Prison Architect: Mobile
開発 / 経営シミュレーション
開発:Introversion Software(イギリス)
販売:Paradox Interactive(スウェーデン)
本体無料、自由建設 600 円、フル 1800 円
レビュー公開:2017/11/18
刑務所建設 SLG、解説風レビュー 運営編
何もない土地に1から刑務所を建設し、囚人を受け入れてその運営を行う、開発シミュレーションゲーム「Prison Architect」。
このページはその iPad(タブレット)版のプレイガイド兼レビュー、後編です。
前編は こちら をご覧下さい。
【 民間刑務所 建設日誌・運営編 】
基本的な刑務所が完成し、囚人の受け入れを実施。
いよいよ本格的な運営を開始した。
受け入れを行うと、囚人の種類に応じた助成金、さらに毎日の補助金を得られる。
彼らは居るだけで金になるということだ。
後は大人しくしてくれれば、言うことはないのだが。
囚人はスケジュールに沿って行動する。
スケジュール表は3つのタブの真ん中をタップし、Regime を選ぶと確認できる。
スケジュールは任意に変更でき、囚人の種類ごとに設定することもできる。
重犯罪者は収監時間(Lockup)を多くする、といった具合だ。
しかし当面は変更する必要はないだろう。
もし囚人が不満を貯めているようなら、自由時間などを増やしてやると良い。
※ついでに増築したスタッフルームと倉庫(Storage)。
倉庫は Quick Build がないので自分で部屋を作って倉庫に設定する必要がある。
スタッフルームは疲れたスタッフが休む場所で、疲れていないスタッフは利用しない。
さて、しばらく様子を見ていたが、特に問題はなさそうなので、次のミッション(Grants)を受けることにした。
次は Administration Centre(管理センター)だ。
必要になるのは、2つのオフィス、所長(Warden)の雇用、会計のアンロック、会計士(Accountant)の雇用だ。
そう言えば、所長がまだいなかったな…
所長はすぐに呼べる。
Staff ボタンで Warden を選び、適当なところに置くだけだ。
空きオフィスがあれば、そこに向かってくれる。
次に、会計(Finance)のアンロックを行う。
画面左にある3つのタブの下をタップすると、行政手続き(Bureaucracy)の画面が現れる。
これは言わば、研究画面だ。
ここで必要な技術(制度)を利用可能にすることができる。
今回必要な Finance は画像の矢印のものだ。
実行すると所長がオフィスでウロウロしながら手続きを行ってくれる。
しばらく時間がかかるが、費用以外に必要なものはない。
完了したら会計士を呼べるようになるので、Staff ボタンから雇用。
オフィスも増設すれば、このミッションも完了だ。
どうせ必要になるので、他の手続きも先行して行った方が良いだろう。
その後、独房を増やし、囚人も増え、刑務所運営は順調に進んでいった。
…ように見えた。
だが、どうにも気になることが2つ。
部屋が汚れてきたのだ…
最初は模様かと思っていたが、明らかに汚くなっている。
もう1つは、囚人がヘンな黒いフキダシを出し始めた。
でも、このフキダシの意味が解らない。
何かの不満があるのだと思うが…
とりあえず汚いのを何とかしないといけない。
手続き(研究)画面をよく見てみると、一番右のメンテナンスの下にクリーニングという項目がある。
これを研究すれば掃除係(Janitor)を雇えるようだ。
だが、そのためにはメンテナンス部長から研究しないといけない。
部長のためのオフィスも必要になる。
クリーニングの研究後、掃除係を雇うことで、ようやく清掃が始まった。
ほうきでサッサッと掃くと、部屋が見違えるように綺麗になっていく。
ゴミ出しもしてくれるようだ。
野外の掃除のため、グラウンドキーパーも研究&雇用した。
しかし、部屋が綺麗になっても例の黒い不満が収まらない…
それどころか、丸いフキダシがイガイガになって、激怒状態になっている!
そして誘発される暴行事件。
何が不満なんだよお前ら!
とりあえず最悪の事態になる前に、医療(Health)の手続きを行い、医務室を作ってドクターを雇用する。
暴れた者を収監する懲罰房(Solitary Cell)も設置。
その後、不満のある囚人をタップしてよく見てみると…
囚人情報の左下に Needs & Reputation(要望と評判)という表記があるのに気が付いた。
しかし「Needs(要望)を見るには Psychologist(心理学者)が必要です」と書かれている。
いや、そのぐらい直接聞けばいいだろ…
どうやら心理学者がいないと要望は解らないようだ。
Psychologist(心理学者)は研究(手続き)でアンロックできる。
完了後、雇用して所内に置いてみると、要望がリスト表示されるようになった。
えーと、なになに…
Family(家族)、Clothing(衣類)、Freedom(自由)、Literacy(学習)、Hygiene(衛生)、Warmth(暖房)、Exercise(運動)、Bowels(大便)、Bladder(小便)か…
多いな。
トイレとシャワーはあるとして、赤字になっているヤバいものは家族と衣類だ。
自由はまあ、あきらめろ。
学習は図書室や教室などが必要なので後回し。
で、結局あの謎の黒いフキダシは、衣類が汚れているということだった。
そう言えばランドリールームを作ってなかったな…
さらに他の囚人を見てみると、プライバシーやレクリエーション(娯楽)、スピリチュアリー(宗教)など色々な要望を出しているのが解った。
プライバシーは相部屋なのが原因だ。
暴動が起きる前に、これらに対処しなければならない。
すぐに増築を開始して、面会室(Visitation)、礼拝堂(Chapel)、仮釈放の準備室(Parole)などを用意する。
礼拝堂に祭壇だけでなく、イスラム教の絨毯もあるのがあちらのゲームらしい。
※面会予約(Visitors)があると、上のタブでその旨が伝えられる。
仮釈放の面談室(Parole)は模範囚の釈放を早めるプログラムを実施できる。
そしてランドリールーム(Laundry)を設置する。
掃除係が汚れた衣類の収集、洗濯、アイロンがけ、衣類配布などを行ってくれるようになった。
さすがに人員が足りないので、清掃員を追加雇用する。
運動場には運動器具(Weights Bench)を配置し、談話室(Common Room)も増設、電話(Phone Box)を並べ、テレビ+ソファも用意、ゲームやビリヤードも置いておく。
ふう、ここまでやれば、もう騒がれることもないだろう。
※ランドリールームの運用画面。各独房をカバーしているのが解る。
と、思ったら甘かった…
更なる強い要望が、囚人達から一斉に出始める。
なぜなら… 雪が降り始めたから!
雪の結晶が舞い、屋外にうっすらと積もっていく。
その表現は綺麗だが、気温は -3℃。 囚人の不満は MAX!
さすがに頭に来ているのか、朝のシャワータイムに看守を巻き込んで殴り合いが始まる!
氷点下に冷水シャワーだからな…
加えて、ドラッグやアルコールと言った要望がどんどん増えていく。
でもドラッグ支給とかあり得ないだろ…
ストレスの高い者が増えて暴行が多いためか、Safety(安全性)で不満を持つ囚人も現れ始めた。
とりあえず、シャワーだけでも温水にする。
独房を増やし、シャワールーム横の相部屋を1つ潰して、そこにボイラー(Water Boiler)を設置した。
そして温水パイプ(Hot Water Pipe)をシャワーと繋げる。
温水パイプは水のパイプと混在できるようだ。
※独房の捜索で酒を隠し持っているのを発見。
ドラッグやアルコールを密輸する囚人がいるため、たまにチェックが必要。
部屋の捜索は囚人がいない時に行った方が良い。たまに脱出トンネルが見つかることも…
そして温水シャワーの作業中、ボイラーのボタンの横にラジエーター(Radiator)があるのに気が付いた。
これがあれば暖房ができるのでは…?
試しに食堂にラジエーターを設置して、温水パイプを繋げてみる。
メニューの「Logistics」で温度を確認してみると… 赤色に変化。
おぉ、食堂と、その隣のキッチンが暖まっている。
牢獄の方にもラジエーターを配置しておけば、冬を越せそうだ。
また、ドラッグとアルコールに関しては、更正プログラム(Programs)で対応できるのが解った。
左に3つあるタブの真ん中をタップし、Programs を選ぶと、必要な人員や施設が整っていれば様々なプログラムを実施できる。
アルコールセラピーや麻薬中毒治療の他に、宗教の説法、キッチンでの労働支援、制作作業の手ほどきなどもある。
労働支援が成功すれば、その囚人はキッチンで手伝いをしたり、作業室で制作物を作ることができる。
これらの労働配置はメニューの Logistics にある「Add Prison Labour」で行う。
洗濯や清掃の手伝いなら、特に技術がなくても行えるようだ。
仕事を与える事も、彼らの生きがいとなるだろう。
※新しい更正プログラムは右上の緑のボタンで設定する。
アルコールのセラピーは談話室+イス+心理学者、麻薬の治療は医務室+ドクター+療養ベッドが必要。
治療はなかなか成功しないが、とりあえず症状を抑えることはできる。
※食事しながら談笑する囚人達。
たまに所内のワンシーンを写した写真が出てきて、タップでコレクションできる。
※Prison Running のボタンでは、パトロールの研究をしていれば、看守や衛兵の巡回経路を設定できる。
牢屋の扉の近くに看守を常駐させて、扉を早く開けられるようにするのも有効。
これでようやく運営も安定した…
人員や設備を増やしたため、収益が減っているが、これは囚人を増やせば改善されるだろう。
凶悪犯を受け入れるという手もあるが。
ともあれ、刑務所建設のノウハウは、これでほぼ学べたと言えそうだ。
ここはもう、他の者に任せても大丈夫だろう。
最後に、株式と施設売却について述べておきたい。
この刑務所の運営は、あくまでビジネスである。
株式を売り出すことができ、さらに施設自体を売却することもできる。
ただし 20 人以上の囚人がいて、運営状態が良好である(脱走者や死亡者が最近出ていない)ことが必要だ。
左の真ん中にあるタブをタップして Accountancy を選び、上部にある「Buy and Sell Shares」のボタンを押すと、株式を 10 %売り出して、資金調達することができる。
また「Valuation」をタップして刑務所の資産価値を表示し、SELL PRISON のボタンを押すと、刑務所そのものを売却できる。
ただし売却額は株式を売っている場合、その割合に応じて下がる。
もし拡大の余地がなくなったり、新しい刑務所の運営を始めたい時は、今の刑務所は売っておくのが良いだろう。
売却金は新たに始める時に「Prison Sale Profits」の設定で、初期資金に加えることができる。
では、私は新たな建設候補地へと向かおう。
ここをご覧の方々の刑務所が、多くの社会貢献と富を産むことを願っている。
以上、プレイガイドレビューでした。
刑務所なので、単なる開発シミュレーションで終わるのではなく、パトロールや監視、トラブルの抑止といったプラスアルファの要素があるのが面白いところ。
かわいらしいデザインのキャラクターがちょこまか動き回る様子には、カイロソフトの開発 SLG に通じる楽しさもありますね。
やり方次第で、処刑室を作って死刑を執行しまくったり、武装兵と狙撃兵で守られた極悪監獄にすることもでき、自由度は高いです。
ワザと暴動を起こさせて、その混乱ぶりを楽しむプレイもある模様…
さすが長く開発が続いている世界的ヒットの経営 SLG。
開発ゲームが好きな人にはオススメです。
Prison Architect: Mobile(iPad 専用版)
・Prison Architect: Mobile(Android 版)
・Prison Architect(PC版、Steam へ)
※Youtube 公式 PV
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