Golf Club: Wasteland
ゴルフ（横視点）
Demagog Studio（セルビア）
価格 360 円、買い切りアプリ
レビュー公開：2018/7/7
ポストアポカリプス・ゴルフ
地球の文明が滅亡し、一部の富裕層が火星に逃れた未来のお話。
火星のセレブはたまにロケットで地球にやって来て、廃墟でゴルフに興じている…
そんな終末ゴルフの様子を描いたゲームが公開されています。
「Golf Club: Wasteland」です。
開発したのはセルビア共和国に拠点を持つ、ノマドワーカーのクリエイター達の会社。
ゲーム専門のスタジオではなく、短編映像やサウンドの制作を中心としているところのようです。
そのためか内容は、ゲームという形式を取った芸術作品と言ったおもむき。
ただ、ちゃんと横視点のゴルフでもあり、ゲームとしても成り立っていて、秀逸な雰囲気ゲーといったアプリですね。
海外では非常に高く評価されている作品です。
価格は 360 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。
Super Stickman Golf のような、横視点のゴルフゲームです。
画面を長押しして構え、指をスライドして打つ角度と強さを決め、離してショットします。
ゴルフですから、旗の立っているグリーンがあり、ボールを入れればステージクリアです。
ただ、そのホールがパーいくつかとか、合計で何ストロークかとかは普段は表示されません。
一応、一旦ゲームを出て、メニュー画面でオプションボタンを押せば、そこにスコアと各ホールのパー（基準打数）が書かれています。
しかし逆に言うと、こんな風にオプションを開かないとスコアは出てきません。
まずはスコアを気にせず、廃墟でのゴルフに興じて欲しい、といった感じでしょうか。
全 30 ステージ（実質 29 ホール）ですが、前半と後半でゲームはかなり変わります。
前半は無理のないステージで、どれだけ少ない打数でホールアウトできるかを競う、ゴルフらしい展開。
しかし後半はかなり無理のある、複雑で難関なステージが現れ、打ちまくってもいいからとにかくグリーンを目指せ、みたいなゲーム的な展開に。
前半は雰囲気を楽しんで、後半はゲームを楽しむ、といった作りにしているのだと思われます。
※荒涼としたこの終末の世界は、主人公のゴルファーにとっては懐かしい世界。
そのため未来が舞台でありながら、レトロさを感じさせるデザインになっています。
※スコアは右上にある○ボタンを押して、ドアボタンでゲームを出て、歯車ボタンを押せば表示されます。
PAR を見れば解るように、14 ホールから急に難易度が上がります。
このゲームの魅力は、やはりその雰囲気でしょう。
草むらから覗き込んでいるかのような多重スクロール、レトロでペーパー風の背景、寂寥感を醸し出す宙を舞う枯れ葉など、アートを感じる演出が見られます。
また、火星の放送局から受信しているクラシックラジオという設定のサウンドも、とても雰囲気があります。
スタッフロールに出てくる人も、その 2/3 がサウンド関係で、力の入れ具合が解ります。
後半はプチ壷男のようなマゾさを感じるシーンもありますが、全体的には雰囲気重視であり、それに浸りながらプレイするのが楽しさですね。
一応、ゴルファーの心情が書かれた「個人日誌」があり、各ステージでパーを取ると半分、アンダー以下なら全文を見られ、これを埋めていく要素があります。
ただ、やり込みと言うほど難しくはありません。
※何やら黒い人影が…
このステージは手前の草むらから覗いているようになっていて、つまりこの人物の視点で進行します。
※だんだん複雑化していくステージ。
グリーンへのルートも複数用意されていて、自動ドアやスイッチなどアクション的なしかけも現れます。
後半は画面をスライドしてホールを見渡し、まずゴールまでの道筋を考えましょう。
良質の雰囲気ゲーとして勧められる作品。
ラストまで２時間ほどですが、雰囲気重視のゲームはダラダラ続くのも良くないし、ちょうど良いぐらいのボリュームだと思います。
ちょっとしたストーリーもあって、最後には達成感を得られることでしょう。
謎解き系やパズルと違って行き詰まることのない、手軽に楽しめる雰囲気ゲーとして、この手が好きな方にはお勧めです。
Golf Club: Wasteland (App Store)
※Youtube 公式 イメージビデオ
| Tweet |
|
他の雰囲気 / ビジュアル系ゲーム