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Prison Architect: Mobile レビュー
(プレイガイドレビュー・前編)

アプリ名Prison Architect: Mobile
開発 / 経営シミュレーション
開発:Introversion Software(イギリス)
販売:Paradox Interactive(スウェーデン)
本体無料、自由建設 600 円、フル 1800 円
レビュー公開:2017/11/18
iPhoneAndroidSteam

Steam で人気の刑務所建設 SLG が iPad に登場

快適な更正施設か? それとも死の監獄か?
牢屋を並べ、スタッフを集め、必要な設備とセキュリティを整えながら民間刑務所の運営を行う、海外で大ヒットした刑務所建設シミュレーションゲームが iPad に登場しました。
Prison Architect: Mobile」です。

Prison Architect

2012 年からパソコンで先行公開が始まり、2015 年に正式発売されたゲームで、PS4 や Xbox にも移植された人気作です。
日本での知名度は高くないのですが、細部まで作り込まれた自由度の高い開発シミュレーションで、割と日本人好みの内容だと思います。

iOS 版は iPad 専用なのでご注意下さい。
また、アプリ本体は無料ですが、無課金だと体験版の状態に過ぎず、自由建設モードでのセーブができません。
ストーリーモードの1つ目のステージは最後まで遊べますが、操作方法のチュートリアルに近く、しかも囚人の死刑執行を行うダークなもの…

刑務所がテーマであるため、ややブラックなのは確かですが、このストーリーステージだけプレイしたのでは、むしろ内容を誤解してしまいそうですね…
実際には好きなように刑務所を建設 / 運営できるので、囚人の要望に応えた、快適な施設作りも行えます。

自由建設モード(Sandbox Mode)のセーブ解禁は 600 円
この課金により、完成済みの刑務所でプレイするモードも遊べます。
ストーリーモードの2つ目以降は、1ステージ 360 円。
全てまとめてアンロックする課金は 1800 円です。
Steam 版は 2980 円なので、これでもだいぶ安いです。

開発は Introversion というイギリスのメーカーですが、iOS / Android 版の販売はハーツオブアイアンで有名な Paradox が行っています。

Prison Architect Mobile
Prison Architect Mobile

しかしこのゲーム、メッセージが英語で内容もかなり複雑、解り辛いのは否めません。

そこで今回はプレイレポート形式で、序盤の進め方を説明しながら、ゲームの紹介を行いたいと思います。


【 民間刑務所 建設日誌・建設編 】

刑務所。 犯罪者を社会から隔離し、罪無き者に安全を、罪有る者に更正を与える施設である。
そしてこの国では、刑務所の民営化が許可されている。
この場合、刑務所も産業となる。いわゆる獄産複合体だ。

先日、私は CEO から辞令を受け、この地での刑務所運営を任される事となった。
地域を守り、囚人を更正させ、金も稼げる、素晴らしいビジネスだ。

Prison Architect Mobile モード選択

と言う訳で、自由に刑務所を建設できる「Architect Mode」で運営を開始する。

他にストーリーモードや、既存の刑務所を読み込んで開始する Premade モードもあるが、やはり建設ゲームの醍醐味は一から施設を作っていくことだろう。
メッセージが英語なので、ストーリーモードは解り辛いし。

さっそく「Build Your Own Prison」の「Play」ボタンをプッシュする。

すると以下のような初期設定画面が現れる。

Prison Architect Mobile 初期設定

たくさんの項目があるが、その多くは難易度(Difficulty)を変えると自動で設定される。
とりあえず2番目の難易度「Federal」を選択した。
初期資金 10 万ドル、犯罪者の受け入れ金に +50 %の修正が付くようだ。
ややイージーぐらいだろうか。

この難易度だとイベントやギャングの発生、天候などは OFF になる。
しかしそれでは面白味がなさそうなので、Prison Gang、Events、Weather~ は ON にしてスタートすることにする。

さて、建設予定地に赴くと…
道路が一本あるだけの、何もない平原が広がっていた。

この荒野に1から刑務所を建てていかなければならない。

Prison Architect Mobile 原っぱ

道のわきには荷下ろし場所である「DELIVERIES」、ゴミ出し場所である「GARBAGE」と書かれたエリアがある。
まずはここを避けて、入口付近の壁を作っておこう。

メニューの「Materials」のボタンを押し、リストの中からコンクリート壁(Concrete Wall)かレンガ壁(Brick Wall)を選ぶ。

そして画面をタップ。
緑の枠が現れるので、これをドラッグで引き延ばして長さを決める。
中央にある矢印をドラッグすると位置を動かすこともできる。
タッチパネルでも操作性はかなり良好だ。

Prison Architect Mobile 最初の壁

設備はすぐパッと現れる訳ではない。
作業員が資材を運搬し、建設作業を行って、初めて完成する。
その動きは細かく、眺めているだけでも楽しめる。

入口となる部分には2マス分の空きを作っておいた。
大きな鉄格子のドアが2マス分だからだ。
ただ、鉄格子は看守でないと開け閉めできず、運搬の邪魔になるため、設置は後回しにする。

さて、建設と平行して… やっておくべきことがいくつかある。
まずは囚人の受け入れの停止だ。

囚人は受け入れ設定(Intake)に従って毎朝8時に送られて来るが、まだ刑務所が完成していないので送られてきても困る。

画面左側にある3つのタブの真ん中をタップし、Intake を選択。
Closed」のボタンを押して停止させる。

Prison Architect Mobile Intake

続いて、助成金(Grants)のボタンを押す。
これは言わば「ミッション」で、指示されている条件をすべて満たせばボーナスを貰えるというものだ。

まずは基本となる Basic Detention Centre(基本的な刑務所)のミッションを受けておこう。
この項目に沿って進めていけば、刑務所ができてボーナスも貰え、一石二鳥だ。

Prison Architect Mobile Grants

さて、刑務所に最初に必要なもの。
それは、監獄でも看守でもない。 水と電気だ。
最初は本当に何もないので、シムシティよろしく発電所から作る必要がある。

ただ、電気と水道は簡単に用意する方法がある。
Quick Build」というボタンの中にはテンプレートの部屋が用意されている。
この中の Utility Room を選べば、発電機と水処理設備のある部屋を簡単に設置することができる。

Prison Architect Mobile Utility Room

いずれ所長室も要るので、発電室の裏にでも作っておく。
これも Quick Build の Office で、机やイスといった必要な備品が含まれた部屋を、簡単に配置することができる。

続いて、刑務所なのだから牢獄が必要だ。
Basic Detention Centre のミッション内容には「Build a Holding Cell」(待機牢獄の建設)という項目がある。
これはまだ部屋が決まっていない囚人を、とりあえず居留させておく場所だ。

他に Quick Build のテンプレ牢獄には、Basic Cell という独房と、Dormitory という相部屋がある。
最初に CEO から送られてくる英語の手紙に「最初はお金がないから相部屋がいいよ!」と書かれていたので、相部屋を2つ作ることにしよう。

Quick Build には Solitary Cell という牢獄もあるが、これは悪さをした囚人を入れる懲罰房だ。 いずれ必要だが、もっと後でもいいだろう。
Luxury Cell は豪華部屋だが、そんなものを作る余裕はない。

Prison Architect Mobile 牢獄設置

さて、牢獄の建設が始まったが、そのままでは完成しても機能しない。
電気を通し、トイレにも水道管を通さなければならない。

すでに発電機と水処理施設は作っているので、水と電球マークの Utilities ボタンを押し、インフラ画面に切り替える。
そして電線(Electrical Cable)と水道管(Small Pipe)を繋げていく。
オフィスにも電気を通さなければならない。

Prison Architect Mobile 配線画面

ここで一旦、ミッションの内容を確認する。

えーと、他に必要なのは…
シャワー、運動場(Yard)、キッチン、食堂(Canteen)。
あと看守2人と、コック2人を雇用か…

まずは適当な場所を運動場(Yard)に設定しておこう。
これは範囲を決めるだけで良い。

メニューの中にある「Rooms」のボタンを押して、Yard を選択する。
指定エリアを何の用途にするかは、この Rooms で決める。
Yard は安全が確保されて(塀で囲われて)いなければならないが、それは後で良いだろう。

続いて、食堂(Canteen)を作るのだが…
Quick Build で作ろうとすると、こんな大きさになってしまう…

Prison Architect Mobile でかすぎ食堂

いや、まだこんなデカいの要らないから…
こんなの作ろうとすると金もかかる。

そこで食堂とキッチンは自分で建てることにする。
メニューにある「Foundations」のボタンを押し、Building を選択する。
これは屋内を作るボタンで、指定した場所に壁で囲われた部屋ができる。
レンガ(Brick)とコンクリートがあるが、好きな方で良い。

Foundations ではなく、普通に壁で囲っただけの場合、その場所は部屋ではなく「壁で囲われた屋外」になる。
屋内にしたい場合、改めてそこを Foundations で上書きしないといけない。

建設が完了したら、Rooms のボタンで何の部屋かを設定する。
今回はキッチン(Kitchen)と食堂(Canteen)だ。

なお、連続で部屋を並べて作ると、合体して1つの大部屋になってしまう。
この時は壁を作って仕切らなければならない。

Prison Architect Mobile ルーム設定

何の部屋かを決めると、赤い「!」ボタンが現れる。
これを押すと部屋が機能するのに必要なものを確認できる。

キッチンの場合、流し台(Sink)、調理器(Cooker)、冷蔵庫(Fridge)だ。
ついでにゴミ箱(Bin)も用意しておこう。
食堂にはテーブル(Table)、ベンチ(Bench)、配膳台(Serving Table)必要になる。

これらは「Objects」のボタンから設置できる。
また、忘れずにドアも付けておかなければならない。
ドアも Objects の中にあり、普通のドア(Door)、スタッフのみ自由に通行できるドア(Staff Door)、牢獄のドア(鉄格子や鉄扉)がある。

牢獄用のドアは看守に開けて貰わないといけないので、キッチンはスタッフドア、食堂は普通のドアにするのが良いだろう。

Prison Architect Mobile 食堂建設

もちろん電気と水も通さなければならない。
Utility を選択し、電線と水道管を伸ばせば OK だ。

と、思ったら、電気が通らない。
どうやら電力不足らしい…
しかも水道も機能してくれない…

電力不足は、発電機の横に蓄電器(Capacitor)を作ることで解消できる。
水道が遠くまで届かない時は、水道管を太い Large Pipe にしないといけない。
全部を太くする必要はなく、囚人の脱走経路にもなってしまうようだが、主要な部分は太くしないと末端まで水が流れないようだ。

Prison Architect Mobile 太いパイプ

さて、後はシャワールームと、スタッフの雇用だけだ。

シャワールームも Quick Build だとデカ過ぎるので、自分で作った。
別に難しくはない。
Foundations で適当な大きさの部屋を作って、壁にシャワー(Shower Head)をたくさん取り付け、水道管を繋げ、床に排水溝(Drain)を作るだけだ。

スタッフはメニューにある「Staff」のボタンで雇用する。
看守(Guard)を選び、適当な場所をタップすれば、$500 ですぐ雇える。
コック(Cook)も同じ要領だ。
作業員もここで増員できる。

ただし、スタッフには契約料に加え、給料も払わなければならない。
基本的にスタッフ1人あたり1日 $100。

収支は画面上部に書かれている。
雇用は赤字にならない程度にしなければならない。

Prison Architect Mobile シャワーと収支

さて、これで基本的な施設は全てそろった。
あとは壁で囲って、入口に鉄格子のドアを付けるだけだ。

きちんと壁で囲われていれば、運動場(Yard)の安全も確保される。
これで最初のミッション「Basic Detention Centre」は全項目達成だ。

ぱんぱかぱーん的な演出はないが、左にある3つのタブの上をタップすれば、ミッション達成のメッセージが記されており、報酬も入金されている。

この時点の完成図はこんな感じだ。

Prison Architect Mobile 基本的な刑務所

さあ、囚人を迎え入れよう。
左の3つのタブの真ん中を押して、Intake(受け入れ設定)を選択する。

受け入れの仕方にはいくつか種類がある。
Fill Capacity は最大容量まで自動で受け付ける。
Total Prisoners は囚人の最大数を設定でき、その数まで受け入れる。
Num Per Day は設定した人数を毎日受け入れ、All Avilable は無制限でガンガン受け入れる。

今は相部屋が2つしかない。
相部屋は定員4人なので、8人まで受け入れることにした。

また、囚人には灰色の軽犯罪者、オレンジの普通の犯罪者、赤色の重犯罪者、黒色の死刑囚がいる。
もちろんヤバいヤツほどトラブルを起こしやすい。

ヤバい方が受入金や日々の補助金が高くなるが、まだ始めたばかりなので、ここは灰色の軽犯罪者のみ受け入れることにする。
誰をどれだけ受け入れるかはスライドバーで調整可能だ。

Prison Architect Mobile 受け入れる囚人の選択

やることはやった。
画面右上の時刻表示をタップして、翌朝まで早送りしよう。

そして朝8時… 護送車に乗せられ、囚人がやってきた。
今は軽犯罪者が少ないようで、3人しか来なかったが、翌日にまた来るだろう。

囚人は看守に連れられ、我が刑務所の住人となる。
囚人の詳細はタップして View Rapsheet のボタンを押せば見ることができる。
ちなみに最初の囚人の罪状はゲームの海賊版の販売だった。
うむ、それは重罪だ。 存分に罪を償って貰おう。

囚人を選んで Search のボタンを押すと、看守が身体検査をする。
Search Cell だと彼のいる牢獄のチェック、Search Cell Block だと今いる部屋の全員と全備品を一斉点検する。

刑務所の運営に囚人は無くてはならないが、彼らは犯罪者である。
決して気を許してはならない。

Prison Architect Mobile 最初の囚人

いよいよこれから、刑務所の運営に入るが…

長くなるので、この続きは 後編・運営編 でお届けする事にしたい。

Prison Architect MobilePrison Architect: Mobile(iPad 専用)

Prison Architect: Mobile(Android 版)
Prison Architect(PC版、Steam へ)

※Youtube 公式 PV

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