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Chaos Reborn: Adventures レビュー

Chaos Reborn: AdventuresChaos Reborn: Adventures
シミュレーション RPG
原作:Snapshot Games(ブルガリア)
移植:Big Blue Bubble(カナダ / イギリス)
価格 1200 円、買い切りアプリ
レビュー公開:2018/9/23
iPhoneAndroidSteam

X-COM 開発者によるファンタジー SLG

モンスターを召喚する魔術師となり、他の魔術師と戦いながら世界を探索する、ヘビー級でターン制の戦術シミュレーション・アメリカンファンタジーが公開されています。
Chaos Reborn: Adventures」です。

Chaos Reborn: Adventures

2015 年に PC(Steam)で公開されていたゲームをスマホ / タブレットに移植し、ルールを一部改修したもの。
「RPG スタイルのターンベースストラテジー」と紹介されていますが、ファミコンウォーズやファイアーエムブレムとは異なり、カードを使ってユニットを召喚します。
攻撃魔法や障害物を出すカードもあり、他のゲームとは趣が異なります。

世界観も マジック・ザ・ギャザリング のような感じで、指輪物語やドラクエのような中世ファンタジーではなく、アメコミやスターウォーズが混じったようなアメリカ的ファンタジー
日本人だと好みが分かれそう。

X-COM の開発者が作っているだけあって、すごく重量級で、こだわりを感じる細かいルールが多いのですが、日本語化されていないため敷居はかなり高いです。
元は Steam のソフトだったので価格も高め。

よって対象ユーザーが限られるゲームですが、欧米ではかなり人気で、X-COM スタッフの新作と聞くと興味が沸く方も多いでしょう。
価格は 1200 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。

Chaos Reborn: Adventures
Chaos Reborn: Adventures バトルシーン

最大6人で対戦できるマルチプレイモードもあるのですが、1人用のシングルキャンペーンを中心にご紹介します。

キャンペーン開始時には CHAOS(混沌)、NEUTRALITY(中立)、LAW(秩序)の3つの属性を持った杖と鎧(ボディーギア)を選択します。

ただ、これは初期装備の選択であり、ずっとその属性でプレイする訳ではありません。
別の装備が手に入れば付け替えられますし、カオスの杖と鎧を選んでも、手札にロウのカードが来ない訳ではありません。
適当に好みで選べば良いでしょう。

Chaos Reborn: Adventures 初期装備の選択
※最初の三匹… ならぬ三装備の選択。
杖は手札の枚数、カード構成、ターンごとのマナ回復に影響。
衣服は攻撃力や防御力などの基本ステータスとデッキの枚数に影響します。

シングルキャンペーンを始めると、まずはマップ画面になります。
周囲は霧で包まれていますが、移動することで晴れていきます。

マップ画面にあまり戦略的なものはなく、自由に探索することができます。
移動するライバル魔術師も現れますが、当面は固定された敵しか出て来ません。
制限時間があるので無駄に動き回るのはよくありませんが、そこまで急がなくても大丈夫です。

たまにイベントが発生し、選択を求められますが、メッセージは英語で、しかも長文…
英語が堪能でないとストーリーの理解は困難です…

ただ、読めなくてもゲーム的には問題ありません。
選択は背景が青い方はロウ、赤い方はカオスな返答になります。
イベントで傭兵が仲間になる事も。

マップ上にいる敵魔術師のマークに接するとバトルシーンに移行します。

Chaos Reborn: Adventures マップ画面
※マップ画面。ターンが経過するごとに左のメーターが貯まっていき、最大になると追放されますが、時間には余裕があります。
巻物マークは傭兵を雇用できる場所。
傭兵は最初からいる初期配置ユニットになります。

Chaos Reborn: Adventures イベントシーン
※イベントは文字のみで語られるので、英語が読めないと解り辛い。
ちなみにこのイベントは、ジャイアントがゴブリンの村に進撃しているというもの。
青ならゴブリンを助け、赤は巨人とヒャッハーします。

バトルはターン制の戦術シミュレーションで、最初は双方の魔術師と傭兵しかいません。
魔術師は総大将であり、やられたら即座に敗北。

画面下には手札が並んでいて、これを使ってユニットを召喚しますが、このゲームには2つの召喚方法があります。
幻影召喚」と「リアル召喚」です。

リアル召喚は通常の召喚で、必要な分のマナ(MP)を消費します。
一方、幻影召喚はマナを消費しません。カードは消費しますが、MP 0 でも実行できます。
幻影でも能力は実物と変わらず、同じように戦えます。

しかし手札には必ず「Disbelieve」という幻影を暴くカードがあり、これを使われると即座に消散してしまいます。
しかもカードは1ターンに1枚しか使えませんが、幻影を暴くことに成功した場合はこの制約を受けません。
よって複数の幻影を連続で消される事もあります。

ただ、Disbelieve は相手が現実だと効果がなく、そのターンに他のカードを使えなくなります。
「読み」が必要なシステムと言えますね。

序盤に高コストのユニットを出されたり、マナを温存したい時は、暴くのを試みると良いでしょう。

Chaos Reborn: Adventures 幻影召喚
※召喚は手札を対象のマスにドラッグして実行。
召還時に「CAST ILLUSION」を選ぶと幻影の召喚になります。
バレたら消されますが、バレなければお得。

Chaos Reborn: Adventures 召還シーン
※移動の邪魔をする障害物をまとめて召喚中。
カードの中には一度に複数召喚できるものがあり、ネズミは3匹、ゾンビは2体召喚可能。
魔法も単体攻撃と3体を攻撃するものがあります。
いらないカードは右下のマナ表示にドラッグすればマナに変換でき、すぐに新しいカードも引けます。
ただしデッキの枚数はそれほど多くないので注意。

召喚したユニットは次のターン以降、移動や攻撃を行えます。
魔術師自身も戦えますが、やられたら負けなうえに防御力がないので、後方の安全な場所にいた方が良いでしょう。
ただ、マップ上に宝箱や、MP が増えるクリスタルがあるなら、それを取りに行きたいところ。

マップは六角形のマスで区切られていて、主なルールは以下のようになっています。

パソコン版(無印 Chaos Reborn)は攻撃に命中率があり、当たったらどんなユニットでも即死していたようですが、スマホ / タブレット版(Chaos Reborn: Adventures)はそうした特殊なシステムではなく、普通に攻撃力に応じたダメージを与えられ、HP がなくなったらやられる一般的な形になっています。

しかしそれでも細かいルールが多く、やや複雑。
加えて、フィールドに邪魔な森を出現させるカードや、味方をパワーアップさせるトーテム、死んだ味方が 50 %で復活する祭壇など、施設や障害物を出すカードも存在。

TCG(トレーディングカードゲーム)ほどカードの効果が多種多様な訳ではないですが、まずはルールとユニットの把握が必要でしょう。

ただ、バトルマップはそれほど広くなく、魔術師があっけなく落ちることもあって、1回の戦闘は(戦術 SLG としては)それほど時間はかかりません。
たまに一進一退に陥ることもありますが。

ゲームのポイントになるのはアンデッド。
攻撃できるユニットが限られていて、対抗できるカードがないとどうしようもありません。
カオスならこちらもアンデッドで対抗し、ロウなら Pladin(パラディン)か魔法で処理するのが基本です。

Chaos Reborn: Adventures 移動範囲の確認
※敵をタップすると移動範囲を確認できます。
ほとんどのユニットに反撃がないゲームなので、敵を誘き寄せて袋叩きにするのが攻略の基本です。
攻撃の結果も事前に確認することができます。

Chaos Reborn: Adventures 遠距離攻撃
※遠距離攻撃は射線の判定が結構厳しい。
撃てそうで撃てないケースが多いです。
ただ、攻撃可能な敵をタップすると、自動で攻撃できる位置に移動して射撃してくれます。
でも基本は移動して撃つより、撃ってから逃げる。

Chaos Reborn: Adventures アンデッド
※問題のアンデッドの皆さん。他にゾンビもいます。
通常ユニットは攻撃が通じないだけでなく、接するとおびえて動けなくなります。
有効な対抗手段はパラディンと攻撃魔法。
Bolt Tower や Icarus Tower の攻撃も通じます。

敵魔術師を打倒できれば勝利、経験値とお金を得てマップに戻ります。
負けた場合は少量の罰金を取られ、近くからリスタートすることになりますが、大きなペナルティはありません。
ただし、やられた時の選択で「RETURN TO LIMBO」を選ぶと、途中経過をすべて破棄してメニューに戻ってしまうので注意して下さい。

マップ上には町や塔、ワープゲート、ボスのいる宮殿などがあり、ボスを打倒できれば勝利です。
ただ、ボスはバリアで守られていて、戦略魔法(STRATEGIC SPELLS)の Breach Palace でそれを打ち破らないと戦えません。

戦略魔法に必要なマナは魔力の塔(MANA FLUX)を占領しないと得られず、町で装備や傭兵を買うことも必要ですから、マップは隅々まで巡ることになるでしょう。

ステージは全部で5つ。
1つクリアするのに数時間が必要で、結構なボリュームです。

Chaos Reborn: Adventures マップ画面、ステージ2
※町に立ち寄ったシーン。マップの情報や装備、装備に付けるお守りなどを購入できます。
ステージ2以降でモンスターの集落や巣を解放すると、援軍の派遣先を指定できます。
戦闘が起きた時、集落からの援軍が到着しているとバトルシーンで一緒に戦ってくれます。
なお、戦略魔法は4種類ありますが、うち2つは Citadel(砦)でしか使えません。

Chaos Reborn: Adventures ステージセレクト
※ステージセレクト画面。見ての通り未来的な感じで、中世ファンタジーではないです。
MtG や Warhammer が人気の海外では、もうこれが普通なんですかね。
まあ、日本の FF も SF ファンタジーですが。

世界観、ジャンル、内容、言語、価格、すべてにおいて取っ付きやすいゲームではないですが…
スマホアプリに良くある「スマホだからこんなもんで」みたいな感じが一切ない、コアで硬派でハードなゲームで、そこは X-COM に通じるものがあります。
ちなみに、開発者の方が X-COM の前に作っていたゲームを再構成したものだそうです。

召喚士がユニットを出しながら戦う戦術シミュレーションゲームは、ファルコムの「ヴァンテージマスター」などいくつか前例がありますが、その中で最も作り込んでいるゲーム。
ヘビーな洋ゲーも嗜む人なら、注目の作品だと思います。

Chaos Reborn: AdventuresChaos Reborn: Adventures (iOS版)

Chaos Reborn: Adventures (Android版)
Chaos Reborn(PC 無印版、Steam)

※Youtube 公式 PV

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