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Yodanji レビュー

YodanjiYodanji
ローグライク
コトブキソリューション / ケムコ(日本)
価格 360 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/11/28
iPhoneAndroid

レトロな雰囲気の硬派な妖怪ローグライク

ローグライク。
日本ではトルネコやシレンなどの「不思議のダンジョン」シリーズが有名ですが、元々はパソコンの黎明期から存在していた、古典的なゲームです。
その初期の雰囲気を持つ、日本の「妖怪」をテーマにした上級者向けのローグライクゲームが公開されています。
Yodanji」です。

Yodanji

日本のローグライク… と言うか「不思議のダンジョン」系は豊富なアイテムを駆使して戦いますが、欧米のローグライクはアイテムよりも、キャラクターが持つスキル(特技)を駆使するものが多いです。
そのためアイテムがあっても、あまり持ち運べないものが多めです。

そしてこの Yodanji は日本で作られた、日本の妖怪をテーマにしたゲームですが、そのスタイルは完全に海外のローグライク。
しかもグラフィックや演出は、初期のパソコンゲームを模しています。
そのためか日本より先に海外で公開されており、難易度も海外基準と言えます。

タイトルの Yodanji は「妖談寺」のことですが、日本でもタイトル名がアルファベットのままなのは、そうした海外のスタイルであることを表わしているのでしょう。

よって不思議のダンジョン系のつもりでプレイすると、色々と違和感を受けますのでご注意下さい。
例えば「アイテムの所持量が少ない」という意見がストアレビューに多いですが、前述したように海外のローグライクは、元々そういうものです。
それに対応することもゲーム性であり、これはこれで固有のローグライクの面白さがあります。

価格は 360 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。

Yodanji
Yodanji

まずはプレイする「妖怪」を選びます。
妖怪は 20 種類も用意されていますが、最初から選べるのはそのうちの3体。

提灯に化けて休息できる「提灯お化け」、連続攻撃と回復で戦う「カマイタチ」、氷の遠距離攻撃を行う「雪女」など、それぞれ多彩な特徴を持ちます。
ただ、どの妖怪が初期キャラになるかは初回起動時に決まり、プレイヤーごとに異なります。

主人公を選んだら地下1階からゲームスタート。
方向キーで上下左右に移動し、移動先に敵がいる場合は通常攻撃を行います。
ナナメ移動はありません。

他のローグライクと同じく「ターン制」で、こちらが1度行動すると、相手も1度動く方式。
こちらが動かない限り相手も動かないので、ピンチの時は慎重に行動しましょう。

操作感はかなり良く、連続で方向キーをタップすればサクサクと移動できます。
押しっぱなしにすれば高速で移動でき、十字キーの中心にあるパスボタンを長押しすれば、連続パスによる休息(回復)を行えます。

ただし満腹度があり、ターンごとに減少。
動き回ったりパスし続けたりするとすぐに腹が減り、いずれ餓死してしまうので、無駄な行動はできる限り避けなければなりません。
満腹度の減少量はキャラごとに違いますが、あまり余裕はありません。

アイテムの上に行くと、アイコンを左フリックして拾うことができます。
使用はタップで行い、右フリックで足下に置きます。

このゲームはアイテムを5つしか持てないので、すぐに持ち切れなくなります。
ただ、置いたアイテムが消えることはありません。
そしてこのゲームは階段を自由に上り下りでき、前の階に戻ることができます。

アイテムを取りに戻ることもできるので、これで所持量の少なさをカバーすることが可能です。
あまり頻繁に往復していると満腹度が尽きてしまいますが…。


※妖怪選択画面。最初のキャラは人によって違います。
まずは各キャラの特徴を把握することが大事。
それぞれの妖怪に都市伝説的な「伝承」があります。


※妖怪「猫又」はまさかのネクロマンサー。
倒した敵をガイコツとして蘇らせ、味方として引き連れることができます。
他にも透明化するとか、擬態するとか、ユニークな特徴を持つ妖怪がいます。

このゲームの大きな特徴は、レベルはあるけど、経験値が存在しないこと。
レベルアップするには各フロアに1体ずついる「人魂」を見つけ、倒さなければなりません。
ただ、人魂を他の妖怪が食べている時があり、この時はその妖怪を倒して奪わなければなりません。

経験値がないので敵を倒しても得られるものはありませんが、妖怪の世界は弱肉強食、倒した敵の亡骸を食べて満腹度を少し回復できます。
妖怪によっては、亡骸を別の用途に使えます。
また、このゲームは敵が自然発生しないので、倒しきればそのフロアは安全になります。

レベルアップすると HP と SP(MP に相当)が少し増え、そしてスキルを1つ習得 or 強化できます。
各妖怪は4つのスキルを持っていて、例えば「提灯お化け」なら攻撃スキルの火炎の息、身を隠せる提灯化、敵を弱体化させる発光、範囲ダメージを与えて自分もダメージを受ける自爆を持ちます。
どれを優先するかが攻略のポイントですね。

ゲームの目的は3つの「巻物」を集め、地下 10 階の奉納場所に納めること。
クリアすれば新しい妖怪がアンロックされます。

ただ問題は、アイテムを5つしか持てないのに、3つの巻物を持っていく必要があること。
前述したように移動しやすい場所に巻物を置いておき、後で取りに戻るなどして対処する必要があります。


※青い人魂を取り込めばレベルアップ。
各フロアに1つあるので、それを見つけてから次の階に向かいましょう。
4階以降は重要アイテムの巻物も探す必要があります。


※こんな風に持ち切れないアイテムは階段の近くに置いておきましょう。
必要になってから取りに戻れば OK。
階段は各階に必ず2つあるので、降りてみて敵が多いようなら戻り、もう1つの階段で降りてみましょう。

難点… と言うか、あまり人気が出ていない要因になっていると思うのは、その難易度。
ローグライクの中でも屈指の高難度です。

HP が低くてちょっとの油断ですぐ死ぬシビアなバランスなのに加え、何度も言うようにアイテムの所持量が少なくて装備(お守り)や薬を持ち歩き辛く、満腹度も厳しいので無駄に行動できない。

難易度はノーマルの「妖怪探索」と、イージーの「妖怪ピクニック」が用意されていますが、イージーでも地獄のピクニック。
当面はこちらでプレイしても延々と死にまくることでしょう。

ただ、ローグライクは難しいからこそ面白いというのがあって、簡単なローグなんてすぐ飽きます。
チャレンジングな難易度だからこそハマり、戦略を最適化していく楽しみがあるので、ここは難しいところです…

しかしクリアしないと妖怪が増えないシステムなので、今のままでは最初の3体しか使えないまま、挫折する人も少なくないでしょう。
半分、せめて 1/3 ぐらいは、クリア以外の条件で解放されるようになっていた方が良かったようにも思いますね。

古い海外の PC ゲームのスタイルであることを考えると、それは「甘い」のかもしれませんが。


※スキル画面。「1d5」はダメージの算出方法を示し、「(サイコロの数)d(サイコロの目)」です。
1d5 なら 1~5 のサイコロを1つ振ります。
2d3 なら 1~3 のサイコロを2つ振るので、ダメージは 2~6、サイコロが多いほど平均値が出やすくなります。


※死屍累々。リトライを繰り返し、前回のプレイを反省しながら、少しずつ「プレイヤー自身の」レベルアップをしていかなければなりません。

とにかく「硬派なローグライクゲーム」です。
都市伝説的な妖怪の雰囲気も良く、色々な意味で従来のケムコのイメージとは違う作品ですね。

ライトゲーマーには向きません。
生半可なプレイでどうにかなる難易度ではありません。

ローグライクが好きで、レトロなグラフィックに愛着を持て、昔ながらの高難度にもめげず、困難をトライ&エラーと戦略と創意工夫で突破できる人は、きっとハマれるゲームです。

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Yodanji(Android 版、Google Play へ)

※Youtube 公式 PV

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