The Talos Principle
パズル アドベンチャー
開発:Croteam(クロアチア)
配信:Devolver Digital(アメリカ)
価格 600 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2017/10/25
美しすぎる哲学的パズルゲーム
創造主エロヒムによって作られた、古代遺跡を模した謎の世界。
そこにある数々のパズルを解き、自らの価値を証明しつつ、世界と自身の意義を探る、超美麗グラフィックの哲学的アドベンチャーゲームが公開されています。
「The Talos Principle」です。
3D グラフィックゲームエンジン「Serious Engine 4」によって作られた風景は、現時点のスマホ / タブレット No.1 と言える美しさと細密さを誇り、ここまでの表現のアプリが登場したことに技術の進歩を感じずにはいられません。
美しいフィールドを散策しながら各所にあるパズルを解いていく内容は、先日公開された The Witness とかぶりますが、The Witness が各所にあるパネルを見つけ、そこにあるパズルを解いていたのに対し、このゲームはフィールドに直接しかけやトラップが配置されています。
公開当初は落ちるわ、画面が乱れるわ、異様に熱を持つわ、哲学的な長文が出るのに英語オンリーだわで、どうしようもない状態だったのですが、度重なるアップデートで改善されました。
当初のヒドイ状態を見てガッカリした人も少なからずいると思いますが、今は普通に遊べ、メッセージやボイスも日本語にすることができます。
グラフィックの質は使用機種によって調整されるようで、iPhone 6 Plus で試してみたところ、光の反射や水の波紋などが省略されました。
しかし iPhone 6 でも、その美しい風景は十分に堪能することができます。
(公式の対応機種は iPhone 5s / iPad Air 以上)
価格は 600 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。
PC(Steam)版は 3980 円だったので、かなり安めです。
2GB 近くのデータ量があるため、空き容量にはご注意下さい。
まず操作についての注意を。
初期設定ではタップでその場所に移動し、ダブルタップでダッシュになっていますが、この操作方法だと移動するのに何度も繰り返しタップしなければなりません。
The Witness もそうでしたが、この操作方法はタッチパネルではやや面倒です。
慣れもあると思いますが、オプションでスティック+ボタンに変更できるので、そちらに変えるのをお勧めします。
スティック移動だとダッシュできないのが難点ですが、バックしやすい利点もあります。
オプションボタンは、画面左上を右にスライドすると出てきます。
何も目印がなく、解り辛いので気を付けて下さい。
言語もオプションから変えられるので、英語になっている時は LANGUAGE から変更しましょう。
ゲームが始まると、いきなり古代ギリシャ風の遺跡の中に現れます。
少し進むと電磁波のシャッターに行く手を遮られますが、近くに三脚カメラのような「ジャマー」があり、それを持って来てシャッターに向けて設置すると、シャッターを消去することができます。
さらに進むと巡回している自爆ドローンや、赤外線センサーを発しているマシンガン付きの監視カメラなども現れますが、これらもジャマーで無力化することができます。
当面はこのように、現れる様々なトラップを、近くにあるジャマーで対処しながら進んでいきます。
※前方の赤い光を発している黒い球体が自爆ドローン。
三脚付き測量機にしか見えない「ジャマー」を使って無力化します。
もし触れて爆発しても、そのエリアの入口からリスタートできます。
戻されること以外にデメリットはありません。
※これは謎解きのヒント。中央にあったシャッターをジャマーで消しているのですが…
消えているシャッターや、すでに無力化しているドローンにも、他のジャマーを設置することができます。
こうしておくと、一方を取ってもジャマーの効果は消えません。
それにしても、壁の質感と描き込みがすごい。
※風光明媚な場所ばかりではありません。
場所によっては夕闇の廃墟や、雨天のエリアも…
広場に出ると、テトリスブロックが描かれた看板のある、紫色のスクリーンが見つかります。
その向こうは「パズルエリア」になっていて、見た目は通常のフィールドと変わりませんが、ジャマーを工夫して使わなければ先に進めなくなっています。
例えば、複数のジャマーを組み合わせて扉を開けるとか、シャッターを消して自爆ドローンをその向こうに誘導してシャッターを閉めるといった、パズル的な手順が必要です。
ただ当面は、そんなに難しいパズルは出てきません。
うまく突破できれば、その奥にあるテトリスブロックを手に入れることができます。
これは扉のカギの1つで、フィールドにはこのような、ブロックを得られるパズルエリアがいくつも存在します。
ブロックをある程度集めると、新しいエリアの扉を開けられるか、アイテムのアンロックを行うことができます。
序盤に使えるアイテムはジャマーしかありませんが、ブロックによるアンロックにより、レーザーを反射させるクリスタルや、土台となるキューブなどを使えるようになります。
そしてこれらを使わなければ突破できない、新しいパズルが登場。
これを繰り返しながらゲームは進んでいきます。
※紫のスクリーンは通過でき、その先がパズルエリア。
セーブポイントにもなっていて、ミスった時はそこから再開します。
すでに手に入れたブロックの看板には「×」印が付く親切設計。
※光と影のコントラストが美しい、中継地点の神殿。
とりあえず扉の番号順に攻略していきましょう。
※レーザーを反射させるクリスタル付きの三脚。
まずレーザーの発光源や、反射させる先を選択し、それから地面に設置します。
土台にしている四角いキューブもアイテムの1つ。
このゲームの特筆すべき点は、1つは美麗なグラフィック、そしてもう1つは哲学的なストーリー。
ゲームが進むと、コンピューター処理のような演出を何度も目にするでしょう。
映画マトリックスを思わせるようなシーンも各所で見られます。
また、フィールドのあちこちにコンピューター端末があり、これにアクセスすることで、失われたデータベースの一部を閲覧することができます。
それは何かの開発者のメールであったり、哲学書の引用であったり、よく解らない思索であったりします。
一部ではボイスレコーダーも見つかります。
ゲーム自体はフィールドを探索し、パズルを解いていけば進めるので、哲学的なことを考える必要はありませんが、印象に残る演出や伏線を散りばめて、プレイヤーにあれこれ考えさせる作りになっています。
※色々なところで見つかるターミナルの端末。
意味深な情報を得られますが、進行のヒントになるものではありません。
ゲームの裏設定のようなものを断片的に得られます。
※2つ目の世界は古代エジプト風。
古代エジプトもまた哲学の盛んだった時代。
※そして行き着く巨大な塔。その上には何があるのか?
創造主エロヒムは、この塔には入るなと繰り返し忠告しますが…
テーマは難しそうですが、パズルや謎解きの難易度は The Witness ほどではありません。
当面はほどよい難しさで、適度に頭を使いながら、その風光明媚な風景を楽しみつつ、ゲームを進めていくことができます。
看板の矢印や扉に書かれた数字が、行くべき方向や順番を示してくれているので、迷子になってどうすればよいのか解らないと言うことも少ないでしょう。
小難しそうに見えて、実は模範的な作りの高クオリティーなパズルゲームです。
そのグラフィックだけでも一見の価値がある作品。
脱出ゲームや謎解き系が好きな方には、特にオススメですね。
The Talos Principle(iOS、App Store)
・The Talos Principle(Android、Google Play)
・The Talos Principle(PC版、Steam へ)
※Youtube 公式 PV
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