームの形式なのでアプリ本体は無料。ただし課金・スタミナ・ガチャがあります。
ただスタミナはマシン単位なので、なくなっても別のマシンでプレイ可能、動画広告の視聴でも回復できるので、そこまで厳しくありません。

アスファルト9:Legends
アスファルト9:Legends

メインのキャリアモードはステージ制で、目標を達成できれば次のステージに。
当面は「3位以内でフィニッシュ」か「勝利する(1位になる)」が条件ですが、報酬が増えるサブミッションもあります。

前述したように操作スタイルが複数用意されていて、初期設定は簡易操作「Touch Drive」。
勝手にずっと走ってくれるモードで、何もしなくてもゴールしますが、カーブでブレーキボタンを押すとドリフトします。
また、ブレーキをダブルタップするとマシンがスピンし、その状態でライバルに接触すると相手をクラッシュさせることができます。

これらのアクションを行うとニトロゲージが貯まっていき、ニトロボタンで急加速が可能。
急加速中もライバルを吹っ飛ばしてクラッシュさせられます。
クラッシュ時にはスローとカメラワークによる派手な演出が行われます。

走行中、たまに画面上部に進行方向を示すアイコンが現れ、画面をスライドしてどちらに向かうか選択できます。
コースに分岐が多いのもアスファルトの特徴で、選択によっては脇道や、もはや脇道とは言えない路地裏や建物内に入ったりできます。

バレルロール(きりもみ回転)するジャンプ台もあるなど、とにかく展開が派手。
ビュンビュン飛んでバリバリクラッシュする、ハチャメチャなレースを簡単操作で誰でも楽しむことができます。

…が、アクセルもハンドルも不要なゲームなんて、もはやレースゲームではない。
前述したようにカジュアルゲームであって、レースを期待していた人、アスファルト8のような内容を考えていた人だと、この操作スタイルにはガッカリする事でしょう。

ただ、ボタンでギアチェンジするだけ、もしくはカーブでドリフトするだけの超シンプルな「CSR Racing」というカジュアルゲームがあって、このシリーズは世界で大ヒット、1作目だけで1億ダウンロードを突破するほどの人気になっています。
日本にも似たタイプの「ドリフトスピリッツ」というゲームがあり、こちらも人気。

つまりカジュアルにレース風ゲームを楽しみたいライトユーザーもかなり多い訳で、今作はそうした層にアスファルトを近付けたものと言えます。

アスファルト9:Legends Touch Drive
※上部にある3つのマークが Touch Drive 使用時に表示されるコース選択のアイコン。
その先に何があるのかマークで示されています。

アスファルト9:Legends ニトロでクラッシュシーン
※ニトロダッシュアタックで吹っ飛ぶライバル!
ガラスが割れ、ボンネットやバンパーが外れる、リアルなクラッシュシーンが連発されます。
ニトロは最大時に連打で使うと短時間超加速、ゲージの青い部分で再使用すると超時間持続になります。

アスファルト9:Legends スピンでクラッシュシーン
※こちらはスピンアタックでクラッシュ! スピンは明らかに「攻撃」手段。
ただスピンすると少しスピードが落ちるので、空振ったり連発するとライバルに抜かれます。

ただ、操作スタイルは簡易な「Touch Drive」だけでなく、従来のようなタップ操作と、傾き(ティルト)操作も用意されています。

しかし、タップ操作のボタン配置が最悪…
これはもう、先に画像を見て頂きたいと思います。

アスファルト9:Legends タップ操作

画面の左下と右下にブレーキとニトロのボタンがありますね。
そしてタップ操作では画面左側を押せば左に、右側を押せば右に曲がります。

あれ? でもこれだと曲がろうとして、ブレーキやニトロのボタンを押しちゃうんじゃない?」と思うでしょう。

その通りです。 誰がどう見ても当たり前です。
そしてこのボタン配置は固定されていて、カスタマイズや違うボタン配置は用意されていません。

おかげでタップ操作だと誤操作連発!
意識して画面の内側を押し、指がボタンに触れないようにしないと「あれ? 曲がらない!」という事故が相次ぎます。

あえて汚い言葉を使いますが、もうマジでこんなクソ配置にした開発者はおかしいのかと。
ワザと使い辛いインターフェイスにしてタップ操作を諦めさせ、Touch Drive に誘導しようとしているとしか思えない、そうでないなら何を考えてこんなおバカな状態で、カスタマイズもなしで公開しているのか全く解らないボタン配置です。

まあ幸い、傾き(ティルト)操作だとこうした問題はありません。
傾き操作でもコントロールは悪くなく、アスファルト8や他のレーシングゲームのように自由なハンドル操作で楽しむことができます。

ただ、ティルト操作は寝転んで遊べないし、人前でも無理。
手軽ではないので、出来ればタップ操作を改善して欲しい所です。
そもそもどうしてアスファルト8では問題なかったのに、9になってこんな (愚痴になるので割愛

アスファルト9:Legends マニュアル操作でクラッシュ
※中央の壁に押し付けてライバルクラーッシュ!
手動操作だとゲームが難しくなりますが、自由に動けるのでこんな風に敵を押し付けるとか、自動操作では出来ないことを行えます。

アスファルト9:Legends ニトロブーストスピンでクラッシュ
※そしてスーパーニトロブーストスピンアターック! 謎の閃光に包まれる三菱ランエボ!
もはや何がなんだか解りませんが、そういう世界です。

レースを終えると資金と、そしてマシンの「設計図」や強化パーツを得られます。
この設計図をたくさん集めればマシンが手に入るのですが…
いわゆる「キャラクターの欠片」であって、高レアの設計図はなかなか手に入らないのに数十枚集めないとマシンが手に入らないという、日本では嫌われるシステム。

正直、集められる気がしなくて途方に暮れますが、1人用のモードを進めるのに必要な最低限のマシンの設計図は、普通にゲームの進行で手に入るようになっています。

資金はエンジンやタイヤなどのパワーアップに使うもの。
ただ、強化上限があり、こちらも限界突破するには設計図を集めてマシンのレアリティを高めなければいけません。
いかにもソーシャルゲームですが、当面はレアリティが高まらないとゲームが進まない、ということはないでしょう。

ステージ数はかなり豊富で、第1章だけでも 10 の「シーズン」があり、それぞれに 10 前後のステージが用意されているので、つまり1章だけでもおよそ 100 ステージ。
それが5章まであるので、現時点でもボリュームはたっぷりです。

序盤はカジュアルな短いステージが多いのですが、それなりにゲームが進むとコースを2周3周する長いステージも登場し、本格的なレースになっていきます。
1対1のレースや、タイムアタックレース、パトカーに追われるエスケープステージなど、内容も様々です。

なお、オンライン対戦もあるのですが、対戦は上級者でない限り、自動で走ってくれる簡単操作が有利。
しかし簡単操作だと単なるパワー勝負になりやすいので、微妙な印象です。

アスファルト9:Legends マシン強化画面
※マシン強化画面。強化すると「ランク」という数値が上がっていきます。
レースごとに推奨ランクがあり、それ以上でないと勝つのは辛いのですが…
ただ、難しいというだけであって、勝てない訳ではありません。

アスファルト9:Legends ステージマップ
※ステージマップ。条件達成で設計図を得られます。
レースによっては出場できるマシンが決められていますが、各クラスのマシンを1つずつ最初から持っているので、進めないという事は当面ありません。

アスファルト9:Legends 検問
※前方に警察の検問が。もちろん全速力で強行突破!
パトカーが介入してくるステージもあり、レースと言うよりカーチェイスが繰り広げられます。

という訳で、このゲームの自分の評価の遍歴はこんな感じです…

  1. うわ! アスファルトを CSR にしやがった! 現ロフト最悪! クソゲー!
  2. うわ! タッチ操作のボタン配置最悪! しかも変更できねぇ! 超クソゲー!
  3. それなりに進めば楽しめるステージも出てきたな… 操作もティルト(傾き)なら悪くない…
  4. これはこれでアスファルトらしくて良いかも。簡易操作も面倒なステージでラクできるし
  5. 簡易操作だと飽きてくるな… でもティルトでやっても実利ないんだよな…
  6. 今の時代のアスファルトはこれで良いのだろう(達観) でも私的には… ←イマココ

結論として面白いか面白くないかで言うと、今は面白いと思っていて、手軽に遊べるし、自分に合わせた操作スタイルを選べるし、長く楽しめ、アスファルトらしくもあると感じています。
アスファルト8で培われたハチャメチャレーシングの神髄は確かに引き継がれており、スピード感や爽快感は流石です。

ただ、私はチートのある RPG を真面目に遊ぶ気になれないように、簡単操作のあるゲームをわざわざ苦労するティルト操作で遊ぶのは、微妙な気持ちになります。
しかし簡単操作ではそんなに楽しいと思わないので、そうすると何とも…
少しでいいから、マニュアル操作だと経験値がアップしたり、追加の報酬や勲章を得られたりすれば良いのですが…

無論、何度も言うようにカジュアル操作はライトユーザーでも楽しめるので、それが悪いと言っている訳ではありません。
ただ、自分が望んでいる形とはちょっと違った、という感じです。

前述の点を割りきれる人や、手軽に遊びたい人には良いゲームです。
グラフィックとハデな演出は現行のスマホゲームの中ではトップクラスで、最新機種のパワーを体験するのにも良いアプリ。
色々な意味で「今の時代の最新アスファルト」ですね。

アスファルト9:Legendsアスファルト9:Legends (iOS 版)

アスファルト9:Legends (Android 版)

※Youtube 公式 PV

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